電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩。時々は実際に散歩を楽しみます。

ハイドンの交響曲第100番「軍隊」を聴く

2013年05月26日 06時01分05秒 | -オーケストラ
演奏会でハイドンを取り上げて聴衆を集めるというのは、これまではかなりハードルが高いようでした。その原因は、作曲家の知名度はけっこう高いのに、曲の人気はさほどではないというアンバランスにあったと思います。

たしかに、「交響曲の父」と呼ばれるように、彼の代表的な作品である交響曲を、遅いテンポで重々しく演奏すれば退屈だし、ヴィヴラートをきかせてゆっくりと演奏すれば眠くなるし、せめてハッタリでも演奏効果があれば面白みがあるのになぁ、というのが一時の共通理解だったように思います。私は、ジョージ・セルとクリーヴランド管の見事なハイドン演奏(*1~5)に感心しながら、成功の大きな原因は、颯爽とした速いテンポにあるのではと感じておりました。



ところで、実際にハイドンのシンフォニーの魅力にあらためて驚き開眼した演奏会がありました。鈴木秀美指揮の山形交響楽団第214回定期演奏会(*6)です。このときの録音が、EXTON の SACD/CD ハイブリッド盤(EXCL-00082)となって発売されています。第226回の山響定期で購入してきたのでしたが、実際の演奏を体験しているからというだけではなくて、あらためて聴いてみて、この演奏の持つ、前へ前へとたたみかけるような推進力、活力と躍動感、そしてなんといっても演奏の「楽しさ」を再確認しました。バロックティンパニの音の抜けの良さ、打楽器の賑やかなリズムと躍動感、緩急と強弱、音色の対比を効果的に示した演奏で、思わずリピートして、何度も繰り返して聴いてしまいます。

手元には、ブシュティスラフ・ノヴォトニーがリーダーとなっている、プラハ室内管弦楽団による演奏(DENON GES-9208)もあります。こちらは、過去の大家たちの重厚な演奏と比べればずっと生き生きとした演奏ですが、やはり鈴木秀美・山響の演奏と並べてしまうと、ずっと落ち着いた演奏というか、「古典派=優雅」という認識の延長線上にあるのではと感じられてしまいます。これはこれで、しっとりとした美質があるのですけれど。

参考までに、録音データを示します。
■鈴木秀美指揮山形交響楽団
I=7'52" II=6'07" III=4'47" IV=5'08" total=23'54"
■プラハ室内管弦楽団
I=8'07" II=5'46" III=5'07" IV=5'33" total=24'33"

(*1):ハイドンのユーモア~「交響曲第93番」を聴く~「電網郊外散歩道」2011年6月
(*2):ハイドンの交響曲第94番「驚愕」を聴く~「電網郊外散歩道」2011年6月
(*3):ハイドン「交響曲第95番」を聴く~「電網郊外散歩道」2011年7月
(*4):セルのハイドンの格調高さ~「交響曲第97番」を聴く~「電網郊外散歩道」2012年11月
(*5):ハイドン「交響曲第96番」を聴く~「電網郊外散歩道」2012年12月
(*6):鈴木秀美指揮の山響第214回定期でボッケリーニ、シューベルト、ハイドンを聴く~「電網郊外散歩道」2011年7月

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