栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

ヒカルアマランサスはディープスカイ型

2009-04-02 16:41:59 | 配合論

種牡馬サンデーサイレンスの優れた点は体の柔らかさや旺盛な闘争心を確実に伝えつつ、相手牝馬の特長を引き出すところにあったわけだが、そうした点を最も受け継いだ息子はアグネスタキオンだろう

代表産駒の配合をみると、ダイワスカーレットは母スカーレットブーケがHyperion4・5×6で、牝系がBeau MaxやAlibhaiを引くパワー型スカーレットインクだから、大きなお尻で力強く先行し、Hyperion的粘りで二の脚を繰り出す先行型に出た
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2004103198/

ディープスカイは母アビがSix Crowns≒Carmelize2×2という凄い配合で、これにNasrullah3×4のロイヤルスキーが脈絡するから、タキオンからみてNasrullah→Bold Rulerのラインを強力に累進させた配合といえる。父をさらに柔らかくしたようなストライド走法で、東京で脚をタメた時の斬れ味は現役ナンバーワンだ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005101358/

キャプテントゥーレの母エアトゥーレはトニービン×LyphardでFair Trial5×5、Court Martial6×4だから粘りで走るマイラーで、旧阪神マイル(内回り)の阪神牝馬Sを3番手から抜け出して勝った。息子もこの脚質を受け継いで、中山の内回り2000mをスイスイ逃げて、4角を回りながら突き放して勝負を決めてしまった。クロスはロイヤルスキー3×4だから柔らかな長めマイラーだが、ディープスカイのようなNasrullah的差し脚質にならなかったのはFair TrialとTudor Minstrelのクロスの影響だろう
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005102216/

リトルアマポーラの祖母ルイジアナピットはRockefellaの4×4を持ち、母リトルハーモニーはLyphardとPetingoを通じてFair Trialの薄いクロスだから、これとアグネスレディーの「HyperionとLady Juror」が脈絡する。エリ女の追い切りに跨ったルメールは「この馬は追い込み馬ではない」と言い放ち、その通りにアッサリ勝ってしまった。ハーツクライと似たような脚質の、HyperionとFair Trialの粘りで走る先行馬だと、一度跨っただけで理解してしまったのである
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005102180/

このように、Hyperion系の血をクロスすれば叩き合いで頑張りを見せ、Nasrullah系の血をクロスすれば柔らかな斬れを長い直線で爆発させ、Fair Trial系の血をクロスすれば実直に粘る脚質に出る。これが種牡馬タキオンの最も優れた点ではないだろうか

君子蘭賞で◎にしたヒカルアマランサスは、母スターミー(PO馬でした)がA.P.Indy×CaerleonでRound TableとHail to Reasonのクロス。祖母Caerlinaは仏オークス馬で、5代母CherryはPrince Bio×Nasrullahだから仏米のナスキロ的斬れが満載という血統だ。そこへタキオンでBold RulerとHail to Reasonのクロスだから、配合の方向性としてはディープスカイに近い
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103241/
体型はタキオン似だが動かすと柔らかくてストライドが伸びるので、これは阪神の外回りならもっと斬れると考えられたが、前日の毎日杯と時計も上がりも互角だった。あの勝ちっぷりならオークスのトライアルでもいいところだろう

コメント
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