小指ほどの鉛筆

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11 僕はあの人の影を追う。(タマ→ケロ)

2007年10月19日 23時52分09秒 | ☆小説倉庫(↓達)
どんなに走っても、あの人に追いつくことは出来ないだろうから。
せめて引き止めておくことくらいはと、必死に裾を引っ張ってみる。
目標だった。
同時に、憧れだった。
そして優しくしてくれたあの人のことが、大好きだった。
今でも大好き。
あの人が僕のことだけを見てくれることは無いのだろうけど、少しだけ、僕に視線を送ってくれるだけでもいい。
いくら好きだと言っても、この愛の大きさを語っても、あなたは優しく微笑むだけだ。
「好きです」
「大好きです」
「何で振り向いてくれないんですか?」
こんなに愛しているのに、あなたの頭の中に、記憶の中に、僕の姿はうっすらとしか残ることはないのです。
「軍曹さんv」
何度呼んでも、あなたが完璧に僕を見てくれることなどないんでしょう?
僕はあの人には勝てません。
勝とうとも思いません。
どんどん進んでいってしまうあなたの裾を掴むために、僕はあの人の影を追う。
全速力で走って、走って、息が苦しくなるのにまだ、あなたは遠い。
どうして?
愛して欲しいとはいっていない。
手を繋いでいてくれるだけで良い。
傍にいられればそれでいいというのに・・・。
僕はあなたに難しいことを頼みましたか?
苦しいことを望みましたか?
どうして、どうして、僕はこんなにも呼びかけているのに。
どうして振り向いてくれないんですか?
弟でいいです。
後輩でいいです。
部下でいいです。
僕が何を望んだというんです?
あなたはその望みすらも知らないというのに!
「軍曹さんは僕のものですぅ!」
ふざけでも無い。
だからと言って本気でもない。
苦しかったのですか?
この気持ちは迷惑でしたか?
僕はずっと気持ちを隠していればよかったのですか?
耐えられない。
嫉妬深い僕は耐えられないんです。そんなの。
愛なんていらない。
同情だって良い。
振り向いて微笑んでくれれば、それだけで良い。
手を差し伸べてくれれば、それで良い。
止まってくれていれば、それで良い。
一緒に居させてくれれば、それで良い。
何が間違っていたんでしょうか?
僕はこれからどうすれば、あなたと笑いあうことが出来るんですか?

好きだという感情と
大切に思う気持ち。

どっちが優先されるのか。


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