「日本の方ですかぁ??」
ローマ空港、エコノミークラス、チェックインカウンターの列。
あたいは一人、航空券を引き換えるため、並んでいた。
飛行機に乗り遅れるとかいう面倒くさいことは避けたい。
いつもとは違って時間に少しの余裕を持っていた。
が、、、いきなり話しかけられるとびっくりする。
そういった余裕は基本的に、、、ない。
「あっ、あぁ、はい、そうです。」
「よかったぁ、日本人がいてぇ~!」
小さいけど底抜けに明るいお母さんと
そのお母さんに抱かれたもっと小さい子供。
なにやら
その子が、帰国することに安心しきったのか高熱を出してしまったらしい。
かなり元気がない。
しかもあたいはリュック一つだけど
彼女らはカートにたくさんの荷物を積んでいる。
どーせ一人だし、荷物持ってあげようか。。。
そう思って、旅券と引き換えてから一緒に空港にいることにした。
久しぶりの海外旅行と子供の高熱で、かなり不安だったらしい。
ずっとお礼を言われていた。
日本の成田空港に着いて、少しだけ話をして家に帰った。
日本の生活に戻ってどれくらい経っただろうか??
バイトから電話がかかってきた。
げっ今日まさかバイト行くの忘れてた
ビクビクしながら電話をとる。
社員さん
「なんかね、渡辺さんにイタリアでお世話になったっていう方から
電話があったんだけど、、、わかる??」
へ??イタリア????
出会った色んな人の顔を頭の中で浮かべてみる。
えぇと…
「○○さんっていう方なんだけど…」
日本人??
…あ、あぁ あの、空港で会った親子だ…
どうやら
あたいがたまたまバイトの話をしたときのお店とお店の場所を覚えててくれて
わざわざ電話をかけてきてくれたらしい。
それから、うまく連絡を取り合い、昨日、二人と会うことができた。
東京駅から歩いて、日比谷公園へ。
あのとき、ぐったりしてたゆいちゃんは鬼ごっこやかくれんぼが
できるほど元気だ。思いっきり走ってる。
日曜日の晴れた気持ちのいい公園でこうやって
いつもとは違ったシチュエーションの中で出会えたこの二人と
遊んでるなんて、縁ていうのはなんて面白いもんだ、と思う。
この日は、日比谷公園のおしゃれなレストランでイタリアンをご馳走になり
お茶までして、さらに、レオナルド・ダ・ヴィンチ展の招待券までもらった。
二人と別れてからすぐ六本木ヒルズの森美術館に行って
クリスマスの青いイルミネーションと赤く輝いた東京タワーを横目に
ダ・ヴィンチの直筆ノートを鑑賞させてもらった。
どこかしらでイタリアに関連のある『何か』と時間を共に過ごせた一日。
日比谷公園ではちょうど 『ヨーロッパ秋祭り』 なるものがやってて
ヨーロッパの踊り、出店で楽しめた。
もちろんイタリアのものも。
こうやって『縁』てどんどん重なっていくものなのかなぁ??
楽しくて、少し不思議な一日でした。