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家計調査データを読む

生鮮果物の都道府県庁所在市別消費(購入数量、支出金額)と最近の消費の推移について

2016年10月16日 16時51分51秒 | 社会・経済

2016年3月11日に総務省統計局から、「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市および政令指定都市ランキング(平成25年(2013年)~平成27年(2015年)平均」が公表されました。
公表の目的は、どのような品目でどの程度の地域差があるのかを明らかにするために行われています。
例年、同調査の公表に合わせてこのブログでは、ビジュアル的に一目で地域差等が明らかになるよう、各都道府県庁所在市の購入数量及び支出金額から購入単価 (平均価格)を算出した上で、平均購入単価と各市の購入単価の差と、先の購入数量及び支出金額を一つのグラフ(3D効果付きバブルグラフ)上に表示してきました。
グラフは、X軸に購入数量、Y軸に支出金額とし、色付きのバブルは平均購入単価より高く、色無しのバブルは平均購入単価より安いことを表し、また、バブルの大きさは大きければ平均単価からの乖離が大きく、小さければ乖離が少ないことを表しています。
本年の公表分については、「穀類」「魚介類」「肉類」「乳卵類」「生鮮野菜」および「乾物・海藻」についての都道府県庁所在市別の消費(購入数量、支出金額)を既に見てきましたが、「果物」等の残りの品目についても見て行くこととします。
なお、作図の関係で政令指定都市は省略しました。

◇都道府県庁所在市別「生鮮果物」の消費(購入数量、支出金額)について

順位    都市名      数量(g)      金額(円)    購入単価(円/100g )
 1位    盛岡市      100,663     40,624     40.36
 2位    長野市        99,510     41,074     41.28
 3位    新潟市        98,215     39,933     40.66
 4位    秋田市        95,659     37,841     39.56
 5位    福島市        94,524     44,021     46.57
 …         …               …            …             …
43位    熊本市       68,579     26,774     39.04
44位    鹿児島市    68,259     28,148     41.24
45位    大阪市       67,995     29,502     43.39
46位    福岡市       65,118     27,924     42.88
47位    那覇市       60,080     29,704     49.44
           平均         81,078     34,914     43.19


(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます。以下のグラフについても同じです。)

生鮮果物にはりんごやみかんなどの国内産の果物の他に、グレープフルーツ、オレンジなどの輸入果物も含まれています。
したがって、色や形が異なっているほか、味や購入単価なども異なるものが「生鮮果物」として一括されていることに、留意が必要です。

生鮮果物の購入数量は、東北、信越地方で多く、また同地域はりんごなどの果物の主産地でもあります。
また、九州・沖縄地方では少ない傾向にあります。
盛岡市の購入数量は平均の1.24倍、最下位の那覇市の1.68倍となっています。
なお、特徴的なものとして、山形市と松山市を比べると、購入数量は88,392gと89,742g、支出金額は44,500円と33,058円、購入単価は50.34円/100gと36.84円/100gとなっていて、購入数量はほぼ同じですが、支出金額、購入単価が大きく異なっています。
山形市のある山形県で収穫量の多い果物は、りんご(全国第3位)、西洋梨(1位)、さくらんぼ(1位)、もも(5位)およびかき(9位)となっており、一方、松山市のある愛媛県で収穫量の多い果物は、いよかん(1位)、ポンカン(1位)、カワチバンカン(1位)、キウイフルーツ(1位)およびキヨミ(1位)とほとんどがかんきつ類となっています。
同じ生鮮果物と言っても、地方、地域で食べられている果物は、大きく異なっています。

