中村如水随想録

身体論、体癖論、潜在意識、NLP、アレクサンダーテクニーク、インナーゲーム、引き寄せの法則、音楽。今、ここ。

96. 己の感情から、真理の声を聴く。NLPパートモデル

2010年08月12日 21時49分51秒 | 体癖
85. 「ストックデールの逆説」と「引き寄せの法則」でも一度触れたが、武井 一喜 著の「NLPでリーダー脳力をグングン高める法」(ヴォイス、ISBN 978-4899760955)に、「NLP パートモデル」と呼ばれるスキル(一人で行う心理療法のようなもの)が紹介されている。




このモデルが、神経言語プログラミング(NLP)の中で、一般にどのような位置づけなのか、残念ながら私は知らない。しかし、NLP について書いてあるいろいろなウェブサイトや本などを調べても、パートモデルに詳しく触れているものは非常に少ないようだ。ひょっとすると、あまり主流でないか、何らかの理由で時代遅れと看做されているのかもしれない。にも関わらず、この方法は、ちょっと常識では理解できない力を持っている。その証拠に、著者の武井 一喜氏も「最も厳しい現実を受け入れる」ためのエクササイズの方法を書いてある箇所(p. 102)に、「このエクササイズは、相手のトラウマにかかわるようなテーマを扱うときにはパニックを引き起こす可能性がありますので、専門的な訓練を受けた方以外は、他の人に対して使わずに、自分自身で体験するにとどめておいてください。」という但し書きを、わざわざ加えている。

そんな訳で、実際の手順そのものついては、ここでは詳しく引用せずにとどめておく。本当にこれを必要としている人は、この本を入手することができるはずだろうから。

簡単に流れを紹介すると、問題を引き起こしているような自分の感情を見つけたら、それが自分の体のどの部分(パート)にあるか探す(この部分はきわめてユージン・ジェンドリンのフォーカシング)に似ている。その部分がどんな感じかを味わう。次に、その部分を手にもって、体の前に取り出すことをイメージして、さらにその感じを味わう。そして、その感情、その部分が否定的な感情だけでなく、その後ろに何らかの肯定的な意図を持っていることを受け入れて、直接、その部分に問いかける。ここでしばらく返事を待つと、その部分が肯定的意図を答えるのである(と、書いてみたところで信じ難いだろうが)。答えてくれたことに感謝し、その肯定的意図を別の形で満たすことを考え、その部分を体に戻す。

自分の中の感情に、直接、何のためにその感情が存在しているのか、自分にとってどういう積極的な意味があるのかを尋ねる、というわけである。そして、どういうわけか、本の通りにこの手順を守って行うと、本当に答えが返って来るのである。

と書いてみてもまったくピンとこないだろうから、私自身の例をふたつ紹介する。


「ネギ事件」

あるとき、私の妻になる人と、結婚式会場の下見に行った後のこと、私の奥歯にネギが挟まったままであることが発覚し、彼女に酷く怒られ、押し問答になってしまった。なぜ、ネギでそこまで怒ったかというと、理由があって、彼女はそれまでに何人かの占い師に、私が相手としてどうか,ということをこっそり相談に行っていたそうなのだが、「この人は人の言う事を聞かない」「負けず嫌いだ」などなどいろいろと厭なことを言われていたらしい。歯磨きを徹底しろ、と言っていたのに、それをサボっているのを見つけて、そのことの証拠を得てしまったような気になって不安だったらしい。その占い師の指摘はすべて当たっているので、「そう、その通り。いちいちもっとも。」と返事をしたら、彼女はますます不安になってしまった。問題は、「どうして私は己の性格上の欠点をなかなか受け入れられないのだろう」ということであった。そして、ちょうどこの本を持ち歩いていたので、彼女が他で用事を済ませている間に、パートとの対話を行った。これが初めてであった。

私の変化を拒む部分は、鉄の立方体として感じられ、肯定的意図は「自己防衛」だと答えた。一方で、変化を望んでいる部分は、荘厳な光の中で激しく燃える光の塊として感じられ、肯定的意図として「霊性の進化」と答える声が聞こえた。両者の肯定的意図を満たす新しい部分は、おだやかな柔らかい光のかたまり、として感じられ、「急激な変化を避け、ゆっくりと受け入れればよい」というメッセージを語った。

その後、彼女と外で夕食をとったが、私は生まれて初めて「トランス状態」に陥っており、頭がぼうっとして、テーブルの上にあるお皿やコップがすべて実際にはそこに存在せず、手を伸ばせば突き抜けてしまうのではないかと感じられた。今どうも自分はトランス状態にあるみたいだから、暗示を何でも受けるかもしれない。どうせだから、都合の良い未来をいっぱい語ってくれ、と彼女に頼んだのを覚えている。翌日には正常に戻った。


「宇宙人襲来事件」

ネギ事件の2ヶ月後のこと、結婚式の準備を私がおざなりにしている、という疑惑で、未来の妻との関係が急激に悪化したことがあった。彼女にしてみたら、準備についてはいろいろ不安があって、それを分かち合いたいと思っているのに、私の方は上の空なので、「もう何も心を打ち明けずにいたほうがよいような気持ちになる」、とメールを送って来た。

翌日、NLP「パートとの対話」を応用して瞑想をしていると、丹田のまわりが、無数の銀河を含んだ宇宙のような存在、として感じられた。そして「今、お前が学んでいる潜在意識に対する暗示法を実践しなさい。愛していますよ、という暗示を積極的に送り続けなさい」という声を聴く。暗示、というと計算だけでやっているように思うが、積極的にそれを送り続けることは計算だけでは出来ないことでここに大我の愛がある、ことに気がつく。

1週間後、彼女と再会した時、彼女の方から話がある、という。昔、宇宙人襲来のラジオ番組を本物と信じて避難してしまったアメリカ人がいたという。そのとき、宇宙人が来た、と既に思ってしまっている人は、どんな証拠も宇宙人が来たことと関連があると思ってしまった。それと同じことが自分にも起こった。すべての小さな出来事を、「私が結婚式に乗り気ではない」という証拠だと受け取ってしまっていた、と話してくれたのである。

それを聞いた私は、1週間前の瞑想で、まったく同じ答え、暗示の大切さ、ということを受け取っていた、と明かした。もちろん、これで信頼が回復して、半年後に無事に結婚式を迎えることができた。

この事件は、人智を超えた世界というのがある、ということを最も直接的に感じさせられた経験の一つである。自分の「パートとの対話」の瞑想で得られた答えと、全く同じ内容の寓話を、妻の口から聞くことになるとは、誰が予想できよう。

別の見方をすれば、これは、相手を変えようとせずに、自分を変えることで相手に影響を及ぼす、ということが、かくも正確な形で実現するということの例でもある。鏡の法則、である。


もうひとつ、この感情の「声」、部分の「声」は、いったい誰が喋っているのだろう?という疑問があるが、守護霊、もしくは守護天使、というのが答えだと考えている。

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