旅限無(りょげむ)

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TPP 毎度お馴染み民主党流外交 其の弐

2011-11-16 16:12:00 | 外交・情勢(アジア)
■ハワイから帰って来たらすぐに衆参両議院の予算委員会で連日吊るし上げられている野田ドジョウ首相は早くも満身創痍の様相を呈しているようです。切り込み隊長役を買って出たのは自民党政策審議会長の山本太一議員のようで、例の米国が仕掛けた「誤報」事件の後始末が外交手続きとして杜撰極まりない!と激しく攻め立てておりましたなあ。自民党も野党暮らしの辛さと惨めさのウサ晴らしでしかない野次と怒号で恥を晒している場合ではなく、与党民主党は弱点だらけなのですから正々堂々と議論で勝負して欲しいものであります。両手の指では足りない民主党の弱点の中でも「独り善がり」で「思いつき」ばかりの外交上の失政は文字通り「国益」に関わる大問題でありまして、無手勝流で夢見がちな書生論を振り回して日米関係をボロボロにした鳩山サセテイタダク元首相、そして、羹に懲りて膾を吹くように何もせずに1年以上も外交空白を作ってしまった菅アルイミ前首相が仕出かした大失敗を、本来ならば大急ぎで整理して国民に詫びて具体的な対応策を次々に打ち出さねばならないのに、野田ドジョウ首相は余りにも長く深く財務官僚と付き合い過ぎた悪影響で、「増税!」以外の話は曖昧模糊とした役人作文を棒読みしているだけのような印象が強いのであります。

■余りにもTPP参加問題が注目されて首脳会議で話し合われる他の議題に関する報道がまったくないまま野田ドジョウ首相が渡米してしまったのが気になっておりましたが、案の定、先代首相と同様に原発事故の収束に手間取り、電気エネルギー政策の見直しも出来ない現状から考えて実現不可能な大計画に満身創痍の日本がうかうかと同調することになったようであります。どうせ、自分の政権にせよ民主党という政党にせよ、あと僅かな命だろうと絶望的に自棄を起こして将来に決定的な禍根を残してやろうなどと恐ろしい逆恨みをしているわけではないでしょうな?!


……アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は13日夕(日本時間14日午前)、経済成長と環境保護を両立する「グリーン成長」の数値目標などを盛り込んだ首脳宣言「ホノルル宣言」を採択し、閉幕した。野田佳彦首相は首脳会議の場で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加を改めて表明した。……ホノルル宣言では、域内全体で2035年までに、05年比で45%以上の省エネを実行することを盛り込んだ。太陽光パネルや電気自動車など「環境物品」の普及のため、各国が15年末までに関税を5%以下に引き下げる日米提案にも合意した。…… 

■かつて鳩山サセテイタダク元首相が国連で「省エネ」の大風呂敷を広げて得意顔だった頃は、間違いなく自民党政権よりも大規模な原発増設計画が前提となっていたのですが、菅アルイミ首相変わると直ぐに福島のポンコツ老朽原発が水蒸気爆発を起こしてしまいました。設計段階で想定された稼動期間をコスト削減の名目で大幅に延長したばかりだったポンコツ原発が地震と津波で壊れてしまったからには、もう新設・増設は悪い冗談か夢のまた夢となりまして、下手をしたら来年中にもすべての原発が止まる可能性さえ出て来るのは当然であります。さてさて、反対しにくい「環境」を名目に関税引き下げを組み込んだ「05年比で45%以上の省エネ」を約束してしまって大丈夫なのでしょうか?昔は世界一だった日本の太陽光パネルの技術は残念ながら「原発神話」の猛威の下でどんどん後れを取ってコスト面では競争力が無いとも言われているのですから、うっかりすると原発エネルギーを失った日本が安価な太陽光パネルを大量に輸入することになりはしまいか?こんな所にも「原発安全神話」を広めてしまった罪の深さが浮き出して来ます。


