ここしばらく、北村薫氏の「円紫さんと私」シリーズばかり読んでました。
一番最初に、アマゾンで何かを検索してたときに引っ掛かってきた『六の宮の姫君』が面白そうだったので試しに読んでみたんですが、これがまた思っていたよりずっと面白くて、シリーズ第1作に遡ってぜんぶ読んでしまいました(^_^;
『空飛ぶ馬』
『夜の蝉』
『秋の花』
『朝霧』
ミステリの体裁はとってますが、唯一『秋の花』を除いては人が死んだりする話はありません。
日常に潜む「なぜ彼(あるいは彼女)はそうしたのか?」というささやかなナゾを掘り起こしていく話ばかりです。
読後はほっこりすることあり、ゾッとすることあり、いろいろ。
これらの話の中で様々なナゾに突き当たったり巻き込まれたりするのは主人公「私」。そして「私」から持ち込まれたナゾをあざやかに解き明かす「名探偵」を演じるのは、噺家・春桜亭円紫さん。
いわば円紫さんがホームズ、「私」がワトソンくんというところでしょうか。
名探偵が噺家だからか否か、物語はどれもまず、話の「枕」とでもいうべき「私」の日常から始まります。
昨今の話の立ち上がりが早い小説を読み慣れた人は、ちょっとイラッとくるかもしれませんw
しかしながら、この「枕」のおかげで話の「下げ」(上方落語でいうところの「オチ」)が生きてくるので、読み終わった後、久し振りに「小説を読んだなぁ」という気分になりました。
(追加)
ちなみに作者の北村薫氏は長い間覆面作家で、性別も何もかも伏せておられたのですが、実は男性だそうです。
筆名から、ずっと女性だと思いこんでいた熱心なファンの中には、それを知って寝込んでしまわれた人もいたとか(^_^;