エコカーで世界を一歩リードしてしまったトヨタが、新たなスタンダード(規格)を創る主導権を握ってしまえば、今後十数年はGMやクライスラーが危機を脱すきっかけが掴めなくなる。絶対に日本勢に主導権を渡すわけにはいかない。
現在の、アメリカ政府とマスコミがガッチリ組んだ日本車(トヨタ)叩きの背景には、この「新規格競争」の問題があると見た方がいいのではないか。…
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そんな事を、最近のニュースを見ながら漠然と考えていたが、るいネットにこんな投稿があり、「なるほど!」と思ってしまった。
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アメリカの国家戦略の転換が引き起こしたトヨタ・リコール問題 |
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内藤琢 ( 32 京都 路上人 ) |
10/03/03 PM02 | |
アメリカでのトヨタ・リコール問題が未だにくすぶっている。 しかし、トヨタの自動車の(今回の問題程度の)欠陥は09年になって初めて出てきたわけではない。過去からあった問題だった。
つまり、今回の問題も逆から見る必要がある。「今まで問題にならなかったのは、なぜか?」
80年代、90年代は、いわゆる「ジャパンバッシング」が盛んな時期で、日本の技術系製造企業の多くが、アメリカでの訴訟攻撃に晒されていた。しかし2000年代に入って訴訟攻撃が沈静化し、これらの企業がアメリカ市場で大きくシェアを伸ばしていった。この時期は、言うまでも無くアメリカ・共和党政権と日本・小泉政権の連携が非常に強かったこともあり、シェアを伸ばす日本企業が「見過ごされてきた」時期だった。
アメリカ・共和党⇔日本・小泉⇔経団連・奥田(元トヨタ社長)のラインの中で、トヨタは大きくシェアを伸ばすことができた。アメリカにしてみれば、郵政民営化が成功し郵政資金がアメリカの思うがままに操ることができるのなら、(既に過去の遺物であった)自動車産業のシェアなど問題にならないと考えていたのだろう。
しかし、2009年、アメリカではオバマ・民主党政権が誕生し、日本でも鳩山小沢・民主党政権が誕生した。
そして、オバマ政権はアメリカ国家技術戦略を大幅に転換させる。即ち、スマートグリッドの構築である。(リンク)
スマートグリッド構想とは、オバマが大統領選の最中から目玉の政策として主張していたもので、エネルギー(主に電気)の送電ネットワークをインターネット網のようにグリッド化し、エネルギーの利用を偏在させることなく、ネットワーク上で最適効率化していくという構想だ。オバマは、これを実現することが「アルカイダのようなテログループが米国を経済的に攻撃することを困難にする」とテロ対策に有効であると説明している。
そして、スマートグリッド戦略は、電気自動車社会へと移行しなければ、完成することはない。スマートグリッド戦略においては、電気自動車のユーザーが、クルマの電池をネットワークに接続させ、昼間は太陽光発電などから取り込んだ電気エネルギーを自動車の電池に蓄電し、夜間にはネットワーク(グリッド)に対して売電することが重要だからだ。
つまり、ガソリン自動車から電気自動車へのシフトは、インターネット革命がそうであったように、まず国防上の必要性から構想され、次に技術的なイノベーションを先導することによって米国主導のビジネスモデルに自動車産業それ自体を組み換えてしまうという、周到に構想された米国の国家戦略なのである。
しかし、このスマートグリッド戦略⇒電気自動車と真っ向から対立するのが、日本の自動車メーカーが進めているハイブリッド車→燃料電池自動車の技術開発だった。転換したアメリカの国家戦略にとって、日本の自動車メーカーによるハイブリッドカーの販売がネックになる。ハイブリッド車が売れ続ければ電気自動車が普及することは無く、その分スマートグリッド戦略の実現時期が延びてしまうからだ。
だから、オバマ政権にとってトップシェアを握るトヨタが「邪魔になった」。今後アメリカは、自動車産業で覇権を握るトヨタを潰し、自動車産業の大幅な組み換えを強制していくだろう。
つまり今回の問題は、単なるミス爆発という問題でもなければ、アメリカによるトヨタ虐めという問題でもない。 アメリカは明確な国家戦略方針を持って、産業構造を組み替えようとしているのだ。 | |
なるほど…
★米、ブレーキ優先法制化へ 「全車に装着義務」(asahi.com)
ジェイ・ロックフェラー上院議員(72)
(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=185938 )
出た!という感じ。
この大財閥の4代目が、トヨタ問題の商業科学運輸委員会の委員長をつとめている。
トヨタの創業家とも親密で、トヨタの北米進出の足がかりを創った人物でもある。
その彼が、いきなり梯子を外すということの影には、上の内藤氏の分析があると見ると実にスッキリするが…実際はどうなのだろうか。
併せて参照:ダイヤモンドオンライン
ジェフリー・ライカー・ミシガン大学教授 核心インタビュー
http://www.trend-review.net/bbs/bbs.php?i=200&c=400&m=136256 より
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今のパソコンのOS(オペレーティングシステム)はほとんどがWindowsだが、過去日本で独自のOS開発が行われていた。東京大学の坂村教授が開発を進めていたTRONだ。このTRONは20年前の時点で、Windowsを凌ぐOSだと言われてきた。実際にアメリカにも輸出しようとしている。しかし、アメリカ製OSの日本市場への参入を妨害するものとして圧力を受けたり、教育用コンピュータとしての採用が見送られるといった挫折を味わい、最終的にWindowsなどのOSとの標準化競争にも敗れた。
事実、2004年10月、産業交流展2004 での 2004年東京都ベンチャー技術大賞での表彰式で、石原都知事は『TRON PROJECT には、当時の橋本龍太郎通産大臣が米国の圧力に負けて、握り潰してしまった過去がある』と発言した。日本の独自OSであるTRONはアメリカの政治圧力で潰されたのだ。
http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20100407-OYT8T00445.htm
「買ってはダメな車」レクサスのSUV…米誌 http://news.biglobe.ne.jp/economy/619/jj_100414_6199019544.html
売り上げで大したダメージを受けなかったトヨタに、アメリカは次の手を打ってきたのか?