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家計調査データを読む

勤労者世帯の家計収支の推移について(2017年第2四半期版)_その1

2017年08月09日 10時45分28秒 | 社会・経済

このブログで定期的に勤労者世帯の家計収支(バランス)について報告を行っているのは、2012年12月26日に発足した安倍政権が打ち出した経済政策(いわゆる三本の矢)による雇用拡大や所得の向上などが、どのように家計に浸透してくるかを追跡することを目的として、四半期に1度の割合で家計調査データを分析しその推移を見ることとしています。
直近では家計調査の2017年6月分速報が7月28日に公表されましたので、家計収支の推移を調査項目の数値を用いて分析を行ってみました。

下表は、家計調査報告-平成29年(2017年)6月分速報-に掲載された、勤労者世帯の収支内訳です。



収支の推移を見て行くため、上表の項目について2008年1月から2017年6月までの各月数値を米国センサス局の季節調整法X-13Arima-Seatsを用いて分析し、得られた「季節調整済」「傾向値」をグラフ化し、ビジュアル的に推移を掌握できるよう工夫してみました。

◇実収入の推移(勤労者世帯)について

実収入について「家計調査のしくみと見方」(総務省統計局、平成17年(2005年)11月発行)(以下「しくみと見方」という)には、次のように説明されています。
一般に言われる税込み収入で、世帯員全員の現金収入を合計したものです。
経常収入と特別収入から成り、経常収入には勤め先収入(世帯主収入、世帯主の配偶者の収入及び他の世帯員収入)、事業・内職収入、農林漁業収入、他の経常収入(財産収入、社会保障給付及び仕送り金)が含まれ、特別収入には受贈金及びその他の実収入が含まれます。
なお,給与などの銀行振込みについては、給与を現金でもらってすぐに預貯金したとみなし、金額を家計収入として計上し、その後、銀行などへ預け入れたとみなします。

分析期間(2008年1月から2017年6月)における実収入の推移は、2008年1月の529,000円からリーマン・ショックとその影響で2011年4月の506,900円まで減少傾向で推移し、その後、景気の回復基調に乗って5月の507,100円から2015年4月の529,700円までは増加基調で推移しています。
2015年5月の529,000円から2017年6月の525,300円までの間は、平均的には525,500円±2,000円(0.4%)と横ばい状態での推移となっています。

(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます。以下のグラフについても同じです。)

実収入は「家計調査報告-平成29年(2017年)6月分速報-」(以下「速報」という)では、4か月ぶりの実質増加と報告しています。
実収入の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2016年7月から2017年3月まで9か月連続で増加した後、4月から6月までは3か月連続で減少しています。
なお、対前月比では、2016年9月から2017年4月まで8か月連続で減少した後、5月、6月と増加しています。

◇世帯主収入の推移(勤労者世帯)について

分析期間における世帯主収入は、2008年1月の433,400円から2012年8月の408,200円までの間は減少傾向で推移した後、9月の408,300円から2017年6月の414,200円までの間は、期間中若干の増減は有るものの平均的には413,500円±3,000円(0.7%)と、ほぼ横ばい状態での推移となっています。



世帯主収入は「速報」では、3か月ぶりの実質増加と報告しています。
世帯主収入の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2015年7月から2016年5月まで11か月連続で減少した後、6月から2017年6月までは13か月連続で増加しています。
なお、対前月比では、2017年2月から5月まで4か月連続で減少した後、6月は増加となっています。

○定期収入の推移(勤労者世帯)について

分析期間における定期収入の推移は、2008年1月の365,200円から2011年2月の343,200円までの間は減少傾向で推移した後、3月の343,600円から2017年6月の347,800円の間は、期間中若干の増減はあるものの平均的には347,500円±2,400円(0.7%)とほぼ横ばい状態での推移となっています。



定期収入は「速報」では、6か月連続の実質減少と報告しています。
定期収入の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2015年8月から2016年9月まで14か月連続で減少した後、10月から2017年6月までは9か月連続で増加しています。
なお、対前月比では、2017年3月、4月は減少、5月、6月は増加となっています。

○臨時収入・賞与の推移(勤労者世帯)について

分析期間における臨時収入・賞与の推移は、2008年1月の77,400円から2012年5月の57,800円までの間は減少傾向で推移した後、6月の58,000円から2017年6月の71,800円までの間は増加傾向の推移となっています。



