犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

辰巳ダム>捏造された洪水、東岩取入口は残ったが(その44)

2017年05月18日 | 辰巳ダム
「住民監査請求」(犀川の想定洪水とダム湖の堆砂)

 司法の場で争うのは、それなりの覚悟と準備と協力者が必要であるが、行政内のしくみで争うのは、個人でも比較的簡単である。
 住民は、地方自治法によって違法あるいは不当な公金の支出に関して行政内の監査を求めることができる。

 中は、辰巳ダムの事業者である石川県に対して、2つの事項について住民監査請求を行った。
 一つは、過大な基本高水流量に関すること、一つは、ダムの堆砂に関わる、利水ダム容量の誤謬である。
 この二点に関して、石川県知事に対して措置請求した内容は、
前者については、履行された業務委託で基本高水が実態と異なることが明らかであるという事実を示して実態と甚だしい乖離があるにもかかわらず、実態を無視した結論(辰巳ダムが必要)の誤った報告書を作成した業者に対して委託費全額を支払ったことは公金の不当な支出にあたるとしたものである。
 後者については、堆砂の実態を反映することなく、誤ってダム容量を決定しているにもかかわらず、内容を吟味することなく、委託費全額を委託業者に支払ったことは公金の不当な支出にあたるとした。
 石川県監査委員は請求を棄却した。
前者については、「どのような内容の業務を委託するかは、県の合理的な裁量にゆだねられており、県の裁量権の逸脱・濫用は認められない。」後者については、「県は基準に則って業者に指示し、業者は指示通りにやっただけだ。」というもので、いずれも公金の不当支出にあたらないとした。
 今回の住民監査請求は、実態と著しい乖離がある過大な流量あるいは堆砂状況に基づいた検討であるから、委託料を全額支払うのは公金の不当な支出にあたるという問題提起だが、監査結果は、「基準」、「委員会審議」、「国交省審査」の3点セットを経たものであり、県の判断は裁量権の逸脱・濫用にあたらず、業者は支持通りに履行したものであり、その成果に対する支出は、公金の不当な支出にあたらないというものである。

 だが、後者の堆砂については、犀川ダムばかりではなく、全国のダムにおいて実態と明らかに違う現実があり、後に国の会計検査で全国的に各地のダムの問題点が指摘されている。

2005(平成17)年12月27日、辰巳ダムの根拠である想定洪水量についての「住民監査請求」を監査委員事務局へ提出
2006(平成18)年1月11日、犀川ダム湖の利水容量100万m3の毀損に関する「住民監査請求」を監査委員事務局へ提出
2006(平成18)年2月2日、「住民監査請求」(犀川の想定洪水とダム湖の堆砂)の意見陳述
2006(平成18)年2月27日、住民監査の結果(通知)、「監査結果に関する請求人の感想



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辰巳ダム>捏造された洪水、東岩取入口は残ったが(その43)

2017年05月17日 | 辰巳ダム
土地収用法の事業説明会

 2007年(平成19)年11月15日突然、新聞紙上に石川県知事名の「辰巳ダム事業説明会の開催について」という公告が掲載された。
土地収用法第15条の14の規定による「事業説明会」で、特定行政庁(北陸地方整備局長)が事業認定処分をするために必要な最終的な法手続である。
 各地権者に対して個別に説明と協力をお願いしてきた上で、最終的に全部の地権者に漏れなく説明を尽くしたという形を整えるものである。誠意と法律で求められていることをすべて行ったこと、それでも用地交渉が難航し、必要な土地を取得することができないので、土地収用法に基づく強制的な収用をするために、北陸地方整備局長に事業認定処分を求めるための手続きである。
 10日後の2007年(平成19)年11月25日、「辰巳ダム事業説明会」が石川県文教開館で開催された。
事業認定処分が下される前に、法的に義務づけられたイベントであり、相手の言い分を聞くような段階の場ではなく、事業者は質問を受け付けるものの、中身はなくてどうでもいい食べ滓のような回答に終わるので、怒号に包まれた険悪な雰囲気の場となった。とは言っても、過激派による闘争とは無縁であり、事業説明の責任者が裏口から退散したのはみっともなかった。あらかじめ、中央の専門のコンサルタントにイベントの企画を依頼しており、トラブルをさけるためということでそのような段取りが立てられていたようだ。

まさに茶番! 事業説明会の様子
 
 事業説明会開催の3日後、2007年(平成19)年11月28日、待ってましたとばかりに、北陸地方整備局長が土地収用法第20条による事業認定処分を下した。
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辰巳ダム>捏造された洪水、東岩取入口は残ったが(その42)

2017年05月16日 | 辰巳ダム
土地収用法の公聴会

 石川県は2007(平成19)年度中に辰巳ダムの本体着工を行うことを決め、共有地の強制収用するための手続きとして、土地収用法に基づいて北陸地方整備局長に事業認定申請を行った。
事業認定に関する処分を行う機関である北陸地方整備局長は土地収用法第23条第1項の規定に基づき、「犀川辰巳治水ダム建設事業の事業認定に係る公聴会」を開催した。
 当初、2007(平成19)年3月25,26日に予定されていたが、当日、能登半島地震が発生したため急遽中止された。約2ヶ月後の2007(平成19)年5月20,21日、金沢市文化ホールに変更された。
2007(平成19)年5月20日(日)13:30~20:15
2007(平成19)年5月21日(月)13:30~20:15
 
