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海洋天堂』海洋

2013-01-25 05:39:14 | 日記
ジェット・リーでもない、李連杰でもない、新たな俳優がこの映画にいる. そう感じるほど、アクションを封印したジェット・リーの演技派開眼並みの演技力に見入ってしまう映画でした. 21歳の自閉症の息子を抱えた、余命幾ばくもない父親の哀愁と悲壮感を描いたこの映画は日本での公開がまだ決まっていないそうですが、これは是非日本で公開してほしい、いや公開すべき映画だと思いましたよ. 先日中国へ向かう全日空の機内で高所恐怖症から逃れるために必死になって見たこの映画. まず余命幾ばくもない父親を演じるジェット・リーが、まるでアクションができなくなって仕事がなくなったかのように、物凄い哀愁と悲壮感を漂わせているんです. 特に彼が息子・大福の服に迷子になった時用の伝言を刺繍するシーンは思わず涙腺が緩みそうになるほど. あの5回連続で中国武術大会にて総合優勝したジェット・リーが夜なべをして縫い物ですよ. 『ワンス・アポン・アタイム・イン・チャイナ』シリーズを見ていた時には想像もしなかった彼の姿に、ただでさえ小柄な彼がより小さく見えましたよ. そしてそんな哀愁と悲壮感をさらに感じたのは、商店を営む女性にさりげなく求愛されても戸惑うほど実直な姿を見せるシーンではなく、ようやく見つけた施設に大福を預かってもらって一人で帰宅した時のシーン. 何度注意しても大福がTVの上にイヌのぬぐるみを置いていたのを思い出すようにぬいぐるみをTVの上に置いたり、今度はそのぬいぐるみをいつも大福がいる場所から見てみたりするなど、一人になった父親の姿には本当に涙腺が決壊しそうでした. ただ父と息子が離れて暮らすのは一晩も持たず、結局施設で父子一緒に暮らすことになるのですが、ここからは前半ほどの哀愁と悲壮感がなかったのがちょっと残念. でも息子が一人でも生きていけるように卵料理やバスの降り方を教える彼の姿は息子のことを考えていながらも、まるで残りの人生を「息子のため」という大義で「自分のために」楽しんでいるかのようにも見えるんです. つまり後半には「息子のために何とかしなければ」という悲壮感よりも「息子と一緒に過ごせる時間を大事にしたい」という、一人の親としての責任はあっても、自閉症の子供を持つ親として感じてしまう重荷がないんですよね. もう大福を「自閉症の息子」ではなく「一人の息子」として接している姿が本当にステキなんです. クールグレーナイキHyperdunk低 中日・和田、逆転サヨナラ本塁打〈8日のセ なので亀の甲羅を背負い、自分はウミガメだと息子に言い聞かせるシーンも死期が迫った彼からすればしんどいはずなのに、逆に楽しささえ感じるほど. そして最後に勤務先の水族館の館長に話す、大福の母親が子供が自閉症だということを受け入れられずに自殺したと話すくだりも恨み節などは一切感じず、むしろその妻の分まで大福と一緒の時間を楽しもうとしているように見えてくるんです. 個人的には女性大道芸人の鈴にもう少し大福の近くで彼を支えてあげてほしかったかなと思いつつも、それでも父親が意図せぬ形で彼の人柄によって大福を支えてくれる人たちがたくさんいるというラストのお葬式のシーンも、最後の「全ての父親と母親に送る」というメッセージも、これまでのジェット・リー作品とは違う何かを感じましたよ. あとこれは私の勝手な予想なのですが、発展する中国経済の影で未熟な福祉政策によって苦しむ人たちを描いたこの作品は恐らく企画段階から資金の集まりがあまりよくなかったのではないかと思います. それでも内容の良さでジェット・リーが出演を決めたことで製作・公開されるだけの資金が集まったのではないかと思うと、演技派開眼並みの哀愁漂う演技力を見せてくれたこと以上にジェット・リーに対する印象がさらによくなりましたよ. 同じく自閉症の息子がいる親の姿を描いた 『マラソン』 とはまた少し違ったこの作品ですが、無事に日本で劇場公開されることを心から応援したいと思います. 深夜らじお@の映画館 は俳優ジェット・リーを見直しました. ※お知らせとお願い ■ 【元町映画館】 8.21より開館! ■ 【ABCアシッド映画館】 の復活を.

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