旅限無(りょげむ)

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首相の留守には何かが起こる 其の六 

2010-10-16 21:39:04 | 歴史
■日本のマスコミは週休二日制がしっかりと定着しているらしく、土日の新聞紙面やテレビ・ラジオの報道は明らかに内容が薄くなる悪い癖が染み付いてしまっているようです。どうせ読者も視聴者も遊びに夢中で、真面目な記事も番組も無駄になるだろう、とでも考えているのでしょうか?まるで代表選挙に血道を上げて、尖閣問題にも円高問題にもマトモに対応できなかった菅アルイミ内閣みたいだと言っては言い過ぎでしょうか?

……尖閣諸島の領有権をめぐり、中国四川省成都市、陝西省西安市、河南省鄭州市で16日、大規模な反日デモが起きた。……東京で同日行われた集会「中国大使館包囲! 尖閣侵略糾弾! 国民大行動」に反発した行動とみられる。……成都市では午後2時ごろから数百人が「釣魚島を守れ」「日本製品ボイコット」などと書かれた横断幕を掲げてデモ行進。中山広場には1万人が集まり、イトーヨーカ堂などの店舗のガラスが割られたという。同総領事館では「けが人の報告は聞いていない。日系企業から情報を集めている」としている。
2010年10月16日(土) 時事通信 

■きっと仙谷官房長官の「柳腰外交」というのは、この種の波風が立たないように配慮して相手の善意やら常識やら慈悲の心に期待するという虫のいい話だったのではないでしょうか?残念ながら、官房長官の口癖という「カンの野郎」が所信表明演説で外国問題を「国民一人ひとりが自分の問題として……」と、自分が総理大臣になっている事を忘れて60年代の反体制運動を呼び戻すようなことを言ったものですから、国民の中にはしっかり総理大臣の指示に従って動き出す人が現れたのであります。不思議なことに、菅アルイミ首相は御自身が「市民運動出身」を売り物にしているのに、お膝元で起こった今の市民デモ運動には無反応のようですなあ。マスコミ各社も無視しているのはもっと不思議なのですが……。

■チャイナで突然起こった反日デモは、多くの国民がプロ野球やらゴルフ大会に熱中している間に東京都下で行なわれた「国民大運動」デモに対する当然の反応なのでありますが、それを誰も報道しないので何が何だかさっぱり分からないのでしょう。最初にボタンを掛け忘れてしまったマスコミ各社は、これから後追い報道でお茶を濁すつもりなのでしょうか?

■拙ブログには「むろらん」さんの名前でデモの告示がコメントで届いていましたから、16日の土曜日午後2時から『頑張れ日本!全国行動委員会、草莽全国地方議員の会』の皆さんが主催するデモ行進があることは分かっておりました。


市民団体「頑張れ日本! 全国行動委員会」(会長・田母神俊雄前航空幕僚長)などが主催し、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐり中国に抗議する集会「中国大使館包囲! 尖閣侵略糾弾! 国民大行動」が16日、都内で行われた。主催者側によると、約3200人が参加したという。集会には田母神氏や西村真吾前衆院議員のほか、地方議員や文化人らが参加した。抗議集会、デモ行進の後、在日中国大使館を訪問。「事件は領海侵犯であり船長の拘置は妥当な措置」とした上で、船長の釈放要求など中国の一連の対応を批判、「尖閣諸島は日本固有の領土であり、領土問題は存在しない」とした抗議文を大使館のポストに入れた。 
2010年10月16日(土) 時事通信 

■何処かの中華街が襲撃されたとか、大使館に投石があったという話はないようですし、チャイナ製品を多く取り扱う100円ショップなどの窓ガラスが割られたという事件も起こっていないようです。通常は警備に当たる警察の発表よりも主催者側は多目の参加者数を言い立てるものですが、今回のデモでは逆転していて一説には6000人近い参加者を警察は確認しているとか……。元民主党議員だった西村さんも参加しているのですから、本当は前原外相も個人的には御挨拶に行きたかったかも知れませんが、さすがに派閥作りを焦っている原口前大臣でも政治生命に関わる参加は見合わせたようですなあ。

■さてさて、こうした外交問題を自分の問題として考える「国民一人ひとり」が集まって実行したデモ行進を、菅アルイミ首相はどのように評価するのでしょう?週明けのぶら下がり会見がちょっと楽しみではあります。

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