失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「キスをするのに・恋してるのに」 相沢薫 1989年

2016-06-03 | KO系
相沢薫、唯一のシングル。Produced by 清水信之

相沢薫は1989年に唯一のアルバム『もう一度恋をしよう』を残している。このシングルはアルバムの冒頭2曲をそのまま並べたもの。

①オルフェの夏 LET'S TAKE A CHANCE 
作詞:湯川れい子、作曲:羽田一郎、編曲:清水信之
メジャー感のある作家陣がやる気を感じさせる。清水信之らしいキレのあるテクノアレンジは『浮気なぼくら』テイスト。アーバンでアンニュイなムードが相沢さんの声質にフィットしている。化粧品タイアップとかいけそう。

②キスをするのに・恋してるのに WHAT CHA' GONNA DO FOR ME 
日本語詞:小沢健二、作曲:NED DOHENY & HAMISH STUART、編曲:NED DOHENY & 清水信之
オリジナルはチャカ・カーン、1981年。ネッド・ドヒニーのセルフカヴァーがアルバム『LIFE AFTER ROMANCE』(1988)に収められた。この相沢薫ヴァージョンには、ネッドが共同アレンジとコーラスで参加。ネッドとチャカのちょうど中間くらいのアーバンソウルに仕上がっている。薫さんのちょっとはすっぱな歌唱がキュート。
女性目線で綴られた日本語詞は小沢らしさを感じるほどではない。ま、タイトルは小沢っぽいか。1989年11月といえばフリッパーズの1st『three cheers for our side〜海へ行くつもりじゃなかった』リリース直後。同じくポリスターの新人ヴォーカリストのアルバム4曲に歌詞を提供した小沢。おそらく初の外部仕事だろう。

定価937円、中古で756円。
アルバムと同じ写真を使用したジャケ。目は閉じられ、顔は影になっていて完全に匿名希望の雰囲気。狙いどおり、個人情報露出の極めて少ない謎のシンガーとしてキャリアを終えたと思われる。

コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「SEXY MF」 プリンス&ザ・... | トップ | 「GONNA BE a SUPERMODEL」 J... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (いのいの)
2016-06-04 20:39:36
曲タイトルに中黒が入るのが自分の中での80年代です。
英字にも普通に入ってましたからね。
スペースという概念がまだ無かったんでしょうね。

ところでFG関連は人並みに知ってるつもりでしたが、これはノーチェックでした。
掘ったら他にもポリスター絡みで細かい仕事してるんですかね?
Unknown (いのいの)
2016-06-04 20:41:51
概念が無いは言い過ぎましたので訂正。
浸透してなかった、という事で。
中黒問題 (nakamura8cm)
2016-06-07 01:17:25
確かにカタカナ(外来語)のつなぎ以外で中黒があるとちょっとひっかかりますよね。
小沢で思い出すのは「強い気持ち・強い愛」。

あと超メジャーでは「津軽海峡・冬景色」ですか。

コメントを投稿

KO系」カテゴリの最新記事