ピアノは歌う♪ ~調律師が見た音楽の世界~

合唱歌手としても活動をするピアノ調律師が語るピアノと音楽の話

27.ユジャ・ワン ピアノ・リサイタル

2011-03-09 00:34:09 | その他音楽全般
6日、名古屋の電気文化会館でおこなわれた「ユジャ・ワン ピアノリサイタル」に行ってきました。
彼女はまだ若干23歳の見た目はちょっと華奢なかわいい中国人のお嬢さん。
そんな彼女を見たさもあって(^ ^;)、前から3番目のちょうど中央あたりのチケットを確保しました。
オジサンですね。(^ ^;)

さて、ステージに出てきた彼女、紫の超ミニのドレスにハイヒールの黒ブーツという出で立ちにまずびっくりしました。
ところが、曲が始まってみると、これがもう超すさまじい演奏なのです。
1曲目のラフマニノフの「コレルリの主題による変奏曲」が終わった時点で、もう本当に開いた口がふさがらない、これだけでもう帰っても充分満足、というほどの演奏を見せつけられました。
続いてシューベルトのピアノソナタ19番。休憩をはさんでスクリャービン、メンデルスゾーン「夏の夜の夢」から、サン・サーンス「死の舞踏」、ビゼー(ホロビッツ編)カルメン、あとはアンコールに4曲。
アンコール最後のモーツァルト(ヴォロドス編)トルコ行進曲まで、特に後半はもう息もつかせぬほどの演奏で、あっという間の1時間数十分でした。
演奏は、すさまじいほどの速さの、しかもそれでいてリズムも乱れずミスタッチもほぼまったくない超絶技巧を我々に見せてくれます。
またなおかつ、聴かせるところはとてもきれいな音色で(特にピアニッシモ)音楽をあらわしてくれます。

電気文化会館は、当ブログ「5.ピアノ発表会終わりました」でもお話ししたように、僕たちのピアノ発表会がおこなわれたホールでもあります。
ただし調律は会館付きの調律師がいますので、ピアノの中は当然僕はさわっておりませんが、それでもピアノの状態はある程度把握しております。
わりと音がある意味派手めに出るピアノで(これはピアノがまだそう古くなく、この年代のピアノの性格としての音によるものだと思われます。)そのピアノであのきれいな弱音が出てることはすばらしいことだと思いました。
また低音部のフォルテなんかも、充分な力強さを感じました。
これも、あの華奢な身体から出てくる音としては、ほんとうに想像を超えたものでした。

プログラムノートの中で、アメリカの大手新聞サンフランシスコ・クロニクルの記事として「この中国生まれのピアニスト、ユジャ・ワンの音楽界への登場は、これまでにない進化を期待させる。彼女の演奏を実際に聴くと、聴衆がこれまで持っていた上手いピアノとはこう弾かれるという概念を再検討させられる。」と紹介されてましたが、まさに新しいタイプのピアニストで、あれだけ弾かれたら、あとから出てくる人はどうするんだろう、と思ってしまうような演奏でした。
もちろん音楽はテクニックだけでは決してありませんが、そのすさまじいテクニックの中から生まれてくる音楽性というものも確実にあると思います。
それにきっとまちがいなく彼女はすごい訓練をして出てきたわけで、それには素直に尊敬せずにはおれません。
ひとつの進化なのでしょうか。
ほかにもほんとうにいろんなことを考えさせられました。

まだあの興奮が冷めやりません。




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