……中小企業やベンチャー企業の国際展開支援のため、今後、税関手続きの円滑化や知的財産権の保護強化を検討。スマートグリッド(次世代電力網)では、規格の国際標準化を目指し、国境を越えた広がりを後押しする。……一方、野田首相は首脳会議で、TPP交渉参加を改めて表明。APEC域内を経済的に統合するアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現に向け、「主導的な役割を果たしたい」と述べた。日本の交渉参加については、複数の首脳から「歓迎の意が示された」(外務省)という。野田首相は13日夜(日本時間14日午後)、政府専用機で帰国の途につく
産経新聞 11月14日(月) 産経新聞 

■原発事故の後で急に注目を集めて話題になった「スマートグリッド」ですが、どんなにバラ色の未来が示されても現在の電力会社の縄張り独占体制が存続している限り、スマートグリッド技術は本来の能力を発揮できないのですから、本当に「国際標準化」が議題になる会議に日本は参加資格が無いことになるかも知れませんぞ。世界が固唾を呑んで見守っている史上最悪の原発事故の対応に手間取り、夏の電力不足騒ぎに続いて冬もエネルギー不足が心配されている日本の実情を考えれば、とても新しいエネルギー・システムを世界に提案して「主導的な役割を果たし」すことなど不可能でしょうなあ。

■日曜日の午前中に放送されたフビテレビ『新報道2001』でも取り上げられていたのですが、
文藝春秋2011年11月特別号に「赤坂太郎」が「野田内閣に跋扈する“十七年前の亡霊”」という気になる文章を書いております。要するに初の非自民党政権となった細川内閣と野田ドジョウ内閣の内外事情が不気味に酷似しているという話なのですが……。副題は『増税、日米関係、小沢一郎……野田内閣は細川内閣と同じ途を辿るのか』という文章です。


■不気味な“暗合”

国会運営は予算日程と密接に絡み合っている。「国対カレンダー」は予算と関連法案をいつ成立させるかを終点に、いつ召集したらよいのかを考えて起点とする。このため財務省、中でも予算を担当する主計局が果たす役割は大きい。鳩山、菅両内閣での財務省出身の首相秘書官が主計畑でなかったことが象徴するように、これまでの民主党政権は主計局とは距離を置いてきた。野田はこれを180度変え、主計局と手を携えて国会、政権運営に乗り出している。財務省で国対の司令塔となる官房長・香川俊介も主計畑で勝の信任が厚く、元代表の小沢が官房副長官を務めた時の秘書官でもある。財務省の「国対ライン」をフル活用する野田の心づもりが、今回の延長劇で明らかになった。過剰なまでの財務省への傾斜に、民主党内では危惧と懸念が芽生える。代表選の最中には財務相だった野田をプレーアップする思惑で円高対策を発表させた。増税論議では財務相・安住淳が持ってきた政府税制調査会の案から消費税を除外させ、財源となる復興債の償還期間は十年とすることを「首相指示」として実行した。だが、これが本当に野田本人の考えだと思う議員は、民主党内には一人たりとも存在しない。…… 

■野田ドジョウ内閣は党内融和と安全運転でのろのろ走り出したものの、素朴で地味で低姿勢という御自身のキャラクターで国民の目をどこまで欺けるかは不明ながら、野田ドジョウ内閣は一皮剥けば財務省主導の増税最優先が生命線で、それ以外の震災復興・原発事故収束・農業改革等々はまったく具体的な政策も予算規模も分からないオマケみたいなものなのかも知れません。


……野田が喜んだ「彼とは仕事ができる」とのオバマの言葉も、史上ワースト一、二を争う元首相・鳩山由紀夫、前首相・菅直人と比較してのことであり、会談本番では沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題など、あらゆる二国間問題を列挙され、進展を迫られた。それを米側は国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長のダニエル・ラッセル、国務次官補のカート・キャンベルらが米国人記者へのブリーフィング(状況説明)であからさまに語っている。「自己紹介もそこそこで、ウィットの利いた冗談の一つもなかった」と会談の同席者さえ認めるほど、米側の姿勢も厳しかったのだ。当の野田本人は高揚したまま帰国した翌日の(10月)25日、東京・墨田区の両国国技館に足を運んで大相撲秋場所の優勝力士に内閣総理大臣杯を授与するパフォーマンスをみせた。夜にはキャピトルホテル東急に移動して政府・民主三役会議に臨み、秋以降の日程を確認。政権運営のヤル気をみなぎらせた。だが翌26日、小沢の元秘書三人に有罪判決が出て、野田の「党内融和」は危機を迎える。公明党の姿勢も読みにくさを増した。 

