在宅医療とソーシャルワーク~参考文献覚え書き~

在宅医療、ホスピス緩和ケア、グリーフケアなどなど、一ソーシャルワーカーの関心ごとを綴っています。

「精神科未受診者への地域生活支援-リスクと自由のはざまからー」芦沢茂喜(2013)

2016-12-10 10:44:14 | 社会福祉 
『ソーシャルワーク研究』Vol.38 No.4

 保健所に所属している精神保健福祉相談員さんによる論文。
精神科未受診者が「支援困難事例」とあがってしまい、その支援内容が「受診させるか/させないか」の二択になってしまうことへの疑問について、先行研究、事例研究を通して、支援のあり方を検討している。

引用
・(幻聴があるなど精神疾患が疑われ受診援助になりそうであったが、そうではない選択肢として)保健所の医師相談の利用を提案すると共に、問題行動ではなく、自覚している身体の不調、困りごとに焦点を当てることにした。(中略)精神科医の相談は、地域で対応に困っているAさんをどうにかするための相談ではなく、Aさんが困っていることを関係者と一緒に考えるための相談に繋がった。


 問題行動ではなく、その人が抱えている「困り事」に焦点を当てた関わり。これが本論文内での事例のキーポイントであろう。
精神障害者支援のみならず、多くの場合、支援者はわかりやすい答え、説明しやすい答えを求めたがるように思う。支援をするなかで、目的(ゴール)を持つことは当然のことであるが、それが誰のためのものなのか?を今一度考える必要があると感じた。
 「説明を理解できない」「病識がない」「家族理解力がない」「制度が不足している」などなど、支援をしにくい状況はどんな事例でもある。それを支援困難事例をしているのは支援者の方であり、支援を必要としている人に非はない(自傷他害がある場合は、そう悠長に言えないこともあるが)。
 
 ここまで時間を掛けて向きあってもらえた事例のAさんはラッキーだなと思う反面、どんな人も等しく、Aさんのような血の通った支援が受けられればと願う。
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