12~13年前に我が家に着たアメ留学生が「侍」マニアで
日本大好きな大学生だった。
結構、日本語も達者で家にいる時は冬なのに
自前の浴衣を着る人だった。
夕食の時、太平洋戦争の話になって浴衣外人が特攻隊について
「特攻隊の人は死にたかったんじゃなくて親、兄弟を守るため
死ぬのは嫌だったけど死を選んだんですよね」
って質問してきた。
家族全員、どう答えていいかわからず黙っていたら、祖父が、
「嫌だの死を選択したのだのとかじゃないんだよ。
命をどう使うか考えた末の事なんだよ」
と浴衣外人に話した。
あまり、口数が多くない祖父だったし、記憶が定かではないけど、
ほとんど家にホームステーイに着たアメ留学生とも会話してなかったが
祖父の言動にちょっと戸惑ったけど、何かを感じたのかごはん食べながら
泣いていて、次の日から帰るまで、祖父べったりになった。
俺はちょっと嫉妬したけど、帰る間際に親日を誇っていた彼が
「日本の心に少し近づいたような気がします」
と言い残して帰って行った。
その浴衣外人から祖父の命日に毎年はがきが来て、
祖父が言った言葉をつたない日本語で書いてくる。
「命はどう使うかが大切」
この文章が一昨日届いた。
胸が熱くなった。