抵抗戦線

ブログを使用しての種々の論考

詩623 かつて独立国であった琉球国の主体性を回復すること 13

2016年10月18日 10時27分22秒 | 政治論

 不可知論は左程難解な理論ではない。現実にはアイザック・ニュートン辺りが言う人知の、宇宙の大なるに比して「砂浜の砂の一粒にも及ばない」といった認識、あるいはソクラテスの「無知の知」がこれに相当する。パスカルは、人間の精神など虚無にも全体にも耐えない、永久にその中間に浮遊する存在、と言っているが、筆者はただ、無限に対する絶望的な拝跪としか自己認識できない。筆者にとっては物事を考える、対象として物事を見詰めるというとき、自身のこの絶望的な無能への悲哀を措いて先に進むことなど決してできない。同時に、一体どこの世界に、これを容易に超えた巨大で全能な、脳漿の働きを手にしている驚異の天才が存在するのかと訝る。ただ筆者は、藤村操のように、巌頭に立ち宇宙の「不可解」をもって人生に結着をつけるというほど憂鬱なわけではない。生活の工夫は、生き延びるために我々の前に少なからずその精神的な材料を提供し続けている。我々に生じるのは不測的な知の豊穣でなくむしろ痛々しい感情であり、怒り、憤怒、激高、哀情、失望、不愉快、などの雑多なおさまりの悪い波頭であろう。これをかぶっては到底人並みに息もつけず、翻弄されて無闇に駆け出すがオチだ。我々の行動にいつも確固たる理論があるわけでない。ほぼ必ずと言っていいほどに情動が実態としてある。何が言いたいか。

 カール・マルクスがイギリスの労働者の実態を見て資本家の労働搾取に不条理を実感し同時に過当労働を強いられる彼らに深い同情を覚えたのは、蓋し共産党宣言の最初の動機であっただろう。motive(moving cause)

 高江の惨状(住民オスプレイ爆音被害、工事全体が及ぼす広範囲の自然破壊実態)をネット等で散見するだけで今沖縄は人も土地も空も海も故知らず日本国と米国によって侵略されていると思わないわけにはいかない。この故知らず、の意味は、近年の基地問題を焦点にした公職選挙結果において沖縄県民が一貫して示した明確な意思、沖縄戦の熾烈で陰惨な体験を血肉にしている当該地の非戦反戦反軍意識、繰り返され絶えず糾弾され収まるところを知らない米兵犯罪、公言されている「負担軽減」が実効性を伴わない偽善的詐欺的事実、こうした事柄が全く顧みられずに推進強行される新基地建設、という日米政府の非論理性のことだが、一方、彼等だけに通じる彼らの論理は極めて単純な仕組みとなっている。それは、日本国憲法に違反する軍事的同盟関係である日米安保体制の事実上の負担を、ヤマトゥ本土から最も遠く離れた国内の一地域に隔離する、国民の目から見えない土地に集中させてできるだけ一般常民の意識を薄めておくという体制側論理である。堕落しきった論理ではないか。

 こうしたこの国の光景、風景、在り様、米軍基地を巡る種々の人為というものを目の前に突きつけられて(史料、文献渉猟、資料あさりを通じて結局意識的に自ら突きつけた、というのが正しい)、政治に疎くかつおよそ鈍重な生活を送り続けてきたヤマトゥからの移住者である筆者は、まさに故知らずこの沖縄問題に精神生活の大部分を奪い取られる体験の真っただ中に叩き込まれた。

 外来者であり、無知なうえに無学で不勉強な、怠惰なリタイア人種が、ブログという場を借りて何を語ろうというのか。

 自問自答なのだろうが、誰かに訴えたい、という気持ちがある。むしろ、おのれの沖縄無知、無関心、あるいは大体において怯楕な性向にあってヤマトゥ本土全体を類推し、自分に近い非情な沖縄観に陥っているだろうヤマトンチュに伝えたい、と思っている。君らは恐らくのちのち必ずその罪を責められる存在に自ら追い込まれるだろうと。

https://www.youtube.com/channel/UCog7rDUUwDhwJ5hba2F978A

このyoutube動画は、今高江でこの国がその末端組織を使って実行している結果と経緯に関しyanbaru kanashi氏が自ら現場で捉えたものだが、勿論、筆者が無作法にこれを利して何事かを企てようというのでなく、多くの現場に行けない日本人に是非見てもらいたい、と紹介するものだ。これに類する沢山の動画、ブログ、等ネットでは引きも切らないが、それらもできるだけ多く、目を通してほしい。人が行動するにはこれを促す情動媒体を必要とする、何事かを感じ、これに沿って行動するのである。その行動が糾合したところに、国が画策し形成する薄汚い国情(国は必ず情報や印象を国策に沿って都合よく操作するが、その結果国民は知らず知らずにこれに呪縛され保守化し固定観念に落着する)を超えた人間的な、というべき世論が、ある到達すべき人道的目標を得る。

  筆者は知らない、軍事のことを。しかし、戦争が引き起こした歴史的悲劇について知っている。安倍晋三は日本を戦争の出来る国にしようとしているが、この歴史の示す戦争の悲劇が現実に起きた場合のことを少しもその考えの中に持っていない。つまりは殺し殺される人間のことを考えてない。こういう宰相に牛耳られるまま、あなた方の隣人にほかならぬ兵隊が戦場に無駄な死を遂げるのだ。(つづく)


 

 

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