沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩398 沖縄からのメッセージ 24

2013年03月13日 11時57分31秒 | 政治論
 安倍晋三が、東京裁判を戦勝国による偏向裁判だといったことについて、彼がそこに一定の歴史認識を示した(通史拾い読み、ただの聞きかじりとしか取れないが)ところで翻って、4月28日「主権回復の日」とする閣議決定を考えるに、沖縄では県知事はじめ、この日本国首相の政治家としての無知さ加減に度肝を抜かれた、という地元の大半の感想につき彼が答弁したところを今更取り上げるまでもなく、一体に日本人の中のとりわけ本土人たるヤマトンチュが、沖縄に関するその目も当てられぬ無知、無関心、でたらめさを発揮して論う度し難い愚かしさというのは、ここに移住して文献を紐解いて気がつく自身も含めた犯罪的性格を持っている。
 従って、およそこの国の沖縄施策は、基本的にこの無知無関心でたらめ(余人の論考を掠める受け売りが殆どだ)によって醸成された、「沖縄イメージ」で占められた日本国常民意識に水を得て、対米追随、既得権益保持、安保マフィア暗躍、合衆国国家安全保障謀略戦線から構築された、旧帝国的官僚支配の「官尊民卑思想」に基づく、国内植民地主義の横行にほかならない。
 彼ら本土人が、この真相についてどれほど知っているかなどどうでもよい。要は当のアメリカ合衆国が、この日本国のおおよそ見当がつく不健常な対沖縄県乃至対琉球思考法に便乗して、祖国復帰運動に至った軍民政府横暴の反省もなく、どう見ても野蛮な非近代的軍事植民地主義を貫いてやまないその反世界性について、世界の識者が論断しない怠慢を見過ごすことはできない。
 かつてバートランドラッセル、ジャンポールサルトルらが立ち上げ、米帝国主義のベトナム北爆を批判したあの時代の悟性の躍動は、最早到底望めないものなのか。というよりも、どうやら「西洋の没落」は、今や彼らの一種経済危機に押し詰められていよいよ本格化したということか。米国財政危機も予断を許さぬ深刻さを帯びて、文明的衰退を余儀なくされるのか。とすれば現今アジアの勇躍はむしろ希望めいて見えなくもないではないか。(つづく)