志情(しなさき)の海へ

琉球弧の潮風に吹かれこの地を掘ると世界と繋がるに違いない。世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

『出亭記念日』続きです!

2017-03-26 19:22:45 | 沖縄演劇

久保君の演出に対する唯一の不満は、中途半端な教室の壁のセット。目に見えない壁をめぐる物語なので、「目に見える壁」は邪魔です。

しかも掲示物(時間割)がはられていて説明的ですね。あの机と椅子があれば、そこは教室になります。ひたすら少女達に目をこらし、耳を澄ます芝居ですから舞台上には余計なものをはぎ取り、必要なものだけおきたい。第1部の終幕間際、あずみの机を抱えて周子が去っていくときの照明の溶暗に浮かび上がる壁がまるで墓石に見えます。

それにしても、演劇はいいですね。目の前に起こっていることをじっと見ることで目の前にない、目に見えないものを想像させる。この感性に訴える表現媒体として他に替えがたい。 我々は、きちんと見ること、聞くことすらおぼつかない時代に生きている気がします。

                                             追記
 第2部を書いていた当時、暴力というテーマがあって、「体罰」という目の前の小さな暴力の存在が
 「戦争」という大きな国の暴力を見えずらくしているという思いがありました。第1部は、逆に「戦争」という大きな暴力が、友人の死という目の前の小さな「暴力(の結果)」をかすませていることに対する
 異議申し立てが思いとしてありました。

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  原作者の島元 要先生の批評眼は凄いと評価している方です。沖縄の芸能、演劇を含め相対的に見据えているお一人ですね。役者・演出家の福永もいいですね!てぃるるで見せた生徒指導の教師役ですが、んん良かった。こんな先生がいるんだったら高校生には希望の★に見えますね。


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