
さて、かなり前の2回のエントリー“日本をガタガタにした「バブル経済」とその崩壊って何だったのか”と“バブル経済の構造とその行方〜”で、いかにして日本人の精神がバブル時代に腐り果てていったかを書いた。
その中で気になるのは、「投資家」という人種の、人を人とも思わないその習性である。
投資する側の人間にとって、「豊富な金儲けのアイディアと、金儲けの野心・活力の二つを備えた人間」、そして、そういう野心家に素直に付き従っている「メシを食うために必死で働く労働者」というもののセットは、「投資」して儲けるための絶好のネタである。しんどい仕事は他人にさせて、「野心家」が「雇われ人」を遣って儲けが出た暁には、利子や配当を付けてがっぽり返してもらう。「金儲けしたい野心家」と「雇われ人(実質的には奴隷)」は、そのためのいいカモというわけだ。
「カネを欲しがってる奴にカネを貸してやって何が悪いんや」「カネが無くて困ってる奴らに仕事を与えてやってる我々に、むしろ感謝して欲しいもんだ」「悔しかったら、自分もしっかり働いて投資家する側になったらええやないか」。他人にだけ労働をさせて儲けている投資家たちは、そんな風に自分たちを正当化するのだろう。
「悔しかったら、自分もしっかり働いて投資家する側になったらええやないか」
とは言うが、しかし投資家はそんなあっさりとその自分自身のオイシイ立場を明け渡すはずはない。市場を活性化するには、貧乏人はあくまで貧乏なままでいてもらわないといけない。でないと「金儲けのアイディアと、金儲けの野心・活力の二つを備えた人間」、と彼らに付き従って「メシを食うためにアクセク働く労働者」のセットがいなくなったら、カネ儲けのネタが無くなってしまう。貧乏人にはせいぜい「おいらももしかしたらお金持ちになれるかも?」って夢を見ながら必死で働いてもらって、その上前を撥ねて、人生オモシロオカシク生きていかなくてはね。
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彼ら「投資家」という人種の習性を実によく示した小話が、北山耕平氏のブログに載っているので引用しよう。
働くことが目的で働く人たち
これはとあるメキシコの漁村での話。
銀行員で投資家のそのアメリカ人が桟橋にいると、そこへちょうど一艘の小舟が、キハダマグロの大物を何尾か積んで帰ってきた。漁船には漁師が一人のっていた。アメリカ人は獲物の立派さを褒めちぎり、釣り上げるのにどのくらい時間がかかったかをたずねた。
「なあに、ちょいちょいさ」とメキシコ人の漁師がこたえた。
それを聞いてアメリカ人はたたみかけるように聞いた。
「そんなに簡単ならもう少し粘ってもっと釣り上げてこれたんじゃないのかね?」
「とりあえず家族を養うにはこれで充分なんでさあ」
「でも時間はたっぷりありそうじゃないか? 海に出ていないときにはあんたなにをしているんだ?」
メキシコ人の漁師がこたえた。「夜更かしするし、ちょっとだけ漁に出て、子どもたちと遊んで、女房のマリアと一緒に昼寝をして、目が覚めて夕方になったら毎晩村にくりだして、ワインをすすり、仲間たちとギターをかき鳴らすんだ。これでけっこういそがしい毎日を送ってるもんでね」
するとアメリカ人は鼻の先であざけるようにいった。
「私なら、ハーヴァードのMBAをもっているから、力になれますよ。あなたはより多くの時間を釣りに費やすようにして、その収益でより大きいボートを買わなければなりません。より大きいボートの収入で、さらにいくつかのボートを買うことができるはずです。そうなったらあなたは、何艘もの漁船を抱えることになる。仲買人に獲物を売るかわりに、直接水揚げを水産物加工業者に卸せばいい。その気にさえなれば、自分で缶詰工場だってはじめられます。製品も、加工も、流通も自分の手の内にできるんです。そうなったら、こんな小さな漁村を離れて、メキシコシティーへも、つぎにはLAにも、最終的にはより企業を大きくするためにニューヨークへだって、あなた引っ越す必要があるかもしれません」
それを聞いてメキシコ人の漁師がたずねた。
「いったいそうなるのにどのくらいの年月がかかるかね?」
「ざっと15年から20年でしょうか」
「ほー、それで、そうなったらそのあとはなにをする?」
「ハッハッハ」アメリカ人は声を立てて笑った。「それです。そこが肝心。あなたは時期を選んで自分の会社の株式を公開をして、株を投資家たちに売り、しこたまもうけて大金持ちになるのです」
「大金持ちとは、どのくらいの?」
「何百億って額ですよ」
「何百億ねえ、で、そのあとはどうする?」
そう聞かれてアメリカ人は意気揚々とこたえた。
「そうしたら一線から引退するのです。海岸のそばにある小さな漁村にでも引き込んで、夜遅くまで起き、適当に魚を釣って、子どもたちと遊び、奥さんと一緒に昼寝をして、目が覚めたら村にくりだして、ワインをすすり、仲間たちとギターをかき鳴らせばいいんです」
なかなか笑える小話だ。客観的に見て連中がいかにアホで、独りよがりのフィクションを生きており、しかも精神が貧しいかを非常によく表している。
「人に金を貸して金利を取る」という行為。そして、世界のあらゆるものを「商品」に変えてしまい、そのことによって困窮した人々を駆り立て労働力を搾取する方法論。そのことで自分だけが肥え太ろうとする貧しい精神性。
典型的な事例
「オレのモノなんだから、それをどうしようが、オレの勝手だろ」…この原理が世界を破滅に導く元凶
日本人はせっかく古来から高貴な精神を持っていたのに、こんな欧米人みたいな連中の真似をすればするほど、日本人の精神は腐り果てていく。しかも彼らが用意し押し付けてくるルール・システムは彼らが必ず勝つようにできている。それを「グローバリゼーション」などと言って正当化するんだから目も当てられない。
一度でも彼らの土俵に乗っかってしまえば、こっちは搾取されるしかない。それが嫌なら、もっと貧しい連中から搾取する側(加害者)に自分がまわるしかない。
それをひっくり返す新しいシステムはつくれないだろうか。最近そんな事をよく考える。そんな私を「この世知辛い市場原理主義の世の中で、ええ年こいて何ケツの青いこと言ってやがるんだ」と大いに笑っていただきたい。
↑ ついったー













面白い小話ですね。
このような地上の楽園は地球には多くあったと思います。それを破壊したのが西洋人たちです。その彼らの理想が同じ地上の楽園。
面白いけれど、歴史を思うと本当に腹が立ちますね。
西洋人が支配しない地球にしないと、地球は滅びる。
これって案外当たっているのかも。
これが貧すれば鈍すというやつですか。見事な笑い話です。