臨時収入・賞与の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2015年3月から2015年10月まで8か月連続で減少した後、11月から2017年6月までは20か月連続で増加しています。
なお、対前月比では、2016年7月から9月まで3か月連続で減少した後、10月から2017年6月まで9か月連続で増加となっています。

◇世帯主の配偶者の収入の推移(勤労者世帯)について

分析期間における世帯主の配偶者の収入の推移は、2008年1月の52,200円から2017年6月の60,200円までの間、数度の増減を繰り返しながら(最近は減少傾向となっているものの)増加傾向で推移しています。



世帯主の配偶者の収入は「速報」では、6か月連続の実質減少と報告しています。
世帯主の配偶者の収入の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2016年10月から12月まで3か月連続で増加した後、2017年1月から6月まで6か月連続で減少しています。
なお、対前月比では、2016年8月増加した後、9月から2016年6月まで10か月連続で減少となっています。

◇他の世帯員収入の推移(勤労者世帯)について

分析期間における他の世帯員収入の推移は、2008年1月の11,000円から2017年6月の8,500円までの間、期間中数度の増減を繰り返しながら減少傾向での推移となっています。



他の世帯員収入は「速報」では、2か月ぶりの実質減少と報告しています。
他の世帯員収入の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2016年5月から2017年3月まで11か月連続で増加した後、4月から6月まで3か月連続で減少しています。
なお、対前月比では、2016年11月から2017年4月まで連続6か月減少した後、5月、6月は増加となっています。

◇非消費支出の推移(勤労者世帯)について

分析期間における非消費支出の推移は、2008年1月の88,300円から2016年6月の98,600円まで、期間中若干の増減はあるもの増加傾向での推移となっています。



非消費支出の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2015年11月から2016年8月まで10か月連続で減少した後、9月から2017年6月まで10か月連続で増加しています。
なお、対前月比では、2015年5月から2016年1月まで連続9か月減少した後、2月から2017年6月まで17か月連続で増加となっています。

◇可処分所得の推移(勤労者世帯)について

可処分所得について「しくみと見方」には、次のように説明されています。
実収入から税金<社会保険料などの非消費支出を差し引いた額で、いわゆる手取り収入のことです。
これは、実収入のうち実際に消費や貯蓄に回すことができる(可処分)部分で、購買力の強さが測れます。
可処分所得=実収入-非消費支出

分析期間における可処分所得の推移は、2008年1月の441,400円から2011年6月の417,000円までの間は減少傾向で推移した後、7月の417,600円から2017年6月の430,200円までの間は、平均的には425,600円±3,200円(0.7%)とほぼ横ばいで推移しています。



可処分所得は「速報」では、4か月ぶりの実質増加と報告しています。
可処分所得の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2015年10月から2016年5月まで8か月連続で減少した後、6月から2017年6月まで13か月連続で増加しています。
なお、対前月比では、2016年10月から2017年1月まで連続4か月減少した後、2月から6月までは5か月連続で増加となっています。

◇消費支出の推移(勤労者世帯)について

分析期間における消費支出の推移は、2008年1月の324,600円から2017年6月の317,300円までの間、若干の増減は見られるものの平均的には316,000円±4,800円(1.5%)と緩やかな減少傾向となっています。



消費支出は「速報」では、2か月連続の実質増加と報告しています。
消費支出の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2015年9月から2016年12月まで16か月連続で減少した後、2017年1月から6月まで6か月連続で増加しています。
なお、対前月比では、2016年3月から7月までは5か月連続で減少した後、8月から2017年6月までは11か月連続で増加となっています。

◇平均消費性向の推移(勤労者世帯)について

平均消費性向について「しくみと見方」には、次のように説明されています。
可処分所得に対する消費支出の割合を平均消費性向といいます。
平均消費性向(%)=(消費支出÷可処分所得)×100

分析期間における平均消費性向(%)の推移は、2008年1月の78.00%から2017年6月の77.71%までの間、期間中若干の増減は有るものの平均的には78.00%±0.64%(0.8%)とほぼ横ばいで推移しています。

平均消費性向は「速報」では、季節調整値でみると74.1%で、前月に比べ4.7ポイントの低下となったと報告しています。
平均消費性向の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2016年3月から10月まで8か月連続で増加した後、11月から2017年6月まで8か月連続で減少しています。
なお、対前月比では、2016年6月から2017年2月までは9か月連続で減少した後、3月から6月までは4か月連続で増加となっています。

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