第34回フェブラリーS回顧~弔いの3/4同血クロス

2017-02-19 17:31:36 | 血統予想

東京11R フェブラリーS
◎4.コパノリッキー
○13.エイシンバッケン
▲16.インカンテーション
△6.モーニン
△10.カフジテイク
×1.サウンドトゥルー
×5.アスカノロマン
注3.ゴールドドリーム
注11.ノンコノユメ
過去10年のフェブラリーSのうち8年は良馬場で1.34.9より遅い時計での決着だが、昨年は重馬場で1.34.0、09年は稍重で1.34.6。そして良馬場で1分35秒台のゾーンに入ると、父ゴールドアリュールのコパノリッキー、エスポワールシチー、シルクフォーチュン、父エルコンドルパサーのヴァーミリアン、父キングカメハメハのホッコータルマエ、母母父ヌレイエフのフリオーソと、必ずヌレイエフ持ちが連対していることに気づく。ちなみに土曜の東京でダ1600戦は一鞍だけ行われ、勝ったサンチェサピークはヴァーミリアン産駒でヌレイエフ5×4だった。
種牡馬ゴールドアリュールの訃報が突然飛び込んできたが、代表産駒のエスポワールシチーは8歳時に、スマートファルコンは7歳時にG1を勝っており、この成長力というか息の長さはハイペリオン的というべきで、コパノリッキーは母もティンバーカントリー×トニービンとハイペリオン血脈が濃く、配合的にはまだ老け込む年ではない。この代表産駒3頭が典型だが、ゴールドアリュールは気難しいヴェイグリーノーブルの血を引くので、産駒は逃げるか揉まれず先行かで気分よく走ると強い傾向がある。昨年はフェブラリーSもチャンピオンズCも速い馬がいて楽に先行できなかったコパノだが、ここはコーリンベリーやモンドクラッセぐらい速い馬はおらず、一番速いのは実はニシケンモノノフだろうがこの枠ならノリは番手で共存をはかるはずで、ならば南部杯や帝王賞やかしわ記念の強さを取り戻しても驚けない。
エイシンバッケンは根岸では直線馬群を捌くのに手間取っての3着。母父シンボリクリスエスの影響が強い体型で、あのストライドは大箱マイルが一番合っていそう。モーニンはナスキロ柔いストライドで走るので大箱向きだが昨年のような軽い馬場がベター。カフジテイクも1400が最も斬れるだけに1600だと馬場が速いほうがいいだろう。アスカノロマンは大跳びで器用さに欠けるので内枠だと乗り方が難しいかも。インカンテーションも母系にヴェイグリーノーブルの血を引くので、馬群を嫌うところがありこの大外枠は歓迎。そろそろ変わり身があるか。

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「フェブラリーは良馬場で1分35秒台のゾーンに入ると、父ゴールドアリュールのコパノリッキー、エスポワールシチー、シルクフォーチュン(Nureyev3×3)、父エルコンドルパサーのヴァーミリアン、父キングカメハメハのホッコータルマエ、母母父Nureyevのフリオーソと、毎年必ずNureyev持ちが連対している」
「今年の出走馬でNureyevを持つのは、ゴールドアリュール産駒のゴールドドリーム、コパノリッキー、母がNureyev4×2のデニムアンドルビー、この3頭だけ」
(下記エントリ「ナスキロか、Nureyevか」より)
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/21fe4b61882e9e557508143dc0fe2c0a

そのゴールドアリュールの訃報が前日に飛び込んできてビックリでしたが、今週は東京ダート1600m戦は土日で4鞍組まれ、土曜3RはNureyev5×4のヴァーミリアン産駒サンチェサピークが勝ち、日曜のヒヤシンスはNureyev≒Sadler's Wells3×3のゴールドアリュール産駒エピカリスが悠然と抜け出し楽勝

そして第34回フェブラリーSは、Nureyev≒Number3×4のゴールドアリュール産駒ゴールドドリームが豪快なストライドで差し切り、G1初制覇と同レース親子制覇を成し遂げました



先日校了したばかりの『パーフェクト種牡馬辞典』ですが、今年もゴールドアリュールは私の担当やったので、その「血統チェック」を抜粋

<サンデー系でも突出したダ適性は主に母父ヌレイエフ譲り。産駒においても、エピカリスのようにヌレイエフ≒サドラーズウェルズをクロスするか、コパノリッキーのようにロベルトやミスタープロスペクターの血を合わせると砂の大物が出る。フーラブライドなど芝重賞で連対した4頭はいずれも母系にマルゼンスキーを引く。ヘイローのクロスは牡は走っておらず、ダ適性を増すには有効ではない>

