奈良岡 隆

青森市政の動きをリアルタイムでご報告

「論説」童謡・唱歌を歌い継ごう

2011年11月09日 | 日記
 夕空はれて 秋風吹き
 月かげ落ちて 鈴虫なく
 おもえば遠し 故郷の空
 ああ わが父母 いかにおわす

 大人なら誰もが、ふっと口ずさむ「故郷の空」(大和田建樹作詞、スコットランド民謡)です。最近の子どもは、この唱歌を意外と知りません。社会や学校から童謡・唱歌の歌声が減っています。
 唱歌・童謡づくりは明治期、欧米の曲を借りて始まりました。西洋の骨格を借りながら、日本の伝統的な心情を歌う。文部省主導で、多くの小学・中学唱歌がつくられました。
 大正時代に入ると、子どもの言葉で、子どもの世界を描いた童謡が次々生まれました。その中核を担ったのが北原白秋、西條八十、野口雨情、山田耕筰、中山晋平たちです。
 学校で、また親から子へ、歌い継がれた名曲の数々は和魂洋才で実ったまさに日本独特の文化といえます。
 童謡・唱歌は、幼い頃の体験、思い出などと結びつき、人生を彩ってくれます。

 夕焼 小焼の
 赤とんぼ
 負われて見たのは
 いつの日か

 この「負われて」を「追われて」と思い込み、「背負われて」の意味と知ったのはずっと後になってからだった、という人は多いはずです。
 学校で、もっと童謡・唱歌の時間をとってもらえないものでしょうか。現代っ子は音感に優れ、覚えも早い。日本語の美しいリズムや言葉の響きに触れてほしいと思います。
 童謡・唱歌は世界に誇れる日本の文化です。ともすれば心の豊かさが見失われがちな昨今だからこそ、もっと大切に歌い継ぎ、広めていきたいと思います。


論説「本を読んであげていますか」(後)

2011年09月18日 | 日記
 日本の子どもたちは最近本を読まなくなった。
 文化庁の調査によれば、「一ヵ月間、全く本を読まない」が4割に上っている。「読書をする人が減っていると感じる」が6割を超えているのも気になる。
 一方で、「幼少期、親に絵本を読んでもらった子どもほど平均読書量が多い」という調査結果がある。
 一冊の本を読むということは、未知なる人やものと出合うということだ。登場人物の生き方に共感したり、時には反感を覚えたりしながら、その世界と対峙する。
 新しいことにわくわくすることもあるだろう。さまざまな出合いを重ねる中で、視野を広げ、心を豊かにできる。
 最近、「どうして」と耳をふさぎたくなるような事件が多い。
 社会の複雑さを反映してか、青少年が抱える問題が深刻になっている。そして、少年事件が起きると、必ず家庭の教育力が取り上げられ、親を責める声が上がる。
 他人を「思いやる心」は言葉だけを教えて身につくものではない。親子のふれあいの中から育まれるものだろう。
 本を読むことで、想像力が豊かになる。
 悪いことをすればどうなるか。ちょっとした想像力が働けば、その恐ろしさに気づき、おののくはずだ。
 人間関係を築く術(すべ)、勤労の喜び、人の面白み-これらを知ることに、読書は確かな力を持っている。
 「人生に正解はない」という言葉がある。同じ本でも、いろいろな解答がある。だから面白い。
 休みの日、一冊の本を子どもに読み聞かせてあげる。そんな豊かなときを家族で持って欲しい。

論説「本を読んであげていますか」(前)

2011年09月17日 | 日記
 絵本は感動の扉。開くと、未知の世界が広がる。
もっと絵本を身近なものとし、たくさんの絵本を読み聞かせてあげたい。
親と子の絆をつぐむためにも。
            ◇
 「童話の世界はファンタジー。(私は)才能がなくて『ハリーポッター』のような本は書けないけど、(文学が)好きだから、だから私はリアリズム。いろんなことを調べて書いているんですよ、いまも(笑い)」。児童文学者岩崎京子さんの言葉だ。
 岩崎さんが、児童文学の世界に飛び込んだのは戦後すぐ。童謡・童話作家の与田準一さんに師事し、「原爆の火」など多くの作品を世に出してきた。
 小学校の国語の教科書に出てくる「かさこじぞう」や、神山征二郎監督の「鯉のいる村」も岩崎さんの作品、また原作だ。
 童話とリアリズムの話は7年前、十和田市で開かれた「手づくり絵本展」で、岩崎さんから直接うかがったものだ。
 絵本は、物語と絵の総合芸術といっていい。
どきどきしながら絵本を開くと、そこには美しい絵と物語がもつ不思議な魅力が秘められている。そして寓話(ぐうわ)・昔話にも、歴史の暗示が詰まっている。 
 


23年第3回定例会一般質問内容

2011年09月17日 | 日記
 青森市は今、分水嶺にあります。
発展の道を進むのか、
長期的低迷の道をたどるのか。

市民が安心できる「防災・減災のまち」を目指すのか。
3・11大震災の教えから「何も学ばぬまち」であるのか。
大きな分岐点にさしかかっています。

 市長の決断が、50年後の青森市を決める。
このことは、間違いありません。

 今こそ青森市の進むべき道を示し、
徹底的に議論を戦わせ、
こうと決まったら強いリーダーシップで
これに邁進していただきたいと、お願いしたいと思います。
  ◇    ◇
 青森市は、人口減少と経済の縮小の中で、
税収は減り、扶助費は増え続けています。

新青森駅保留地は売れ残り、アウガは赤字続き、
公立大学には毎年、9億円近く支出をせざるを得ない財政状況にあります。

 こうした苦しい財政下で、市は、
本年度中にも、青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン事業に着手、
市役所庁舎を建て替えし、
青森駅の自由通路と駅舎を建設し、
都市サービス施設や西口駅前広場の工事に着手する考えです。

