中村叶の詩

中村叶の詩です。元気になれる。勇気がでる。心安らぐ。

おてんとさまが見てござる

2006-03-28 10:46:03 | おはな詩(生き方)
おてんとさまが見てござる 

俺は大日本帝国の兵士だった

日本がアメリカはじめ連合国と戦争をしていた
第二次世界大戦中のこと
大日本帝国の兵隊たちは
朝鮮でも、満州でも
ひもじい思いをしていた
食料が充分ではなかった

現地の子ども達に
 「スイカ持ってこい」 「マクワウリ持ってこい」と 命令した
 子ども達は 俺たち兵隊が怖いので
 畑に忍びこんで スイカやマクワウリを 盗(と)ってきては
 俺たちに 貢(みつ)いだ

 ニューギニアに転戦したが
 ひもじい思いは同じ
食料の不足は変わらない 朝
鮮や満州でしたように
 ニューギニアの子ども達にも
 「バナナ持ってこい」 「パパイヤ持ってこい」 といいつけた

 ニューギニアの子ども達は 両手をあわせ
 「勘弁してくれ、勘弁してくれ」 と、言うばかり
 どんなに脅かしても
 どんなに怒っても
 決してバナナやパパイヤを 盗んではこなかった

「どうして俺の言うことが聞けない!」
 ニューギニアの子ども達を殴りつけ
 バナナやパパイヤを盗ってこいと言うと
 どの子も空を指さして
 「おてんとさまが見ているからできない」 と言うのだった

俺はぎょっとした
幼いときの母の教えが 心によみがえったのだ
嘘をついたとき
悪いことをしたとき
母は静かに 「おてんとさまが見ているよ」 と言ったものだった

他の兵隊達も同じ思いだったのだろうか
子どもたちの言葉にしゅんとなった

いいことをしているときも
わるいことをしているときも
あんたのこころが知っているし
おてんとさまが見てござる

だから いいことをしたんだって人に言わなくてもいいよ
わるいことをしちゃいけないよ
あんたのこころが知っているし
おてんとさまも知ってござるのだから


おてんとうさま(御天道様)〔「おてんとさま」とも〕 (1)太陽を親しみ敬愛していう語。「おてんとうさまと米の飯はついてまわる」 (2)〔太陽を神とみることから〕神。「おてんとうさまは何から何までお見通しだ」三省堂『大辞林』第二版より <「虹の架橋」は群馬県大間々町の洋品店・足利屋,さくらもーる「アスク」が発行する地域情報紙のタイトルです。いろいろな活動を通して出会った心温まる 話題や地域情報を満載して毎月1日に発行しております。>という『虹の架橋』に連載の『小耳にはさんだいい話』第21話「おてんとうさんが見ている」に取 材して、若干の脚色を加え詩にしました。

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