サンデーサイレンス直仔の中で、競走馬としても種牡馬としても最もダートで成功したゴールドアリュール、そのダート適性は主に母父Nureyev譲りで、母ニキーヤはNorthern Dancer2×4、Nasrullah5×5、Hyperion5・5×6・7・7とNureyevの血脈構成をクロスする父母相似配合で、Nureyevらしさを強く伝える繁殖といえます

だからゴールドアリュール産駒らしいダートのオープン馬をつくるには、ゴールドドリームやエピカリスやクリソライトやシルクフォーチュンのようにNureyev≒Sadler's Wells≒Numberの3/4同血クロスを狙うか、Nureyevのパワー源であるNantallahにNashuaをニアリークロスで合わせるか(キングカメハメハ×ブライアンズタイムとかフリオーソ的な発想ですね)、この二択しかない





Nashuaを引く最も優れた血はMr.ProspectorとRoberto(ともに母父Nashua)ですから、ゴールドアリュールにMr.ProspectorとRobertoをもってくるとコパノリッキーやエスポワールシチーやオーロマイスターなんかが出るわけです











良なら東京マイルはNureyevだと書いておいて、Nureyev≒Sadler's Wells3×3のゴルア産駒とNureyev≒Number3×4のゴルア産駒が勝ったのに、コパノリッキーはHペースを追いかけて直線先頭に立ったもののそこで一杯(^ ^;)

スマートファルコン、エスポワールシチー、そしてコパノリッキーを見てのとおり、気難しいVaguely Nobleの血を引くせいか、ゴールドアリュール産駒はダートで逃げたときの勝率や単回値が異常に高く、馬群を嫌う傾向は大なり小なり見られます

ゴールドドリームは戦績を見ても極端に揉まれ弱い面は見受けられないですが、今日は内枠ながら3~4角で早々と外に出して捲り上げており、GCの解説の方が早仕掛けなのに勝ってしまったと仰ってましたが、あのまま馬群を割ろうとしなかったのは正解やったのかもしれません

そしてコパノリッキーとスマートファルコンとゴールドアリュールの主戦をつとめた武豊がこういう気性を知らないはずはないわけで、アウォーディーに乗ったチャンピオンズCではコパノリチャードとゴールドドリームを外から早めに交わしてしまい、交わされた瞬間にゴルア2騎は急激に失速して沈んでいった

しかし今回はコーリンベリーほど出脚が速い馬がいないので、久々にユタカとコパノリッキーの逃げ切りが見られるんじゃないかと期待したんですが、やはり母系にAureoleの血を引き逃げるか大外一気しか引き出しがないインカンテーションと、母父アフリートらしく園田では外枠からスイスイ先行して勝ったけど内枠の根岸では伸びあぐんだニシケンモノノフ、この馬群を嫌う血統2頭もできればハナに行きたいと考えていたようで、それが思わぬHペース前崩れを生むことに

血統表を見てのとおり、ゴールドドリームとエピカリスはNijinskyのクロスを併せ持つ点も共通し、その影響で胴伸びのある体型に出ているのでどちらも大箱がベターでしょう

他の馬についてもあれこれ書きたいことはあるんですが、けっこう長くなったのでまたの機会に


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4 コメント

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ゴールドドリーム (メタボ博士)
2017-02-19 19:43:41
JRAーVANで去年のヒヤシンスSとユニコーンSを見ましたが、どちらも直線外を回して抜け出していたので、直線の抜け出し方は今日もほぼ同じでしたね。
ユニコーンの2・3着馬が、特にグレンツェントは今日見たかったなあ。
Unknown (ゆーな)
2017-02-20 00:51:13
ジェイドロバリー、フォーティナイナー、Woodman、みんなNasrullahクロスでHyperion持ちのミスプロ名種牡馬
ナス・ペリ・フリートを母方に持った馬のフェブラリーS4連覇とも
Unknown (ゆーな)
2017-02-20 06:46:11
フレンチデピュティについてですが、天皇賞馬のアドマイヤジュピタが母父リアルシャダイでMan'o Warを増幅した形ですね。
Unknown (Y子)
2017-02-22 22:34:04
出資馬の次走予定を見ていて、やっぱり、ダートのアタリを引くことの出来る「目」を養わないと思いますね。

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