 市役所庁舎建て替えに約100億円、
青森駅舎と自由通路に63億円から73億円、

青森駅の都市サービス施設や西口駅前の整備、
青い森セントラルパークの公園整備などに、いくらかかるか分からない。

 国の財政は、破綻寸前、
地方への補助金、交付金の、さらなる大幅削減は避けられません。


 長期的展望をもたず、
やみ雲に、交付金を掴み金とばかりに
「箱物」に走った自治体の悲劇は、
枚挙に暇がありません。

 同じ轍を踏んではならない。
いまこそ「選択と集中」。事業に優先順位をつけ、
しっかり議論された都市ビジョンにのっとって、
事業を進めていくべきです。

 立ち止まる勇気をもっていただきたい。
事業をやらない、決断も必要です。

 以上、私の所見を述べ、
「まちづくり」について、4点お尋ねします。

 1つは、青い森セントラルパーク払い下げについて、です。
この問題については、何人もの議員が、質問されました。
私は、3月議会あるいは6月議会でも、この問題を取り上げ、
質問しました。

 問題の本質は、
青い森セントラルパークを民間に払い下げ、宅地分譲することが、
青森市民にとって、
50年後の青森市にとって、いいことか、ということです。

 5月に、青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン事業の
提案書が明らかになってから、
多くの市民から、反対の声が上がっています。

 8月28日に開かれた青い森セントラルパーク払下げ問題を考える「緑の青森を守ろう!市民の集い」には、会場が
セントラルパークから離れた、アウガだったにもかかわらず、
120人もの市民が集まり、
反対の声が熱く、大きな輪となりました。

 市民派の鹿内市長が、
この声にどう応えられるのか。市民は見守っています。
民間払い下げはすべきではない、との立場から、質問いたします。

 青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン事業についての、
意見募集が7月に行われました。
 2週間という短い期間、それも市ホームページ等での、
簡単な募集案内だったにもかかわらず、
174人の市民から意見が寄せられました。
 これは、驚くべきことです。

 そこに、示された市民の意思は「宅地分譲はダメだ」というものです。
民間払い下げに反対する意見が圧倒的に多かったことに対し、市はどう考えるのか。

 また、市は住宅街区の縮小を要請しているそうですが、
住宅戸数はいくらが理想的と考えているのか。
 
 優先交渉権者と交渉がまとまらなければ、次点交渉権者と協議することになりますが、
その場合、当然ながら市が求めるハードルは高くなると思いますが、
そういう考えでいいのか。

 戸数を縮小すればいい、ということではないのです。
市民は公園を払い下げ、宅地分譲することに反対しているのです。
あくまでも土地払い下げには反対、との思いをもって、
お聞きします。

 次に、青森駅について、お尋ねします。
 「青森駅を中心としたまちづくり基本計画案」が7月策定されました。
その中で、地区の課題の1つに「駅・商店街・ウオーターフロントが一体となった魅力向上」が示されています。
 私も、その意見には賛成です。
 しかし、市がすべての役割の中心を担う、という考えには反対です。

 その所有者が、主たる役割と責任を担うべきです。
「駅」はJR東日本、青い森鉄道であり、
商店街は、商店街を構成する「それぞれの商店」が、役割を果たすべきです。

 青森駅周辺の活性化のための計画には、
もちろん大賛成ですが、
計画に当たって、民間と行政、官民が担う役割を明確にしなくては、
アウガの二の舞となります。

 そこでお尋ねしますが、
青森駅複合拠点プロジェクトでは、駅舎、自由通路、都市サービス施設を一体的に展開する、としています。
一体的に展開するとは、どういうことか。
 「都市サービス機能」は何を想定しているのか。その建設主体はどこになるのか。
 また、いまの、青森駅は旧国鉄時代に建てられたものです。
現在の駅舎建設時に、市の財政負担はあったのか、お示し下さい。

 3つ目は、市役所庁舎整備方針について、です。
 市役所庁舎のあり方検討委員会は、
現在地に新庁舎を建設するのが最良との方針を打ち出しました。

 一方で、広報あおもり9月1日号は、
庁舎のあり方について、抜本的・総合的な検討を進める。
検討に当たって、市が作成した基本方針や基本計画案について、
(仮)市役所庁舎のあり方市民研究会で話し合い、それを反映させていく。
としています。

 抜本的、総合的な検討とは、候補地選定を含めたことと考えますが、
整備候補地などについて、新たな市民意見が出された場合、
どう方針に反映させていくのか、考えをお聞かせください。

 最後は、アウガについてです。
 中心市街地活性化のシンボル、成功例として
全国に紹介されただけに、
市の果たすべき責任が、誇張、拡大解釈されていると感じます。

 ことの本質に立ち戻り、議論するべきです。
そこでお尋ねしますが、
アウガ・ビルのオーナーは誰なのか。
つまり、アウガの建物と土地、及び併設の駐車場の建物と土地の所有者は誰か。
お示し下さい。
 

 以上、まちづくりについて4点お尋ねし、
私の壇上からの一般質問とさせていただきます。


縄文遺跡を世界遺産に

2011年07月08日 | 日記
 青函縄文世界遺産登録構想交流会in函館に1泊2日の日程で参加しました。
 青森県と道南、岩手・秋田県北にある「縄文遺跡群」を世界遺産に登録するという夢あふれる活動の一つです。函館市教委とつがる市教委の学芸員によるのセミナーに参加し、発掘中の国指定史跡「大船遺跡」を見学しました。
 10月1日には函館市に縄文文化交流センターがオープンします。
 縄文文化はヒトと自然が共生した社会です。白神に続く縄文文化の世界遺産登録を目指し、活動していきます。