◇最近の生鮮果物の消費の推移について

総務省統計局の家計調査支出データ項目(商品)の多くには、100世帯当たり購入頻度、支出金額、購入数量、平均価格および10,000世帯当たりの購入世帯数が掲載されています。
 100世帯当たり購入頻度は、100世帯が1ヶ月当たり何回購入したかの購入回数を表し、一方、10,000世帯当たりの購入世帯数は、文字通り10,000世帯の内、何世帯がその項目のものを購入したかを表しているので、百分比に置き換えることもできます。
すなわち、9,500世帯であれば95%の世帯、100世帯であれば10%の世帯が購入している購入世帯割合(普及率)ということであり、これを先の100世帯当たりの購入頻度を10,000世帯の購入頻度と置き換えて、この数値を10,000世帯当たりの購入世帯数で除せば、購入した世帯のみの購入頻度(実購入頻度)を算出することができます。
この実購入頻度を用いて、支出金額および購入数量を除せば、実際に購入した世帯のみの1回当りの支出金額および購入数量を算出することができます。
なお、購入単価(平均価格)は、原データの支出金額を購入数量で除しても、購入した世帯購入しなかった世帯をあわせて1回当りの支出金額を購入数量で除しても、また、実際に購入した世帯のみの1回当りの支出金額を購入数量で除しても、いずれの場合にも同じ購入単価になります。
このことから、実購入頻度、購入世帯のみの1回当りの支出金額、購入数量および購入単価ならびに購入世帯割合の推移を分析することで、ストレートに家計調査の数値を分析するよりは、1世帯当 たりの消費行動がわずかながら明らかになるのではないかと思われます。

◇生鮮果物の実購入頻度の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における生鮮果物の実購入頻度の推移は、2006年1月の8.0回/月から2009年4月の8.8回/月まで増加傾向で推移した後、2016年8月の8.4回までは緩やかな減少傾向での推移となっています。



分析期間における実購入頻度は、平均的には8.4回/月±0.2回/月と、1週間に2回程度の購入頻度となっています。

◇生鮮果物の購入1回当り購入数量の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における生鮮果物の購入1回当り購入数量の推移は、2006年1月の960g/回から2016年8月の760g/回とほぼ一貫した緩やかな減少傾向が続いています。



先にも述べたように生鮮果物には様々な種類の果物が含まれており、その組み合わせで購入重量も決まってくるので、一概にこの推移だけで購入数量は減少傾向にあるとは言えないのかもしれませんが、調査の集計世帯に偏りがないとすれば、少子化高齢化に伴って世帯当たりの購入数量は減少傾向にあるものと思われます。

◇生鮮果物の購入1回当り支出金額の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における生鮮果物の購入1回当り支出金額の推移は、2006年1月の370円/回から2013年2月の330円/回と緩やかな減少傾向で推移した後、2016年8月の370円/回までは緩やかな増加傾向での推移となっています。



支出金額の推移は、購入数量と次の購入単価の推移によって結果的に決まるもので、単独ではその推移を説明するのは不十分と思われます。

◇生鮮果物の購入単価の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における生鮮果物の購入単価の推移は、2006年1月の39円/100gから2007年1月の44円/100gまで値上がりした後、2009年12月の36円/100gまで値下がりしています。
2010年1月の37円/100gから2016年8月の50円/100gまではほぼ一貫した値上がり傾向での推移となっています。



先にも述べた通り、生鮮果物には様々な種類の果物も含まれており、説明した傾向通りの推移とはいい難い面があるものの、調査集計世帯に偏りがないとすれば、購入単価の推移は説明の通りと思われます。
最近の支出金額が増加傾向で推移しているのは、購入数量が減少する中にあっても、購入単価の値上がりがそれを上回っていることによるものと思われます。

◇生鮮果物の購入世帯割合の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における生鮮果物の購入世帯割合の推移は、2006年1月の94%から2009年6月の94%までは期間中減少する期間があるものの横ばい状態での推移となった後、2016年8月の92%までは、ほぼ一貫した減少傾向となっています。



購入世帯割合は、調査集計世帯のうち何世帯が購入したかを表す数値ですので、減少傾向での推移は巷間言われている「果物離れ」の傾向にあることを証明しているものと思われます。

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