ときたまコラム

なはまちづくりネットのスタッフの「ときたまコラム」

「やさしさ」の弊害

2007年08月22日 17時43分32秒 | Weblog
 この頃、私たち世代の者が集ると「どうも今時の男の子たちは気概を無くして・・・。」と嘆きが口をつきます。
 そこで、男の子と呼ぶからには、少なくとも中学生頃かと想定しそうですが、対象年齢は30歳ごろまでを「男の子」とひとくくりにしてしまうようです。
 「男の子」に気概が見られない、あのギラギラした生命力あふれる「青年層」が「男の子」と呼ばれるようになったころから、気迫あふれる若者が少なくなった、と考える人が私の周りにかなりいます。
 職場では、彼らは壊れそうな存在となり、本気で「注意」「叱る」ことができなくなりました。顔色、頃合を見ながら、遠慮しながら忠告をする。これは変だと叫びたくなるほどの現状で、「叱る」ことが困難な状況です。
 これは私だけかと思っていたが、あるテレビ番組でも同じような報告がありました。
 なぜなぜと思いあぐねても、良い答えは見つかりません。
 ただ、私が息子、娘を育てていたころ、しきりと言われたことは「ほめて育てなさい」が乱用されていました。
 ただ、ひたすら「いい子だ!」「良くできた!」と誉め言葉だけで育てることが流行しました。結果、就職するまで「叱られる」「注意される」ことを学習しないまま大人になりました。
 それに加えて「やさしい子」であることが、母親の自慢であり、彼女のあこがれのパートナー像として「すりこみ」がありました。
 イエス、ノーの意思表示よりも、「あなた(母親、彼女)の気持ちに従いますが「やさしさ」への第1歩のような錯覚すら覚えてしまいました。
「やさしさ」と優柔不断は紙一重であることを、男の子を取り囲む女性たちは気づかなかったようです。
 そして、内容を伴わない「やさしい」男の子に魅力がないこと、自立できないことも気づかなかったようです。
 「やさしい」男の子たちは、議論を尽くし自己を表現することから逃れ、ぬるま湯状態の生活を心地よく思うようです。
 仕事に就いても「気概をもって、立ち向かうことから逃れ」、パートーナーに対しても「あなた好み」の男の子になりたいと思うようです。
 どうも、私たちは「やさしい子」と総称して「使い勝手の良い男の子」を作り続けたらしい、と猛省しています。
 今、20代から30代にかけてボランティア活動やNPO的活動に、日々忙しい若者の中には「やさしい子」たちがたくさんいます。その「やさしい子」たちをもてはやし、活用する社会のシステムも問題はあります。
 本来なら、将来は世界をしょって立つのは「おれ」だと、ギラギラ輝いてほしい。不思議なことに、若い女の子は、妙に醒めて打算的だと思う。
 王子様を待つだけの女の子も困りものではあるが、王子様を夢見ない女の子ばかりでは、社会は不健全であると思います。
 私が、この「やさしさ」の問題に気づかされたのは、小学校1年生の孫の一言でした。「○○ちゃんはやさしいね!」と彼の頭をなでたところ「う〜ん、僕はうそつきだから・・・」と言葉が返りました。
 それ以来、私たち家族は「やさしい」を誉め言葉にするのを止めました。
 私自身も「良い子」という誉め言葉に長い間悩まされました。誉め言葉は殺し文句であることも忘れてはいけない。なんとすみ難い世の中か?
 「やさしさ」至上主義はもう止めたい。出来ることなら、幾多の困難、失敗に立ち向かう若者育てをしたい。
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6 コメント

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若者に (Unknown)
2007-08-23 05:30:44
そうだ、そうだと思いながらも、何故だか釈然としない気持ちが残ります。
「やさしい」ということに弊害はないように思え、もし、弊害があるとすれば、「甘え」ではないでしょうか。親の「甘やかし」と子どもの「甘え」が対になったような気がします。
そして、現在の若者の甘えは、団塊世代が子育てを手抜きした分が跳ね返ってきたように思います。
彼らには、叱咤激励というエールと共に、夢と希望の持てる社会づくりが、団塊の世代の遣り残した責務ではないかとも考えてみました。

読みが浅かった (応援隊)
2007-08-27 07:21:23
 よく、「生きる力」をと聞いていますが、私は「自殺しないだけ」程度の解釈でしたが、「やさしさの弊害」の場合も含む、と解釈したほうがよさそうですね。もしかしたら、ここに重点が置かれるのかもしれない、とフッと思いました。
Unknown (なみなみ)
2007-09-04 14:39:40
ぼくも、今時の男の子に入る者です。
コメント難しいと思いながら
言葉に出しておきたい思いもあるようで書き込みました。

