長生き日記

長生きを強く目指すのでなく良い加減に楽しむ日記

420   腐朽菌

2017-03-07 22:29:12 | 日記
  4年ほど前に伐った柿の太い枝を庭隅に放り出しておいたのだが、みるとサルノコシカケのような茸が育っていた。  
還暦を少し過ぎて短歌なるものをはじめてすぐ「かりん」に入ったのだが、送られてきた誌面にいいなあと思った一連があった。
   「神田川」   望月孝一 (かりん 2007年1月号)
 銭湯の煙突高し都電ゆくそのころ神田は学生の街
 わが母はくすと笑いてわが連れし腹空(す)く彼女のおかわりよそう
 かろうじて器量五割の面立ちに加えて男の子のことばまじりの
 出でて来しふるさと宮崎すてたきに東京あまりに沸き立つらしも
 彼女には逃亡すなわち不退転 ドイツの古き学都にむかう
 ドイツにはブルクと名のつく町あまた今頃どこかのブルクのきのこ

  掲載のページは新米の僕よりずっと上の欄で、別の歌で高校の先生らしいのもあったので10歳ほど上の方かなあと思ったが、後にお会いしたらほとんど同年配だった。想像通り社会科の先生で山岳部顧問としても活躍されたようだ。この短歌になぜ惹かれたかわからない。僕がそんな気分だったのかもしれない。題材の茸の彼女にではなくてそういうことを思い出してきのこと結びつけ彼女と同じようにはならなかった自身のことを思いながら詠んでいる作者なのだなあと気が付いたからかもしれない。
  このごろ街歩きをしながら、街路樹に多いベッコウタケやサルノコシカケを見るたびにブルクを想うのである。

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