映画の豆

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「手紙は憶えている」

2016年11月04日 | サスペンス映画

アトム・エゴヤン監督。
認知症の主人公の老人ゼヴは、妻の死も記憶できないほど
症状が進行していたが、彼には果たすべき復讐があった。
アウシュヴィッツ強制収容所時代に家族を殺したドイツ人、
コランダーを探し出して殺そうと彼は決めていた。
同じく収容所の生き残りであるマックスが、
仇である可能性が高い人物を何人か候補に挙げ、
ゼヴが彼等の家を1軒1軒尋ねて確認するという手筈だった。
眠るたびにすべてを忘れてしまうゼヴのために
なぜ旅をしているのか、その手順はどういうものかを記した手紙を
マックスが書き、ゼヴは目覚めるたびにそれを読む…という内容の映画です。
主要登場人物の大半がおじいちゃんという、おじいちゃんサスペンス。

予告を見るとラストが分かっちゃうので、予告見ない方がいいかも。

私も今まで何してたかすぐ忘れちゃうし、
道を尋ねて説明が長いと露骨に目から光が消えちゃうし、
カバンから何か取りだす時にめっちゃゴソゴソ時間かかるし、
何もない所でヨロヨロして転んじゃうし、
見ていて切なくなりました。
年寄りにとって復讐はハードル高いなあ…と思った。

でもこの映画に出てくるモブの人はみんないい人で、
おじいちゃんが困っていると、
大人も子供も割と親身になって助けてくれるんです。
お年寄りにとっていつも世界がこんな風であるといいなあと思います…。
(私も心がけたいですが、通勤中とか、結構殺気立っているので難しい…)
主人公のゼヴは目覚めるといつも亡くなった奥さんを呼ぶんですが、
きっと仲のいい夫婦だったんでしょう。
コニーアイランドって当時の出会いの場だったのかな…。

何となく行間についていろいろ想像したくなる映画でした。

内容ばれ

あのドイツ人でありながら同性愛者という理由でアウシュヴィッツにいたひとや、
4人目の人とその友人の当時の仲間意識、再会後の絶望、
ゼヴの妻が亡くなるのを待っていたマックスの優しさ、
あそこまで本格的にピアノを習えるおそらく裕福であっただろう環境、等々…。

ナチスについては世界の9割以上の人が
否定的な感情を持っているものだと思っていましたが、
あんな風に父親からナチ信奉を刷り込まれていたり、
アウシュビッツは恥ずべき行いだが政策は正しかったって思っていたり、
色々なスタンスがあるんですね。
そういえばドイツ人女性の手記で、
アウシュビッツの事は何も知らなかったので俄かには信じがたいし、
街では特に差別的な事はなにもなかった、っていう手記を読んだことあります。

関係ないですが、パスポートの期限が切れているのに
入国審査を通れたのには驚愕した。
アメリカ・カナダ間だから?それともおじいちゃんだから?

この映画はナチズムに一度でも染まった人間は、
おじいちゃんであろうと犬であろうと全員死んでいるので、
ナチ絶対殺すムービーと言えるでしょう。

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