僕は、確かに叱られて育った、が
「叱る」の度合いがもしかしたら違うかも知れません。
「やさしい」ことが求められてきたかと問われれば
そうでもない感じもします。
でも「やさしいね」と言われてきたことはあります。

>どうも、私たちは「やさしい子」と総称して「使い勝手の良い>男の子」を作り続けたらしい、と猛省しています。

>王子様を待つだけの女の子も困りものではあるが、王子様を>夢見ない女の子ばかりでは、社会は不健全であると思いま>す。

心当たりのある言葉です。

今時の男の子には、意識が散漫になることばかりに囲まれています。自分で情報を選べなければ「使い勝手の良い男の子」に安住してしまう気はします。しかし。

実際、飲み会や気心知れた仲間では、一所懸命、今を生きている姿を見ます。元来、根っからの「使い勝手の良い男の子」は、そんなにいないのではないかなと思います。

もっと多くの今時の人に読んで欲しいな。
やさしさとは? (みみ)
2007-09-06 18:11:30
 「やさしい」という言葉の使い方の私の意見です。
たまに、自分の性格は「やさしい」とかと答える方がいますよね。
やさしさって相手側が「この方はやさしい方だな」とかと、感じるものであって、自分のことを表す表現では無いように思います。
同じように、癒し系とかって表現も癒される側の感じる表現であるのでは???
やさしさや、癒しの押し売りに、拒絶感をを抱くのは私だけでしょうか?

ちょっと本題からは反れてましたが、カキコさせていただきました。
Unknown (あらら)
2007-09-11 13:32:44
友人からの紹介で拝見させて頂きました。

私も今時の男の子に当たるものです。
確かに表立ってギラリズムを発揮している人は少ない。それが出来る空気も薄ければ、それを打ち破る気概も少ない。

大袈裟にいえば、女にモテタイ!衝動が人類をここまで後押ししてきたと思うのですが、今はその欲求が様々なものに形を変えて散逸している気がします。
私自身、年配の方に「欲がなさ過ぎる。その年でどないするんや」と言われました。

でも前線で仕事してる人や、夢を語る人はやっぱりギラギラを持ってます。
今の人は個人の間合いを大事するのか、自分のテリトリーではやはりギラついてます。けどアウェーに弱い人も少なからずいるのは寂しい話です。

やっぱり根源的に男の子はいい意味で「アホ」であるといいたい。
いえ、言っちゃいます。
アホです。

仕事柄、小学生の男の子と接していて思うのはやっぱり「アホ」だということ。
そして素直です。
大人が「やさしさ」を求めれば応えてくれます。
そして隙間を作ってやれば、必ず誰か要らん事をします。それがうれしいたのしい。
私は「やさしさ」を教えてくれた大人たちに感謝しています。
難を言えば、ギラリズムを磨く「集団」が消えたことでしょうか?
今更ですがコメントです。 (gonboku)
2009-02-21 11:09:04
僕は今日初めてこの記事を読みました。
お年頃な大人の男と呼ばれる27歳です。

僕も他人に「やさしいね」と言われ続けてきました。
ですが自分の中には色んな葛藤や邪念もしっかり持っています。
やさしいというより、相手を傷つけたくなかったり、自分や家族を投影して相手に接する部分を、人は「やさしい」と見るのかなと僕は感じています。


さて、大学進学を経て社会に出てから「生きる上で大切にしたい・学びたい」と思うことを選択して進んできました。
そのなかで大学時代より強く感じるのは、その立場の人にとっての価値観で「良い悪い」を判断する方が案外多いことです。

もちろん会社や集団の中でルールは必要ですが、一人の人間の生き方に対して、個人・環境に都合の良い価値観にひっくるめてしまおうとする考え方、これは頂けないなと強く感じています。

話題を戻すと、人は「やさしい」と定義づけられることで、「やさしい」を裏切れなくなる恐さがやはりあると思います。
一人一人育った環境や条件が違う中で「本当に大事」と思うものを目指して生きてくべきだと思いますが、それを阻む軟弱なやさしさは本当の「優しさ」じゃないのでしょう。

自分に子供ができたら、両親が僕にそうしてくれたように、信頼を持って育てたいと思います。

突然の書き込み失礼いたしました。

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