■この文章はハワイのAPEC会議に行く前の話ですが、米国側が野田ドジョウ首相を随分と安く値踏みしていたことが分かります。リーマン・ショックで苦境に立ったオバマ大統領が飛びついたのが太平洋沿岸の小国が作ったTPPで、そこに太平洋を挟んで日本も引っ張り込めれば一挙に好き放題に荒稼ぎができそうだとの皮算用は見え見えなのですから、財務省の言いなりになったのと同じ調子で米国追従になるのも時間の問題なのではないか?と多くの国民は不安になっているのでしょうなあ。


……振り返ってみれば野田が師事する細川も政治改革法を成立させたまではよかったが当時の米大統領、ビル・クリントンとの会談で「日米は成熟した大人の関係」と打ち上げたあたりから雲行きが怪しくなり、大蔵省と組んだ「七%の国民福祉税」で完全に失速。八カ月で政権を投げ出した。衆参両院ともに過半数を確保していた細川に比べ、野田が置かれている「ねじれ国会」の状況は一段と厳しい。野田に「政治とカネ」の問題があることも、細川と同じだ。多すぎる不気味な“暗合”は何を意味するのか。細川と同じ課題への取り扱いを誤れば、野田の退き際も、細川と同じになりかねない。(文中敬称略)

■もう政権を投げ出す姿を細川元首相の終わり方と重なって見え始めているとしたら、中途半端に大きな約束などして国益を損なうことになる前に、さっさと解散総選挙をして『マニフェスト』の落とし前をつけて欲しいものであります。
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no way (noga)
2011-11-16 16:55:34
永遠に待ちの政治では、迅速な対応はできない。どこまでも停滞気味である。元来のんきな性格のためか、自分自身は無為無策でありながら、棚から牡丹餅の落ちてくるのを熱心に期待している。

現実の内容は、「世の中は、、、、、」の内容であり、理想の内容は、「あるべき姿」の内容である。これは非現実である。
日本語には時制がなく、日本人は現実 (現在) と非現実 (過去・未来) の世界を独立させて並行して言い表すことが難しい。
非現実 (理想) に向かうための現実対応策が語れない。
現実から理想へと一足飛びに内容が飛ぶ。言霊の効果のようなものか。その過程が明確にされない。

時制を考慮することなく自分の思った内容を述べようとすると、現実肯定主義派と空理空論 (曲学阿世) 派のどちらかに分かれることになる。
これでは政治音痴は止まらない。
両者は話が合わない状態に陥り、議論ができない。そこで、悪い意味での数合わせで、民主的に、物事を決するしかないことを日本人は心得ている。
だから、多数がとにかく足並みをそろえる大連立の構想には意味があると考えられているのであろう。

守旧派の世界は理想的ではないが、過不足なく成り立っている。革新派の世界は穴だらけで成り立たないことが多い。
安心と不信の背比べである。だから、政治家は静観が多く、意思決定には手間を取る。
静観には現在時制を働かせるだけで十分であるが、意思決定に至るには意思(未来時制の内容)の制作が必要になる。
意思の制作に未来時制が必要であるということは、自分が意思を作って示すことも他人から意思を受け取ることも難しいということになる。
つまり、社会全体が意思疎通を欠いた状態のままでとどまっているということである。
それで、勝手な解釈に近い以心伝心が貴重なものと考えられている。

時代に取り残されるのではないかという憂いが常に社会に漂っている。
英米人の政治哲学に基づいて次々と繰り出されてくる条約締結の提案には、ただたじろぐばかりである。
自分たちには、哲学がない。理想もなければ、それに向かって踏み出す力もない。
筋道を明らかにされることのない指導者からの励みの要請に民は閉塞感を持っている。玉砕戦法のようなものか。
だから、我々は耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ必要に迫られることになる。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812

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