 事業認定に関する処分を判断するにあたって勘案すべき情報を公聴会の場において聴取し、収集することを目的として行われるものであり、新聞紙上で公告され、希望者が意見等を公述することができる機会が与えられるものである。公述者は、一人30分の持ち時間が与えられ、起業者(石川県)へ質疑することもできる。
 2日間で合計19名が公述した。

 初日の辰巳の会関係者のテーマは以下のとおり。
碇山洋(辰巳の会事務局長/辰巳ダム問題総論)
木村久吉(元県文化財審議委員/計画の動機が不純、不透明。故新谷正雄氏の話)
下郷稔(前兼六園管理事務所長/辰巳ダムは兼六園の歴史と伝統を破壊する)
中登史紀(技術士/有史以来発生したことのないような過大な洪水設定が一番の問題)
渡辺寛(ナギの会/隠された鴛原超大規模地すべり地。農業用水是正で問題解決)
辰巳の会関係者以外では、吉藤哲夫、平田博、上村彌壽男、藤崎強(金沢市代理人)。

 二日目の辰巳の会関係者のテーマは以下のとおり。
宮江伸一(元金沢大学教授/世界遺産登録と矛盾。史跡未調査。代替案議論なし)
本間勝美(前金沢市議/希少種ミゾゴイの保護。新辰巳ダムは生態系を破壊する)
吉岡勇(東岩の貴重な自然と景観を破壊する辰巳ダム)
杉浦幸子(自然破壊が子供の教育と都市計画に与える影響について)
辰巳の会関係者以外では、雨坪裕孝、作田勝、北賢二、野尻安司、中川清二、石井達夫。
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辰巳ダム>捏造された洪水、東岩取入口は残ったが(その41)

2017年05月15日 | 辰巳ダム
石川県が共有地主に対して用地交渉(らしきこと)を開始

 2005(平成17)年5月、石川県が共有地主に対して用地交渉(らしきこと)を開始した。2ヶ月前に、多目的ダムから治水専用ダムに計画変更された「犀川水系河川整備計画」が策定されたことを受けたものである。

 2005(平成17)年5月から2008(平成20)年7月にかけて、石川県は地権者計641人に対して、それぞれ個別に職員を派遣して、面談や文書などの形で任意交渉にあたった。一方、辰巳ダム事業認定取消訴訟原告団の下郷稔、碇山洋の共同代表は、個別に複数の公務員が押しかけてこられては冷静に交渉することは難しく、県はわれわれ共有地主と任意交渉の場を用意するべきであったにもかかわらず、しなかったとことを非難した。
 未買収用地は、大半が山林、原野で、金沢市城力町、瀬領町の3,280m2(10筆)、計画用地全体48.7ヘクタールの0.7%にあたり、地権者は641人である。なお、損失補償額は、立木を伐採すると最大で約360万円となる。
 ちなみに、中登史紀の持分の用地の補償金額は419円(山林52.58m2の1/1000、立木6本の1/1000)。
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辰巳ダム>捏造された洪水、東岩取入口は残ったが(その40)

2017年05月14日 | 辰巳ダム
犀川水系河川整備基本方針検討委員会委員長、委員に対して基本高水ピーク流量に関して公開質問状を
 
 法手続を踏んで、犀川の基本高水が策定されて、法的根拠は確定した。しかし、実態と乖離して異常に高く設定されているので、技術的根拠は薄弱である。中は、技術者の立場で情報を集め、情報公開請求で得られたデータを分析した文書を作成した。
学識経験者で構成された委員会で、基本高水ピーク流量を妥当と判断した学識経験者に対して、基本高水をあげることで無駄なダムを量産することに貢献するべきでないという観点から、判断の誤りを問いかけた。

 2005年11月29日、平成16年7月策定の犀川水系河川整備基本方針で示された「基本高水ピーク流量」に関して、玉井/辻本教授へ公開質問状を送った。
 両教授は、手取川と犀川の両方の河川整備計画審議委員をされているので、手取川の基本高水ピーク流量と比較して、犀川の基本高水1750m3/秒が異常に過大ではないか、と問いかけた。
 両教授にかわり、河川課担当係長は、答えるべきものと判断すれば回答するとだけ述べた。

・「公開質問状

 2005年12月13日、観測流量解析した上で、公開質問状を玉井金沢大学教授、辻本名古屋大学教授へ送付し、石川県知事、河川課長へ公開質問状を提出した。
 昭和53年から平成16年までの犀川の観測流量を解析して100年確率の洪水量を求めた。その結果は、930m3/秒。過去100年間の最大の出水である、昭和8年の洪水量に一致した。石川県河川課の想定洪水量1750m3/秒3は9000年確率に相当する。従来から、有史以来発生したことのない洪水であり、過大であるということを主張してきたが、裏付けられた。
 
・「公開質問状
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