えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

51年9ヶ月と4日あいしてる

2008年09月04日 | 映画
そんなにたいそれたコトではないのですが、
何かを批評する「コラム」というカタチで文を
書く事と、ブログでこうして書き綴ってゆく時の
カタチというのは違うわけでして。

ちょっと書きづらいなぁ、と思い、
今後は、何かを批評する、レビューのときは文体を変えます。
ややこしくなると思いますがすみません。


『コレラの時代の愛』
:ガルシア=マルケス原作 マイク=ニューウェル監督 
渋谷Bunkamura LE CINEMAにて9/5まで上映中

:ひたすらに50年以上の歳月一人の女性を思い続ける男の姿に、
別れた恋人の細い横顔を思い出した。けれど、彼には、
ただ恋人を思い出さないために、想いに負けないように、
622人もの女をとっかえひっかえしてセックスにおぼれる情熱は
ないだろう。きっと。

フロレンティーノ=アリーサという人物の、思い煩いの半生を
描く『コレラの時代の愛』の137分はあっという間に過ぎた。
一人の女を51年9ヶ月と4日待ち続けた男、フロレンティーノの老体から
愛される女フェルミーノの罵声で始まりの一幕は上がる。
二人の関係は長い。なんたって51年。
その51年分を、メイクの力で一人の俳優が通して演じているのだが、
フェルミーノを演じるジョヴァンナ=メッツォジョルノも、
フロレンティーノを演じるハビエル=バルデムも、
老境に差し掛かるにつれどんどん可愛くなってゆくのがにくらしい。
特に622人にもてる弱弱しい魅力を、年老いるその時までにおわす
ハビエルの演技力はすばらしいのひとこと。
どの時代のフロレンティーノでも、人を見るときに
下から見上げるまなざし、その自信のなさがたまらなくなるのだ。

ぎゅっと手すりを握って2時間17分、決して長くはない。一見あれ!

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あ。 (山本貴光)
2008-09-05 00:59:49
なにか観忘れていると思ったら、これでした。レヴューを拝見して、ますます観に行かねばと思ったのでしたが、5日までなのですね!
きゃああ (なめくじうさぎ)
2008-09-07 23:26:54
や、やまもとさんこんばんは!
こここ、コメントくださってありがとうございます!!(まず座って三秒落ち着こう)

ちなみにハビエルの出演した「ノーカントリー」が、「ザ・ロード」のコーマック・マッカーシーであることを帰ってから知りました。
でも「コレラ~」の原作とどっちを先に読もうか迷ってます。
そうそう (山本貴光)
2008-09-08 20:04:52
マッカーシーでしたね。

映画の印象が強いうちに小説と比べてみるのも一興かもしれません。

小生は、いつフェルメールを観にゆくのがよいかを思案中です(思案してもはじまらないのですが)。横浜美術館で開催している源氏物語展は、源氏物語の各種写本や紫式部像を見比べることができて、思いのほか楽しめるものでした。

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