みみずのしゃっくり

みみずのしゃっくりのように役に立たないことを不定期に書き込むブログ。
専属スターはいませんが、猫っぽい内容です。

川を渡る人々

2016-03-17 | その他

昨年から度々報道されているギリシャのイドメニ
最近の報道写真です。イドメニから国境の川を渡ってマケドニアに入ろうとする人々。





昨年末以降、ヨーロッパ諸国の難民受け入れ制限が強化され、多くの難民を受け入れてきたスウェーデン、ドイツ、オーストリアでも基準が厳しくなりました。
バルカン半島各国も国境を封鎖したので、多くの難民がトルコからギリシャに来て先へ進むことができなくなっています。欧州連合(ギリシャも加盟国)内では、最初に難民申請をした国から他の加盟国に移ることはできない制度になっています。しかし、戦争難民か経済難民かの違いなく、誰もギリシャに留まりたくありません。大半の人々は今でもドイツあるいはスウェーデンを目的地にしていると思われます。オーストリアは第2候補といったところでしょうか。

難民に対する支援が国によって違うからです。子供の就学まで保障されているのはドイツ、スウェーデン、オーストリアを含め限られた国々です。より良い条件を求めて難民が移動するのは当然と言えるでしょう。
シリアの内戦を筆頭に、多くの国々の政情不安、経済破綻が続く限り、難民問題も続くことでしょう。

しかし、全ての難民の全生活費を受入国が負担しなければならない、という考えは間違っています。多くの人々は受入国の国民となって、その国の経済を支える力になるからです。全ての難民が聖人であるとは言えませんが、全ての難民が犯罪者かテロリストと考えるのも間違いです。聖人だけの国が無いように、国民全てが犯罪者という国も無いのです。
生命の危険を感じて逃げてきた人々が、受入国で、一般社会人として安全で正常な生活を築けることが望ましいと思います。


難民問題は時々刻々と変化し、欧州連合、シェンゲン協定、ダブリン協定(シェンゲン協定参照)その他、とても複雑なので、いつも簡略化した概要のみを書いています。



これまでの関連記事
希望の星
分断された国
輸出入
難民哲学者
難民のための声
難民の顔
太陽の中の男たち
71人


      


前回記事の補足:クリムトが猫好きだったことはくりにゃんに書きました。

猫の空間に、福島原発事故から5年、オーストリアでは、日本からの輸入食品は全て安心して食べられると報道していると書きました。もちろん、オーストリアでは他の多くの国々同様、事故直後から現在に至るまで、日本から輸入される食品の放射線量を厳密にチェックしているからです。





最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
 (イクラ)
2016-03-19 08:48:18
ギリシャへの密航者(難民申請や手続きを行わない難民移民全て)対象に
トルコ・EUは難民送還に合意されたそうで
色々な所でのテロ行為、爆破による負傷者の続出や
大きな経済不安・・・
内戦や内乱は自らの解決の他何も手だてないと思うものの
庶民にその実行力があるか否かを想像した時
それ以前の問題を多く抱えているのでは・・・
世界が一つになって安全で安心出来る暮らしが出来るのは
いつの事だろうか、未来に失望しつつも失望しては破滅しか待っていないでしょ~
立ち上がるべき人は誰?
立ち上がるべき国はどこ?
悲痛な叫びが私の近くにも聞こえ始めている様な不安感
しかし、今ここでななみみずさんが述べていらっしゃる事、なるほどと思いながら全く同感です
ここに述べて頂く事、救われる気持になるから不思議です
偏っていない(私の判断の中での)事は安定に繋がりますし希望に光が差し込む気がします
目をそらしたい課題と流さず、今後も見守りたいと
また、何か出来る事(無いと思うけど)考えたいと思う気持を沸き立たされています
ブログ更新は、無理なく、細く永く
またの更新、首を長くしお待ち申し上げます

いつも有り難うございます
返信する
イクラさん (ななみみず)
2016-03-22 01:59:59
うっかりして、お返事遅れてすみません
そうなんですよ。トルコは百万を遥かに越える(数百万かな?)の難民を受け入れてきたのですが、難民の生活条件を保障するのは無理。それで、トルコから更にギリシャを経てヨーロッパの条件の良い国へ移ろうとする人々でギリシャもパンク状態です。欧州連合はトルコと話し合い、お金を出す代わりに、バルカン半島に溢れている難民をトルコに引き取ってもらうということになりました。現実に、どの程度実行できるのかは又別問題。
いずれにせよ、まるで需要のない品物の返品みたいです
国連の人権宣言には、誰でも行きたいところに行き、住みたいところに住む権利があると書いてあるんですが、理想と現実は無限に遠いという感じです。
立ち上がるべき国々は、正論で言えば、アメリカ、西欧諸国、日本など経済的余裕があり社会的に安定している国々です。でも、これらの国々は、ある意味では、もう立ち上がっているんですよね。これらの国々は、もう長年、開発途上国と言われる国々に色々援助しています。しかし、それだけでは足りないし、これらの国々の間にも色々な利害の対立があります。
典型的な例が欧州連合ですね。第二次大戦直後に、フランスとドイツが仲良くしなければヨーロッパの平和は保障されないという考えが核になって発展してきた結果が欧州連合。皆で力を合わせてより良い未来を築こうというのが、その理想なのですが、現実にはケンカばかり。
欧州連合の国々が本当に力を合わせるようになったら素晴らしいですが、今のうちは夢です
でも理想は掲げ続けなければなりませんね
返信する

コメントを投稿