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男は純情、女はしたたか

2016年05月30日 | ライブ・公演・舞台

昨日は、出演者の皆さんのアドリブの応酬の炸裂でした。

やはり千秋楽、もう後が無いという自由さが、奔放に演技をさせるんでしょうか。

客席は何度も爆笑の渦でした(^_^.) またその客席に向かって俳優さんが観客をいじる。

「なに 椅子に座って見とる」で、また客席が笑うという 笑いの無限ループ。

ジュリーは怒号のような台詞を吐きながらも、表情がクルクル変わり

怒ったかと思えば、一転 満面の笑みをみせる。その暖かい蕩けるような笑顔に、

また客席は魅せられるのです。 

チンピラ3人組もノリノリの演技で、「六甲おろし」まで披露したのはビックリ!

ここはTOKIOでっせ(笑) 大サービスですね。

びっくりぜんざいのサンドイッチマンでは

びっくりぜんざい コーヒ~♪の歌は、「別れても好きなひと」の歌い出しの曲と同じでしたよ。

「サンドイッチマンよりチンドン屋がいい!」と言って、チンドン屋のマネで歌い出したり

もう、好き勝手にやってました。清治さんが「楽しいでんな~」(笑)

 


それはともかく、男たちが好き勝手にやりながらも 「悪名」は

侠客たちのぶつかりあいを描いたものではないと、男と女の話

昨日はより強くそれを感じました。

 

兵隊に行った朝吉の帰りを待たずに、他の男と一緒になったお絹。

待てなかった女を、恨み言のひとつも言わずに 潔く身を引く朝吉

(戦死の公報はきていたの?来てないなら待ってよ)

今また別の男と所帯をもち、臆面もなく堂々と「今が一番幸せ」と告げるお絹。

その後ろ姿を 黙って幸せにと、見送る朝吉。

 

ヤトナのアケミと 世慣れた男と女の色っぽい言葉を交わしながら

涙にくれる朝吉、なんという純情さ、なんというウブさ。

朝吉は二度もお絹に裏切られながら、それでもお絹の為に尽くす。

まるで始めての恋を、いまだに忘れられずに思い続けている少年のようだ。

八尾の大親分と言われながら、なんという純な朝吉。

 

それに対して、女は最初から最後までずっと したたかです。

戦争から帰る朝吉を待たずに、あっさりと人の女房になり

その結婚が失敗して、堕ちるとこまで堕ちたのは、多分自分自身のせい。

それが厚かましくも「琴糸」という 昔、朝吉が助けた女と同じ源氏名にして

「あんさんが 探してくれるかもと思って・・・」

と甘い声で朝吉を頼る。

好き勝手にやって失敗して堕ちて、こういう時だけは朝吉を頼りにするのね。

なんという厚顔、この自分勝手さ、男の操縦術、お絹は天性の魔性の女かも。

このお絹の厚かましさも、したたかさも、

甘い声で「あんさん・・」と呼びかけられたら

朝吉は昔の事など全て忘れて、お絹を助ける。

 

そして止めても出ていく男を「死んでまえ!」と叫ぶお絹に

自分勝手な女となじり乍らも、観客はその女の気持ちに 

いつの間にか共感しているのだった。「どうか行かないで!」

お互いの為にと深く思いあいながらも、結局気持ちはすれ違ったままの男と女。

「悪名」は侠客の世界の物語だけではない、男と女の心の機微を

描いているのだと、何度目かの哀しい結末を見た後にそう感じた。

 

想う女に最後まで少年のような純な気持を捧げ続ける朝吉。

その姿に、女は微かな希望を見る。

王子様はもう とうの昔に白馬からは降りてしまっている。

地べたにいる。粗野で乱暴者で品はない、

けれどその気持ちは昔から変わらず、ずっと暖かい。

誠実で真っ直ぐで、変わらぬ気持ちを捧げてくれる男こそ、男の中の男。

何にも持っていないように見えるけど、実は優しさの全てを持っているのが

朝吉なのだと、女はやっと気がついたのだ。

それにしても、お絹もお輝も、やとなのあけみも、

女たちの なんとしたたかな事か。

 

「お絹はええ女やのう」と蕩けるような満面の笑顔に含羞を見せる朝吉。

スポットライトが笑顔の朝吉の顔を 一際明るく照らし、

含羞を含んだその笑顔をさらに輝かせていた。

この華やかさ、これこそがスターの顔だと その笑顔に見とれた。

 

朝吉さんは来年もリターンします✨

50周年の記念の年に、次はどんな愛の形を見せてくれるんだろうか。

 



 今年の紫陽花は例年よりも大きく、よく咲いてくれました。

植え替えたせいだろうか、植物も、女も男も 

やっぱり手をかけてやらないとね。

 

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