詩集「2N世代」

詩作品、短編、評論、エッセイ他: Blogタイトルと内容がこの数年異なってきた。タイトルを変えたほうがいいかもしれない。

「鬼火」原作 Pierre Drieu La Rochelle

2013年03月10日 12時49分14秒 | Art & Literature & Movie & Music

シュールレアリズムとダダを調べていたら映画「鬼火」に出会った。
映画「鬼火」: 感想1 & 感想2 :
上の写真はMan Ray による1922年のJacques Rigaut
映画「
鬼火」の主人公はこのJacques Rigautらしい。
原作はタイトルLe Feu Follet 1931年、作者は
Pierre Drieu La Rochelle
Jacques Rigautも興味深いが私には
Pierre Drieu La Rochelleのほうがさらに興味深い。

主人公のモデルとなったJacques Rigautについて
wikipedia(fr) : wikipedia(en) : 資料1 & 資料2 & 資料3 
ネット上に2010年5月7日にドゥルオーの競売場でJacques Rigaut の原稿が競売にかけられている様子が写っていた。
Rigaut à Drouot
映画の原作者Pierre Drieu La RochelleはJacques Rigautの友人で他にも1921年の作品「La Valise videー空っぽの鞄」に於いてもJacques Rigautを描いている。

映画自体はYou Tubeで少し見ることができる。監督はルイ・マル、1963年の作品である。物凄く共感できる。60年代の大きなテーマであった。60年代も後半になると、Jacques Rigautのように死んでいった身近な人たちも多い。しかしこのように死ねたら、このような死が社会的に昔のように理解されたら、今の若者の多くは、迷うことなく死ぬだろう。現代はそれを発想・容認する空気がまるでない。従ってこの映画が本来の意味で共感されることは、ほとんどないだろう。
Pierre Drieu La Rochelleで興味深いのは彼の政治思想である。このようなシュールレアリストがいたことは混乱と驚嘆と今後の検証に価する。Pierre Drieu La Rochelle自身も対独協力者だったためにParis解放の翌年に自害している。

追記:2010年10月11日
永瀧達治氏の「フレンチ狂日記」(平凡社刊)P.56を読んでいたら
Serge Gainsbourgの「Quand Mon 6.35 Me Fait Les Yeux Doux -6.35口径の誘惑」は「鬼火」がモチーフだという、Gainsbourg自身の発言が出てきた。

追記:2013年3月8日 
You Tubeでこの映画をFULLで見つけた。
1963 - Le Feu follet (The Fire Within)

追記:2013年3月9日
お楽しみください
Drieu, Aragon, Malraux, destins croisés partie 1
Drieu, Aragon, Malraux, destins croisés partie 2

上記は2010年9月27日の最初の記事に順次追記していったものです

追記:2013年3月10日
松岡正剛氏の千夜千冊のこの記事の以下の部分
フランス語に「ドリュー・ラ・ロシェル」という言い方がある。"新しい人"といった意味だが、アンドレ・マルローはフランスの文壇にその言葉で迎えられた。
Drieu La Rochelleは「鬼火」原作 Pierre Drieu La Rochelle
をお読みいただくとわかるように固有名詞、人の名である。決して「言い方」ではない。果たして「新しい人」といった意味が人の名前にあるのだろうか。仮にあるにしても、「言い方がある」とせずに、まず人物紹介をしてから、その人の名にそういう派生的意味もある、と書くべきではないだろうか。
松岡氏を責めるつもりはない。おそらく紹介されている本の中に筑波大学名誉教授の肩書きで自信満々にそう書いてあったのだろう。例えば、
Tel Quel Japon過去記事のなかの
アメリカ人への手紙」をご覧ください。
「キルロイ・ウォズ・ヒヤ」という言葉が彼らの間から聞こえてきた。「王殺し、ここに来たれり」とでもいう意味らしい。
Tel  Quel Japon過去記事の中で詳しく書いているが
キルロイは元々単なる固有名詞「人の名前」で「王殺し」というニュアンスはどこを探しても全くない。これもまた書き手である竹本忠雄氏お得意の意味内容のでっち上げなのだ。地位も名誉もある方がそんなことを書かれるわけがない、と思うでしょう?
理由は多分こちらでお分かりになるでしょう。体質的にそういう書き方をされる方なのでしょう。もしそうでないとしたら、地位や名誉はあっても知識がないということになってしまいますから。



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