アヴァンギャルド精神世界

冥想により、限りなき知性と底知れぬ優しさを。そこに次の時代が・・・。この世はドリームでもあり、リアルでもあり。

真夜中の太陽

2017-05-11 05:33:03 | 現代冥想の到達点
◎黄金のろばと太乙金華宗旨

「黄金のろば」は、古代ローマの小説であって、結構読みにくい書きぶりの文章なのだが、どういうわけか当時の小説で長いキリスト教による思想統制を生き延びて全文が残っている極めてまれな文章だそうだ。

あらすじは、人間の青年ルキウスが、魔術の失敗で、心ならずもろばに変身し辛酸をなめるが、求道の心やまなかったので、最後はイシス女神のサポートよろしく人間に戻るという話。

以下の引用文は、その肝たるルキウスが真夜中の太陽を見るシーン。心理学者C.G.ユングもこの重要な部分がたった三行しか書かれていないとぼやいている。

『さて好事家の皆さん、あなた方は、おそらくその室で交された二人の会話とか、そこで起った事件とかについて、何か話して欲しいと強く要望なさることでしょう。その発表が許されるものなら、喜んで私も話しましょう。皆さんのお耳に入れてよいものなら、喜んでお聞かせしたいものです。

しかしそれについて不謹慎なお喋をしたり、あるいは大それた好奇心から、それを聞こうとしたら皆さんのお耳も私の舌もひとしく罰を蒙むること必定です。

だからといって何も申しませんと、今度は皆さんの方が、敬虔な熱望を抱いて何となく落ちつかないままに、いろいろと取越苦労なさるでしょう。そうなると私も辛抱できません。一つ話を聞いて下さい。でもこの話はみんな真実だと思って下さい。

私は黄泉の国に降りて行き、プロセルピナの神殿の入口をまたぎ、あらゆる要素を通ってこの世に還ってきました。真夜中に太陽が晃々と輝いているのを見ました。地界の神々にも天上の神々にも目のあたりに接して、そのお膝元に額ずいてきました。

こういった所が私の話です。皆さんはお聞きなられた今でも、何のことやら、ちんぷんかんでしょう。でもそれはみんなみなさんのせいです。それはとも角として俗界の皆さんに打明けても、神罰を受けないで済むようなお話をお聞かせしましょう。』
黄金のろば/アプレイウス/ 岩波文庫p163-164から引用

※プロセルピナはローマ神話の冥府の女王

実は、ろばのルキウスは、司祭の持つ薔薇の花束を食べてから、人間への変身プロセスが始まる。薔薇とは、究極のシンボルでもあるが、それを食らう。

さて真夜中の太陽は、実は中国の道教の核心文書にも登場してくる。それが、太乙金華宗旨逍遥訣の第四句

第四句
真夜中に、日輪が輝くのを見る。(三更又見日輪赫)
(真夜中は死の世界のこと。日輪はまさに中心太陽のこと。死の世界で日輪を見るシチュエーションは、クンダリーニ覚醒のプロセスで、無上の垂直道から中心太陽をみるステージのことである。)

「逍遙訣第八
呂祖曰。玉清留下逍遙訣。四字凝神入氣穴。六月俄看白雪飛。三更又見日輪赫。水中吹起藉巽風。天上遊歸食坤德。更有一句玄中玄。無何有鄉是真宅。」

天上に遊び帰って坤德を食す。坤德は地の徳であるが、それも一つの窮極の薔薇。それを食べて完全な人間に再生したわけである。
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