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米帝→官邸→マスコミの洗脳による植民地状態からの脱却を考えてみるブログ♪主権を取り戻し、日本の未来を考えよう。

世界中の農地を蝕む塩害。100%市場原理にまかせた農業の破綻は必然

2007年08月06日 | 雅無乱日記
今日は「円買い」…じゃなくて「塩害」について迫ってみる。

中国では、80年代に入ってから急速に灌漑設備が充実してきた。

ダムや水路の整備だけでなく、例えば華北平原では黄河流域の地下水を電気ポンプで揚水する方法などが90年代より急激に広まったと言われている。

乾緑地帯に水が導入され、農業ができなかったところが農業可能になった事は、膨大な人口を抱える中国にとってはたしかに非常に画期的なことであった。

華北は、自由化政策の後押しもあり、野菜、果物の需要の増加したが、その生産を支えたのがこの灌漑設備の整備であったと言える。

しかし、灌漑農業による地下水の過剰消費は黄河の断流をもたらし、さらに塩害をまねいている。ここに深刻な問題がある。

                   中国(遼寧省) - ホルチン砂漠 - 富山県HPより
             img00001339.jpg
近年中国では人為的、気候的な要因により砂漠化が急速に進んでいる。近年は、1年に2,460平方㎞(富山県の面積の約6割)のスピードで砂漠化が進行している。砂漠と砂漠化した乾燥地、塩害地等の総面積は、日本の国土の約7倍に当たる262万平方㎞(中国全体の27.3%)に達した。

中国は現在、こんな悲惨な状況!!
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http://blog.livedoor.jp/manasan1/archives/50041954.html

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まずは「塩害って何?」からはじめよう。このサイトが分かりやすかった。
http://www.rieti.go.jp/users/yamashita-kazuhito/serial/003.html
塩害とは何か?

 乾燥地では降雨量が少ないので、河川や地下水から採ってきた水を散布することで、かんがい農業を行ないます。この水をうまく排水すれば問題はありません。しかし、排水が十分にできない場合は、水が土の中に貯まります。この水に土の中にある塩分が溶けていきます。さらに、かんがいを行なうと、地表から土の中に浸透する水と塩分を貯めた土の中の水が毛細管現象でつながってしまいます。乾燥地では、強い日差しの下で蒸発散量が大きいため、水分の蒸発に伴い土中の塩分が毛細管現象で地表に持ち上げられ、表面に集まります。塩分が表土に堆積してしまうと農業は行なえなくなります。

 もっと塩分の堆積が激しいと土ごと取り除くことになります。塩害を通じた土壌喪失です。これまた問題です。植物が生育しているのは土壌表面から30cm程度のところですが、土壌の生成速度は1cmについて200~300年と推定されており、30cmの表土は6000~9000年という長い期間をかけて形成されたものです。これが失われることは、農業生産力をほとんど放棄することに他ならないのです。メソポタミア文明が滅んだのは塩害が原因だといわれています。

 乾燥地でのかんがい農業は湿度が低いため病虫害の被害が少ないというメリットがあります。しかし、オーストラリア、アメリカ中西部、黒海沿岸の新興畑作地帯をはじめ世界各地で塩害の問題が生じています。自衛隊が派遣されたイラク南部でも塩害により白銀の世界が広がっていました。農業と環境についての国連レポートは、世界の2億6000万ヘクタールのかんがい農地のうち8000万ヘクタールが塩害の被害を受けていると警告しています。

かなり広大な面積である。これから人口がさらに増えていくのに大丈夫なのだろうか。…引き続き引用。
中略短期的に高い利益を挙げようとすると、塩害の問題等を無視した生産が行なわれてしまいます。排水などを適切に処理しようとするとコストがかかってしまうからです。持続可能でない農業が行なわれることになります。このまま貿易が行なわれると、持続的でない農業を行なっているアメリカ、オーストラリア等の農業生産が拡大し、持続的ではあるが零細なアジア水田農業の農業生産が縮小してしまいます。これは貿易が悪いのではなく、持続的でない農業を行なうことが悪いのです。我が国の食料確保のためにも、我が国に食料を供給しているアメリカ、オーストラリア等の先進国には塩害の問題等を適切に処理するよう求めるとともに、ウズベキスタンのような途上国に対しては、農業協力を行なっていくことが必要でしょう。

これは人類の将来にとってかなり深刻な問題である。CO2の増加による地球温暖化が最近異様に騒がれているが、そんな問題よりこっちの問題の方がはるかに致命的なのではないだろうか。

耕作面積を増やし、食糧を増産することは、国家にとっても人々にとっても極めて重要だというのは理解できる(国民がメシを喰っていけるかどうか、という問題は社会統合上も極めて重要だ)。

しかし、目先の食糧増産にだけ拘るとどういうことになるのか。
「ウォーター・ウォーズ」 はじめに から

1995年、世界銀行総裁のイスマイル・セラゲルディンは、水の未来について、大げさな喩えで予言した。

「今世紀の戦争が石油を巡って戦われたものであったとするなら、新世紀の戦争は水を巡って戦われることになるだろう。

水戦争はグローバルな戦争である。各地の多様な文化とエコシステムは、水が環境にとって必要な物だとする全地球的な倫理観を共有し、企業文化による民営化と欲望と水の共同使用権の取り込みに対して対決している。

この環境紛争とパラダイム戦争の一方の側に、生命の維持に不可欠な水を求める数百万種の生物と数億人の人類が存在する。他方には、スエズ・リヨネーズ・デソー、ヴィヴェンディ・エンバイロメント、べクテルが支配し、世界銀行、WTO(世界貿易機関)、IMF(国際通貨基金)、G-7(先進7ヵ国)諸国の援助を受けた一握りのグローバル企業が存在する。

ウォーター・ウォーズ-水の私有化、汚染そして利益をめぐって(ヴァンダナ・シヴァ著、神尾賢二訳、2003年3月緑風出版発行)

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ここにあるように、生物にとって不可欠(当然、食糧生産にとっても不可欠)な「水」は、現在、世界で不足し、争奪戦が繰り広げられている。水不足は食糧の生産量を決定する基本的な要因だが、これまで何千年と行われてきた灌漑農業が、このままでいいのか、見直しをせざるをえない状況に、現在直面している。

食糧増産のために、お金や労力を掛け、ダムを造り、井戸を掘り、水路を開いて、乾いた土地に灌漑を行う。

ところが、だんだんと塩分が蓄積していき、あるときその濃度が植物が育つ限度を超え、農地を放棄しなければならなくなる。今も、米国中西部、カスピ海沿岸、パキスタンなどで同じ事が起きようとしている。
市場原理、土地の生産性を優先する限りは、多くの土地で近々(数十年後には)塩害により農業ができなくなることは、誰の目にも明らかであろう。

塩害が拡がり、耕作を放棄しなくてはならない土地が無限に増えていけば、当然、増え続ける人口を支え続けることもいずれできなくなる。メソポタミアをはじめ、多くの文明と同じ運命をたどることになるだろう。こっちの問題の方が遥かに深刻であって、地球温暖化だ、CO2排出権取引だなどと、利権が絡んだ一部の人が捏造したような矮小な問題で騒いでいる暇はなくなるだろう。

このような小学生でも分かる結果に対して、手をこまねいて目先の市場競争に任せたままで自滅を待っているのが我々人類の限界なのだろうか。

市場価値を生み出す食糧生産にばかり特化した収奪活動をやめ、生態系の多様性を維持しながら食糧生産を持続していくような新たなパラダイムを作らない限り、人類に未来は無い。

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