沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩397 沖縄からの沖縄移住者のメッセージ 10

2013年01月03日 10時51分11秒 | 政治論
 今回のこの政権交代は、倒壊した民主政権において後付けで主流となった保守停滞主義(官僚まる請け政治)から、時代を逆戻りした自公保守反動政治へ、臆面もなく右方向に振れた政権交代と見ていいのだろう。
 そして前政権時(民主政権)、それの野党時代に析出したマニフェスト、又は公約として奔出してみせた旧自公政権時あるいはそれ以前の55年体制が持つ矛盾、錯綜、過誤になる様々な断層について、この現安倍自民政権は3年間の雌伏の時期に反省と改善を加える代わりに、むしろより武装した推進路線(選挙対策としての争点ボカシ)、意匠を凝らした全体主義(扇情的スローガンの説明なき掲示)を旗印に選挙戦を勝利したと見せかけているが、報道等散見する限り「原発再稼働」「原発新設」あるいは脱原発の「見直し」の可能性を断定的に示唆している以上、福島第一原発の「ホトボリ」が冷めやらぬうちに、かつての自民政権が推進した原発行政への無批判な後戻りが可能なほどに、この国の言論、思潮、見識が無力であり、一定のコンセンサスを得た良識をも国家エゴが凌駕するという、まぎれもないファシズムの擡頭を危惧する事態になってきたと考えるしかないし、向後いよいよ顕在化する安倍政権軍国主義政策にあっては、国の民が心して監視する覚悟を強いられる状況に突き進むに違いない。
 一方、日米安保及び地位協定の不作為で不平等な効力が残されている限り、アメリカ合衆国にとって日本は傀儡でありアジア戦略上の駒にほかならないため、「生かさず殺さず」の統治理念のもとその植民地政策に殆ど変更はなく、しかも対中戦略の複相化からして日本がどんな奴隷的服従を余儀なくされるか全く見当がつかない。
 こうした情勢において国政の不如意を託って目をつけるべきは、単に選挙制度の問題ではないのであって、現に民主政権交代の「やらせてみろ」的実現さえ既成内閣支持率低下に反映する民意総意により徐々に可能となった事実から、誤った施策が全体として時の内閣を突き崩すことにつながる例示として捉えることができるかと思わせた。
 しかしながらこの期待はずれの民主政権のあけすけなほどの不見識ぶりは、旧帝国的官僚機構と戦後民主主義の相克が、想像以上に段違いの効力差を持つことをあらためて我々に見せつけたと言える(つまりは民主政権倒壊ではなく政治そのものの不可能性を顕在化したことになる)。
 それは特に政権の初っ端において沖縄問題という特殊に突出した、前近代的な「差別性」を内包した、「普天間問題」の失政として現象した。しかしながら、100年河清を待つ的な不変の政治不作為状態にある「沖縄問題」は、明らかに普天間に極言される単一な問題ではなく、この国が従来有していた「人種差別」優越意識を底流に持つ「人間性」が問われることであり、世界的には「世界人種差別撤廃委員会」規定の人種差別要件に合致する、普遍的な集団での「イジメ」問題に行き着く。(中断)