このところ『美味しんぼ』を観ていると、最近書いた。
このアニメが始まったのが、高二の頃で、ドラマの仕立て方がアニメらしくなく、ストーリーも奇をてらったものではない、割とオーソドックスなので、普段アニメを観ない親も、じっくりと観ていた。
その時は、主人公の山岡史郎の海原雄山に対する反発心が、どこか自分と重なる部分もあって、山岡を中心に観ていたのだが、良くも悪くも歳を重ねた今は、そんなつもりもないのに中心に観てしまうキャラクターがいる。
富井副部長である。
富井副部長は、一言で表現すると俗物だ。まるで仕事をしない山岡よりも、東西新聞社に入社できた理由がわからない。たいていの騒動の元だし、言うこといちいち薄っぺらいし、よくわめくし、単純にやかましい(笑)。
だから、リアルタイムで観ていた時は、物語での必要性のあるキャラクターだとわかってはいても、ちょっとイラつきながら観ていたものだが(短気な親父は文句をつけていた)、今となると、観れば観るほど、富井副部長が味わい深くてたまらない。
結論から言えば、富井副部長は我々だ。味の善し悪しなどわからず、上目の人間に気に入られようと余計なことをして失敗する。お調子者で、感情の起伏が激しく、苦笑いとともに噂される。自分の中に、富井副部長の一部が、きっとある。そんな何の取り柄もない彼が、彼なりに必死に生きているのを、どうして観ないでいられようか。
今日も富井副部長は輝いていた。懐かしさとともに観ている『美味しんぼ』で、正直アニメのそこかしこに時代を感じる部分もあるのだが、富井副部長だけは、当時の鮮度を保ったまま、今もわめき続けている。
このアニメが始まったのが、高二の頃で、ドラマの仕立て方がアニメらしくなく、ストーリーも奇をてらったものではない、割とオーソドックスなので、普段アニメを観ない親も、じっくりと観ていた。
その時は、主人公の山岡史郎の海原雄山に対する反発心が、どこか自分と重なる部分もあって、山岡を中心に観ていたのだが、良くも悪くも歳を重ねた今は、そんなつもりもないのに中心に観てしまうキャラクターがいる。
富井副部長である。
富井副部長は、一言で表現すると俗物だ。まるで仕事をしない山岡よりも、東西新聞社に入社できた理由がわからない。たいていの騒動の元だし、言うこといちいち薄っぺらいし、よくわめくし、単純にやかましい(笑)。
だから、リアルタイムで観ていた時は、物語での必要性のあるキャラクターだとわかってはいても、ちょっとイラつきながら観ていたものだが(短気な親父は文句をつけていた)、今となると、観れば観るほど、富井副部長が味わい深くてたまらない。
結論から言えば、富井副部長は我々だ。味の善し悪しなどわからず、上目の人間に気に入られようと余計なことをして失敗する。お調子者で、感情の起伏が激しく、苦笑いとともに噂される。自分の中に、富井副部長の一部が、きっとある。そんな何の取り柄もない彼が、彼なりに必死に生きているのを、どうして観ないでいられようか。
今日も富井副部長は輝いていた。懐かしさとともに観ている『美味しんぼ』で、正直アニメのそこかしこに時代を感じる部分もあるのだが、富井副部長だけは、当時の鮮度を保ったまま、今もわめき続けている。