No Speed Limit
風を感じていますか
 



高江から宮城、慶佐次、安部、大浦と続く東海岸のコースは登り下りが続く
時折現れる平地区間も距離は無いが、
海からの風がアゲインスト、我々容赦なく苦しめる。

我々の集団は、いや集団と言うほどではないが10人前後はいるだろうか?
自分は常に前方にいるように心がけた。


2回目の普久川を終えると集団もほぼ固定メンバーになり
お互いの走り方が分かってくる。
下りでは自分がお先にどーぞ、と道を譲り。
登りではお先にどーぞ、と道を譲られる。

だらだらと続く長い真直ぐな坂はペースで上がり
時々現れる割と勾配のある坂はダンシングでやり過ごす。


そんな中、DESTRAの方と登りで並走する事が度々。
風貌が自分よりもはるかに年配な様子だが、
大柄な筋肉質の体格で走りもパワフル。
そんな方が、

去年は宮城の関門でタイムアウトになったから今年は絶対完走したい。
と自分に声をかけてくれた。

普久川の登りでのアタックも
いまの集団を牽引する鬼気迫る走りも、
そういう事かと納得する。

いやでも。こんな方でも完走できないのか?
ならば絶対この人に遅れる事は絶対できない。
驚きと共に焦りを感じる。


次々に現れる坂道をDESTRAの方はパワフルに超えていく
自分も付かず離れずで坂を超えていく。
それに被せるようにもう一人、大柄なキャンのデールの方もグイグイ前へ出ていく。
すると後ろの選手と距離が少し開き、
我々3人が集団から先行する形になった。

その次の坂、下りきった所で後ろからきた一名の方が
登りでそんなに頑張らなくてもいいよ、こうやって下りで追いつかれるのだから。
横に並び我々に声を掛けた

登りはペースで下りで踏んで。
セオリーとしては正しい、それは良く分かるが
私は登りで頑張ってないし、他のDESTRA、キャノンデールのお二方もそうだろう。
後先考えずにがむしゃらに登っている筈もなく
今以上に登りで抑えるなんて?

集団で走る事のメリットもあるが
今、彼の云うペースでは待ってるのはDNFだ!

DESTRAの方と顔を見合わせ
目で会話をする。
言わせとけばいいさ!



アップダウンの連続する東海岸のタフなコース。
そして時間と共に厳しさを増す強い日差し。

汗がバイクに滴り落ちる。
暑さは去年程感じないが、とにかく喉が乾く、
ボトルの水を、あっという間に1本飲み干してしまう。
そのせいか息もだんだん荒くなる。

同じように何度も連続する登りと下りに
自分がどの辺を走っているか次第に分からなくなる。

去年の140㎞もこの高江から慶佐次のアップダウンが辛かった。
今年の210㎞序盤は神経をすり減らしたが、
でも集団の力を借りて走ってこれた。

今、力を貸してくれる集団、頼れる集団などない。
この集団の一人一人がおきなわのコースと戦っている。
この坂道とこの暑さと戦っている。


ロードレースは閉鎖された場所。トラックレースとは違い
自然を相手にするスポーツだ。
その土地、風土、気候などにも影響される。

自分の思い通りになど全ていかない
それがレースだし、改めて思い知らされる。


パイナップル畑の真直ぐな道で出ると
前方に何人もの選手の姿が見えてくる。
100㎞、140㎞、210㎞の選手が混走した状態で
皆、それぞれに辛そうに走っている。

乗っていってと声をかけ、手招きするが
この段階で遅れている100㎞、140㎞の選手は
うつむき、下を向いてもう息も絶え絶え。
つい来れるのは数名の210㎞の選手だった。



コースは左右にコーナーが続き複雑だが
下っては登る、その単調な感じで我々は前進する。
徐々に脚を削られながら、体力が消耗していくのが分かる。

下りで休めない。
これがおきなわの特徴。
下りで離されてしまうと致命的・・・。
下った後、一旦平坦になるが直ぐに急な登り返しが待っている。

この登り返しで遅れると、次の頂上までに追いつかないと
次の下りに入ると更に離されてしまう。

一回一回の下りが自分にとっては勝負で本当に気が抜けなかった。
辛い登りの方が気持ち的に精神的には楽だった。




宮城のCPを通過する。
今まで山間の標高の高い場所から海岸線へ下っていく。
左手に太陽の光を反射した青々しい東海岸が見えてくる。

去年は余裕がなかったが今年は苦しくても
周りの景色も見ている余裕があった。

東海岸は太平洋側で波も荒く険しい表情をもつ
名護市側の西海岸の穏やな景色、リゾートと異なる
岩場の多い自然のままの荒々しさがある。

だがそんな事も言ってられない


眩しい、
暑い、
喉が渇く、
気が付けばもう1本のボトルも残り少ない。
慶佐次の給水所まで持つだろうか?
不安にかられる。


長い下りをこなすと
東村の集落の海岸線へ。
短いがしばらく平地になる。
この後の登りにやっと慶佐次の給水所がある。
あと少し、ボトルの水を安心して飲み干す。



慶佐次の給水所で水とスポーツドリンクをもらう。
冷たい水がありがたい。
喉を潤し、後頭部にも少しかける。

その先の九十九折の下り坂だった。
結構な斜度と距離だった。

今で同じように
DESTRA、キャノンデールのお二方が先行する。


今までなら先行されてもさほど離されなかったのに
この下り坂はどんどん車間が開いていく。
まずい、離される。


時すでに遅し。
ハンドルに身体を被せ、エアロポジションで
脚を止めずにペダルを踏んでも
前の二人と距離がどんどん開いていく。

次の登り返しで追いつけるかと
登りで頑張るが
この坂は距離も短く、斜度も緩いので
自分が登りきる前に
前のお二方は次の下り坂に消えて行ってしまった。


しまった!
恐れていたことが起きてしまった。
彼らから遅れる事はDNFを意味するのだ。

もう、ここから先は自分の脚が頼り。
自分がスピード、ペースを作らなければいけない。
自分を信じ
行くしかない!


しばらくすると隣に普久川を同じ集団で登ったFolzaの方が並んで来た。

気を緩めたら駄目だ!

彼の登場が
まるで自分を叱咤激励するかのように感じられた。




安部のCPを通過。

後、残り30㎞だ。





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