「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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年1ミリシーベルト除染目標を放棄する日本政府、肯定する大新聞。告示2ヵ月前で立候補ゼロ、福島県知事選。

2014-08-02 12:30:00 | 福島第一原発と放射能

【 夫が心停止で脳死→死亡、行政解剖で心臓の異常な硬化も指摘。被曝原因も疑う妻 】

【 「"被曝回避"と"脱原発"は、実は重なっていない」木下黄太 真夏の大放談(1) 】

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 日本政府は、個人の被曝線量が問題なので、その場所で、年間1ミリシーベルト以下にするという除染目標を放棄するそうです。

0.23μSv/hという線量を超えないように除染するという話だったのが、その話を捨て去るということです。

これは何を意味しているのか。

そもそも、まず除染はできないということです。

緩い目標数値である0.23μSv/hという外形的な数値さえも、原発事故後、3年半近くが経過して達成できる可能性がほぼないということです。でもそしてこんなことは最初から分っていた話ですが。

それでも除染ということにすがる構造をつくっていたのが日本政府です。除染が大きな効果を生んでいないのは、旧ソ連では常識だったにも関わらず。

除染というのは、何もかも全て除染しないと効果はありません。点と点をつなぐ作業で除染をしても、得られる効果は微々たるものです。それは圧倒的な人工的環境下にある都市の場合、都市全体を作り変えるほどの作業が必要となります。まして、自然環境と共存しているエリアでは最初から不可能です。

福島の汚染状態を考えると、点と点との除染には、効果がある可能性を想定することが、ありえない感覚です。おそらく進めている連中は最初から、効果が出ないことを前提に進めた話と思います。

人手不足という話も出ています。福島除染といって、かけられる原資には限界があります。そうすると、除染の為に集められる人手には限界も生じます。全体的にこうした作業に携わる人間が減る中で、除染というフィクションがあるかのごとく見せることさえ、難しくなっているということです。

福島、茨城、栃木、群馬、新潟の北関東磐越5県知事会議で原発作業員の人材確保を国に長期的に要望をおこなう提案が、福島県知事から為されて、合意しています。それだけ人材確保が厳しくなっている現実が反映しています。

勿論、内部被曝、吸気被曝の観点から考えると、あるポイントの外部線量を一定程度下げることで、身体に害のある被曝をなくすことが出来るのか、そもそも、かなり疑問があります。そうした外部線量を下げるメリットはあっても、それにより実効的な健康被害軽減が為せるのかという担保はありません。

それでも見かけだけでも、外部線量に依存して、除染という作業を日本政府は進めました。

こんなに予算を無駄に食いつぶすのであれば、汚染地から移動するほうが、お金の使い方としても、遥かに防御策としては有効であったと思います。しかし、そうした方策は採らなかったのが、日本政府、そして福島県の選択です。

その選択の間違いが、こうした除染基準の緩和に実は顕れています。個人線量に依拠すると言い出していることは完全な方便で、フィクションとしての外部線量軽減話も進めることができなくなったから、その話を突然止めることにしているだけです。

そして大新聞が、この除染基準の緩和を正しいかのごとく、新聞一面で喧伝する記事を僕は読みます。

「大政翼賛会」というのは、こんな感じだったのだろうなと痛感しているのです。


そしてこの福島県知事選挙の告示日は10/9になります。

原発事故後はじめての選挙になりますが、現時点で現職も含めて誰も立候補表明をしていない、異例の事態になっています。もう2ヵ月前です。

通常の選挙感覚から考えるとありえない話です。

こういう状態、真に責務を背負うとする人が、実は不在である福島の政界。与野党問わず、状態を変えようとする動きがおきにくい流れが続いています。

現職の佐藤雄平知事は、民主党のご意見番、渡部恒三氏の甥です。

渡部氏の秘書がながく、90年代に民主党系の議員として国会議員になった人。

そして民主党直系で、県知事を勝ち取った人です。

3.11.以降の民主党政権下で、福島県知事の意向が強く出た背景はこうした状況もあります。

本来は自民党政権は、対抗馬を擁立するべきでしょうが、滋賀県知事選挙の敗北、そして苦戦が想定される沖縄県知事選挙と重なって、福島県知事選挙に前のめりになりにくい構図です。

こういう場合に、現職は知名度で圧倒的に有利ですから、ぎりぎりの立候補表明でも間に合います。

おそらくそういう状態になる可能性が最も高いです。

しかし、この原発事故危機が続く福島で、何かの政治的意志をもって、立候補しようとする政治家の存在がないということが、被曝日本の無責任感覚の象徴でもあると思います。

だれも責任は負わない日本ですから。

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 三田医師と話します! 真夏の岡山開催!   

  【8/10(日) 三田医師&木下黄太 岡山 トーク「被曝影響と放射能防御」】

13時開場、13時半開演 きらめきプラザ (岡山市北区南方2丁目13-1) 

  申込&詳細⇒http://kokucheese.com/event/index/168805/

 

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横須賀で初開催!   

 【9/6日(土) 木下黄太 講演 IN 横須賀】 

  場所:横須賀文化会館 中ホール

  http://www.yokosuka-bunka.info/culture/bunka_about.html

 18時半受付/19時~ 21時半。

定員:100名 参加費:1000円(事前予約分のみ)/ 当日1,200円

※座席が必要なお子様は、大人と同一料金が必要です。

 ◆申込⇒miwaty20020415@gmail.com  
 
※お名前、連絡先、必要枚数(他の参加者名)、同伴されるお子様の有無をお書き下さい。 


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【9/7(日)『放射能汚染対策、基礎の基礎』 木下黄太講演 IN名古屋】

  福島第一原発事故から三年が経過した2014年の夏、改めて「放射能防御の基礎中の基礎」について、放射能防御プロジェクト立ち上げ人として最前線で活躍する木下黄太が語ります。 

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 問い合わせ  nagoyanonuke@gmail.com

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