犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

辰巳ダム裁判>控訴

2014年06月07日 | 辰巳ダム裁判
先週の26日に判決があった辰巳ダム訴訟で、原告団は、判決を検討中でしたが、弁護団の了承も得て、控訴することにし、昨日、6月6日、名古屋高等裁判所金沢支部に控訴状を提出しました。
まだ、判決を精査しているところですが、被告の国の主張を一方的に認めたもので、双方の主張を比較してその妥当性を判断したものとは思えず、さらに事実の認定に誤りがあるので、控訴することにしたものです。
NHKでも報道されました。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/3025028111.html?t=
原告が、基本高水ピーク流量が過大な想定であると主張に対して、国、県は、平成20年の浅野川水害では想定に近い洪水になった、だから、今回の辰巳ダム計画の想定洪水は過大ではない、適正な判断だと主張しています。

一見、最もらしい主張のようですが、これは浅野川水害の後につけた言い訳です。
なぜなら、浅野川では、浅野川水害の前も後も何も計画に変更はありません。浅野川水害の後、河川整備方針と整備計画が策定されましたが、昭和50年当時(浅野川放水路が完成)に確定していた計画どおりです。浅野川水害と同規模の洪水に対しては、河道施設の余裕高の中で対応するので大丈夫だといっているのです。つまり、浅野川水害の規模の洪水で治水施設の規模を決めなくてもいいといっているのです。

これに対して、浅野川水害の前に作った辰巳ダム計画では、浅野川水害と同規模の洪水に対しては、河道施設の余裕高の中で対応することはできない、浅野川水害の規模の洪水で治水施設の規模を決めなくてはならないといっているのです。

国、県は、犀川では、浅野川水害の洪水は想定に近い洪水で犀川の治水計画をあらためて辰巳ダムを造らないといけないといいながら、一方、浅野川では、浅野川水害は想定外の洪水だから浅野川の治水計画は変更しなくていいといい、二枚舌というか、ダブルスタンダードを使っています。

辰巳ダム計画以前の犀川の計画では、2つの治水ダムと河道整備で、浅野川と同様に、浅野川水害と同程度の洪水が発生しても、河道の余裕高の中どころか、余裕高を含めないで対応できること(市街地に接する犀川の中流部区間において)を、裁判の「代替案」のところで主張しています。つまり、辰巳ダムがなくても、浅野川よりも安全に、想定外ともいえる洪水に対しても対応できるのです。

追伸
昭和50年に完成していた浅野川放水路と内川ダムの運用で浅野川水害はほとんどなかったはずです。その時点では影も形もなかった、辰巳ダムが突然に途中でわりこんで来たために、浅野川放水路という切り札を切り損なっただけなのです。浅野川水害の時の降雨は、3時間雨量が200年確率だったということで想定外ともいえますが、100年確率想定の治水施設でも余裕を見込んでありますので、天神橋から浅野川大橋の河道では余裕高の中に収まっていたということから、想定内でもあったということができるかもしれません。
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