電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山形弦楽四重奏団第24回定期演奏会を聴き、文翔館を満喫

2007年07月10日 06時01分53秒 | -室内楽
日曜日の午後、山形弦楽四重奏団の第24回定期演奏会に行きました。その続きです。
こちらは休憩の際の文翔館議場ホールの内部。二階から撮影しました。お客さんは80名くらいでしょうか。



演奏会の後半のプログラム、スメタナの弦楽四重奏曲第1番ホ短調「わが生涯より」。第1ヴァイオリンを駒込綾さん、第2ヴァイオリンを中島さんに交代し、演奏が始まります。

第1楽章、アレグロ・ヴィヴォ・アパッショナート。ヴィオラが雄弁に語ります。続いてヴァイオリンへ。テンポはやや遅めに、集中してじっくりと取り組んでいることが伝わります。
第2楽章、アレグロ・モデラート・ア・ラ・ポルカ。ポルカのような楽しさ、明るさ、輝かしさ。回顧的ですが、思い出は素晴らしくなるものです。
第3楽章、ラルゴ・ソステヌート。茂木さんのチェロが歌いだすと、他のメンバーはじっと聞き入ります。素晴らしい始まりです。息の長いチェロの音をベースに、ヴァイオリンとヴィオラが感情を込めて歌います。若かった日々のいとおしさでしょうか。でも、懐かしさの感情に浸ってばかりはいられません。やがて厳しい音楽も入ってきます。
第4楽章、晴れやかで活発な音楽が奏されます。しかし、途中の暗転。キーンというノコギリ波のような音。オシロスコープではっきり見えそう。これがスメタナの難聴を表すものでしょうか。少し希望を持たせたピツィカートで曲を閉じます。

聴衆から大きな拍手。プロデュースした駒込綾さん、嬉しそうです。メンバーの皆さんの表情もニコニコ、「やったね!」という感じです。

アンコールは、第1ヴァイオリンを再び中島さんに交代して、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲「アメリカ」から第4楽章。ドヴォルザークは、伸びやかな音楽ですね。

次回の定期演奏会は、9月30日(日)、18時から、文翔館議場ホールにて。ハイドンのOp.17-2とベートーヴェンの「セリオーソ」、それにモーツァルトのト短調の弦楽五重奏曲だそうです。これもたいへん魅力的なプログラムです。



演奏会終了後、まだ時間があったので、文翔館内の喫茶店「カフェ・ド・シベール」で一休みしました。アップルパイと美味しいコーヒーで610円。幸いお客さんもほとんどいなかったので、店内を撮影していいかとたずねたらOKとのこと。ちょいと店内を撮影しました。



これが陳列ケース。いろいろなお菓子が並びます。軽食もできます。いい音楽を聴いた後、すぐに雑然とした日常へ戻りたくないとき、ちょうどいい場所です。演奏会が午後の場合は、たいへんありがたいお店です。



シベールといえばラスクでしょう。ラスクにもいろいろな種類があります。こちらはラズベリー風味のラスクなど。



ついでに、文翔館内部を見学しました。こちらはメインホールの内部。



天井のシャンデリアと、職人芸で花びらの一枚一枚が完全に復元された飾り漆喰です。





最後に、メインホールの椅子です。自宅にもこんな椅子が一つほしい(^_^;)>poripori



ちなみに、この文翔館、入場は無料です。山形市へおいでの際には、山形交響楽団と山形弦楽四重奏団、それにアンサンブル・ピノの演奏会などをぜひチェックして、ついでに文翔館をご覧下さい!
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11 コメント

