失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「ハッピー・エバー・アフター」 ジュリア・フォーダム 1988年、沢田知可子 1989年

2016-10-14 | 
"HAPPY EVER AFTER" JULIA FORDHAM 1988

洋楽とその日本語カヴァー。

左、英国の女性SSWジュリア・フォーダムの3曲入り8㎝CD「ハッピー・エバー・アフター」。

①時のゆくえ Where Dose The Time Go?
(JULIA FORDHAM)
John O'Kaneをゲストヴォーカルに迎え、こってり盛り上げるバラード。デビューアルバム『Julia Fordham』(1988)収録曲で、1989年にシングルカットもされている。この日本編集ミニアルバム?が出た1988年11月時点ではまだシングル曲ではなかった。シャリシャリしたレイト80'sらしい音像はヒュー・パジャムによるミックス。

②ハッピー・エバー・アフター Happy Ever After
(JULIA FORDHAM)
ゆったりしたビートに乗せて抑えた調子で歌うジュリア・フォーダム。TVドラマ「ハートに火をつけて!」で使用され日本でもヒット。ドラマは見ていないけどアンニュイにたそがれる浅野ゆう子のBGMとして活躍したのだろう。優しい曲調に慈悲深げな声、おとぎ話の〆の決まり文句(「幸せに暮らしましたとさ」)を引用したタイトル、「ハッピー」の語感からなんとなくほのぼの幸せムードを感じてしまうが、じつは南アのアパルトヘイトに対する諦めまじりの異議申し立てといった内容。歌詞を見ながら聴けば深い絶望感がジュリアを支配していることが分かる。印象的なアフリカ系女性コーラス「Um by yay Est ce la South Africa」が挿入されるし、言われてみればリズムもアフリカっぽい。
ピーター・ガブリエル「Biko」(1980)、Artists United Against Apartheid「サン・シティ」(1985)に連なる反アパルトヘイトソング。この時点ではまだネルソン・マンデラは獄中だったし、アパルトヘイト撤廃は3年後の話。

③マイ・ミステイク My Mistake
(JULIA FORDHAM)
「ハッピー・エバー・アフター」12インチシングルに収められたのアルバム未収録曲。B面らしい3分足らずの小品。

定価1123円、中古で52円。
ジャケ下半分にはアーティスト名・タイトルよりもでかくヴァージンレコードのロゴマーク。


右、沢田知可子の6thシングル。

①HAPPY EVER AFTER
日本語詞:沢ちひろ、編曲:岩本正樹
ポリティカルメッセージ一切なしのふんわりした日本語詞。上記のような日本でのイメージ(ほぼ誤解)にそって確信犯的に書かれたと思われる。2番冒頭、オリジナルの「So don't ask me why」を「そ、Doorのそば」と微妙に頭を踏んできたりもする。ジュリアが怒りを抑えつつクールに歌いきった名曲を、知可子はウェットに歌い上げてかなりの台無し感。そりゃ内容が悲恋モノになってるのだから仕方ないか。

②恋人と呼ばせて~Let me call your sweet heart~
作詞:門谷憲二、作曲:井上大輔、編曲:笹路正徳
1987年のデビューシングル「恋人と呼ばせて」を再録。新録とは書いてないので同じヴァージョンなのだろう。またもや歌い上げ系泣きのバラード。それが知可子の持ち味だから。
ところでこのサブタイトル~Let me call your sweet heart~、内容に沿った「(あなたを)恋人と呼ばせて」の意味だったらyourじゃなくてyouだよね?これじゃ「あなたの恋人に私から連絡させていただくけど、よろしくて?」になって修羅場じゃん…ちょっとググってみたら「Let Me Call You Sweetheart」という曲をビング・クロスビーが歌っていた。

定価937円、中古で108円。
セピアカラーの写真に丸メガネ。なんかぼんやりしたデザインだな。

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