名邑十寸雄の手帖 Note of Namura Tokio

詩人・小説家、名邑十寸雄の推理小噺・怪談ジョーク・演繹推理論・映画評・文学論。「抱腹絶倒」と熱狂的な大反響。

♪ スクリューボール・ジョーク 【理想的な国王】

2016年10月14日 | 日記

「新国王陛下。戴冠式が、滞りなく終了致しました。何なりとお申し付け下さい」

「大臣。余が知りたいのは、如何したら良い王になれるかという事だ」
「此処に四つの人形がございます。先ず初めに、人形の右耳から左の耳に針を通します」
「耳の痛そうな喩えだな。それは如何いう教えだ」
「『人の言葉に耳を傾けよ』という教訓でございます」

「二番目は何だ」
「人形の耳から口に針を通します。『はっきり命令せよ』という教訓です」
「まだるっこしい説明じゃのう。三番目は何だ」

「針を刺しますが、どこからも出て来ません。これは、『沈黙が肝要』という教えです」
「結局何を云いたいのだ。早く結論を申せ。四つ目の人形は何じゃ」
「針を刺すと耳から出る事もあり、口から出る事もあり、針が出ない事もございます」
「だから、何なのさ。お前の話を聴いているとじりじりする」
「時には耳を傾け、時には命令し、時には沈黙を守るというのが、良い王の条件でございます」
「衛兵。大臣の首を刎ねよ」

「お前が新しい大臣か」
「国王陛下。何なりとお申し付け下さい」
「如何したら良い国王になれるか、教えてくれ」
「それでは、四つの人形と針でお教え致しましょう」
「衛兵。新大臣の首を刎ねよ」

「三人目の大臣だな。良い国王になる条件を教えてくれ」
「人の意見を聞かず、自分勝手な命令を下し、わがままを通すのが良い国王の条件でございます。既に国王陛下にあらせられましては、立派な王としての風格を具えておられます」
「その方を、国王に次ぐ権威ある総理大臣と認める」

 一ヵ月後。国王は何者かに殺されたが、事件は迷宮入りとなった。



ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« @ 非論理エッセイ 【シェ... | トップ | ♪ スクリューボール・ジョー... »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。