また、南部アストラハニ州ズナメンスクでは同日、移動式のミサイル発射装置「イスカンデル」から、同じく新型の巡航ミサイルの発射実験が行われ、3つの標的の破壊に成功した。RS24の配備は、米国への直接攻撃を可能とし、MD導入でも核のバランスが保たれる。巡航ミサイルの配備は、東欧などロシアの国境近くに設置されるMD施設の破壊が可能となる。
■スーダンやアフガニスタンで派手に巡航ミサイルの大盤振る舞いをして見せたのは米国でしたが、ロシアは米国の先制攻撃を批判しながら、しっかりと対抗兵器を開発しているというわけです。東欧に米国がミサイル基地を次々と設置しようとするのを、口先だけで非難しているのではなく、いつでも各個撃破が可能だと見せ付ける。外交とはそういうものです。
ロシアのプーチン大統領は、実験が行われた29日、MDの東欧配備計画について「欧州を火薬庫に変える」と述べ、軍拡競争を誘発する危険があると警告。MDの欧州配備が「欧州の安全保障と国際関係全体に不必要な危険をもたらす」と強調した。
■歴史的なマルタ会議の後、米国との軍拡競争に引き摺られて巨大な軍事費に押し潰され自壊したソ連でしたが、兵士に配る給料が無くても核兵器だけは腐るほど持っているのですから、これを有効活用しない手は有りません。米国は「イランの脅威」を言い立てますが、長距離ミサイルが完成するのはずっと先のことですし、核兵器の開発は勝手な事を言ってごねているものの「平和利用」の範囲内に留まっていそうです。今にも核弾頭付きの長距離ミサイルが雨のように降り注ぐぞ!と言いたげな米国は、ロシアでなくても目障りであります。
一方、……モルドバを訪問したリトアニアのオレカス国防相は30日、首都キシニョフで「わが国にMDシステムは必要だ。数年後に不安定な国々からミサイル攻撃を受ける脅威があり、抑止しなければならない」と述べ、MD導入を今後進めていく姿勢を示した。
■「不安定な国」とは何処でしょう?「数年後」とは何を根拠に算出した時間なのでしょう?バルト三国のリトアニアの国防省が、真っ直ぐ南に下ったモルドバまで出向いて、こんな発言をしますと、バルト海から黒海へと目に見えない対ロシア包囲網が広がっているような気がして来ます。ルーマニアとウクライナに挟まれ、ドニエストル川とドナウ川の支流プルト川の中に位置するモルドバの地図を見ていますと、要衝のオデッサからウクライナの領土が南側に食い込んでいて、まるでクウェートとイラクの地図を見ているような錯覚に陥りますなあ。
■そのドニエストル川の東岸、南北に細長い土地に住み着いたロシア人達が「沿ドニエストル共和国」を建国して実にややこしい所です。因みに「モルドバ」という名前は土着のダキア語で、「たくさんの砦」という意味だそうで、何とも物騒な響きがありますなあ。
ロシアは、石油や天然ガスなど豊富なエネルギーと核兵器を背景に欧米への強硬姿勢を強めており、力の源泉の1つである核ミサイルを無力化するMD計画への反発は、今後も強まるものとみられる。国内向けにも、今年末に下院選、来春には大統領選を控える中で、実験成功のアピールは、ロシア批判に傾く欧米への強硬姿勢として歓迎され、選挙で功を奏するとみられている。
5月31日 産経新聞
■欧州に対しては圧倒的に有利なエネルギー供給国として振る舞い、国内の分離独立問題に関しては強大な力で捻じ伏せる姿勢を崩さないロシアは、紛れも無く日本の領土を占領したまま返さない隣国であります。そのロシアが、最新式の大陸間弾道弾を発射してから、ドイツに乗り込んで来たのでした。
米国のブッシュ大統領とロシアのプーチン大統領は7日、主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)が開催されている当地で会談した。プーチン大統領は、米国が欧州で計画しているミサイル防衛(MD)システムに関して、アゼルバイジャンにある既存のレーダー施設を活用する代替案を示した。……「そうなれば、ロシアはミサイルの照準を(欧州の標的に)再び合わせる必要がなくなり、協調の基盤を築くことが可能」と述べた。
■ロシア側の言い分としては、「東欧のMDシステムの標的がロシアではなくイランに限定されているのなら…」という前提を押し付けて、米国の本音を読み取ろうとしたと思われます。カスピ海沿岸のイランと国境を接するアゼルバイジャンという、実に分かり易い地名を出して「標的はイランなんだろう?」と念を押しているわけです。