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羨ましい!! (天ぬき)
2007-07-10 09:48:46
おはようございます。
素晴らしい環境ですね。
身近にこんな素敵なホールがあって室内楽を楽しめるとは羨ましい限りです!! 私の住んでいる千葉の田舎町では望むべくもありません^^;
山形はいいな~ 余談ですがここ数年愛飲している日本酒は山形、酒田酒造の上喜元です(^^♪
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上喜元 (balaine)
2007-07-10 16:49:46
narkejpさん、演奏会レポート楽しく読ませて頂きました。まるでその場にいて演奏を聴いた錯覚に陥るような、素晴らしい解説をありがとうございました。行きたかったのですが、その日、オケの練習と重なってしまい、藤島での山Q演奏会で一度オケ練をさぼっているので、ちょっと躊躇してしまいました(別のオケなんですけど)。
ということで、天ぬきさんが愛飲されている上機嫌、もとい上喜元の酒田に住んでいるため、文翔館コンサートがちょっと遠くなってしまいました。
酒田酒造の近くの鰻屋のことなどもブログに書いておりますので、お暇な方はご一読を。
しぇば
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URL間違いました (balaine)
2007-07-10 16:53:39
以前リンクしたURLが自動的に入ってしまいましたので、こちらの書き込みで直しました。(^^;;;
そういえば、一枚目の文翔館裏手の写真、メンバーの車が写っているのですね。ナンバープレートが読み取れなければいいのですが。
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天ぬき さん、 (narkejp)
2007-07-10 19:32:41
コメントありがとうございます。おっしゃるとおり、室内楽にはたいへんいい環境です。こんなすてきなホールで定期演奏会を積み重ねるという経験は、プロの演奏家でもそうできるものではないんじゃないかと思います。私は、このカルテットが定期演奏会を始めた頃には夜間勤務の単身赴任でしたので、参加できるようになったのは最近のことです。都合の付く限り参加したいと思って、毎回楽しみにしています(^_^)/
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ゴージャス (eyes_1975)
2007-07-10 19:43:48
演奏会を満喫されたようですね。
「わが生涯より」の記事がありましたのでトラックバックを送りました。
“キーン”という擬音効果は印象に残りますね。
ドヴォルザークの「アメリカ」も好きな曲です。最近はチェコ音楽にハマッています。
ホール内と文翔館は素敵ですね。きっと素晴らしかったと思います。
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balaine さん、 (narkejp)
2007-07-10 19:46:14
コメントありがとうございます。アマオケ三昧の酒田の夏はいかがですか。大きなイベントを控えていますので、なにかとお忙しいことと思いますが、お仕事にも音楽にも、ご活躍ください(^_^)/
上喜元、おいしいお酒ですね。当方も、珍しくお酒の話題で記事を書いたことがあります。
http://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/c5f301f199393c351ca2f0419137da92
今日は、寒河江の「銀嶺月山」をいただきました。出羽桜や十四代なども当地の銘酒ですね。山形のお酒はどの地方のものもおいしいです。
ところで、文翔館裏手の車は、一応グラフィックエディタで拡大して表示を確認していますので、ナンバープレートは読み取れないと思います。どうぞご安心ください。
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eyes 1975 さん、 (narkejp)
2007-07-10 20:40:06
コメント、トラックバックをありがとうございます。いい演奏会でした。山形弦楽四重奏団のWEBにあるBBSでは、メンバーの方が書いていますが、録音を聴いて、反省することがたくさんあるのだそうです。たしかに、もうこれでいいと思ったら進歩がなくなりますので、プロの厳しさでしょうか。
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ご来場ありがとうございました。 (らびお)
2007-07-10 22:02:48
いつも応援ありがとうございます。
メンバーの一人が、プログラミングと司会を担当するようになったのは、ここ2、3回位でそれまでは、私がほとんどプログラミングしてました。お話も最小限度に少ししかしていませんでした。アンケートを数回とって、お客様の意見を吟味して、今のやり方に落ち着きつつあります。

最初はオーケストラ意外の活動として、サークル活動的(研究会的?)でしたが、最近は少しはお互い厳しさも目標も出てきたので、更に飛躍したいと考えています。ただプロとしてあまり舞台裏を見せるのは、かっこよくなかったですね。検討します。笑。
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ステキ (くるみぱん)
2007-07-10 22:06:40
文翔館内部、そしてホール。ステキで雰囲気がありますね。
演奏も落ち着いて聴けそうです。

花びらの1枚1枚までもを細かく再現された漆喰の壁も、これからたくさんの人の目を楽しませ、そして誇りに思うことでしょうね。
シベールも天井も高く、言われたように演奏会の余韻に浸りたい時お茶を一口、にいいですね。

narkejpさん、内部の雰囲気伝わります。
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らびお さん、 (narkejp)
2007-07-11 05:12:37
コメントありがとうございます。たいへんいい演奏会でした。主張の異なるメンバーが、長くカルテットを維持するには、息の長い目標が必要だと感じますが、ハイドンの弦楽四重奏曲の全曲演奏と言うのは、素晴らしい目標だと思います。全国的にも、常設のカルテットがハイドン全曲に挑むというのは少ないのではないでしょうか。聴衆として幸せに感謝しつつ、心から応援いたします!
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