菜花亭日乗

菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。
散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc

2016/05/31  俳人 中嶋秀子 (その1)

2016-05-31 23:55:00 | (5)俳句


五月尽の例句

・五月尽旅はせずとも髪汚る

が気になった。
思い通りには行かなかった五月。
その思いを「髪汚る」という表現で抉って見せた。
女にとって気になる髪。
これが汚れるというのは、それと同等の得られるものがあって許される。
ただ汚れただけで済ませられる問題ではない。

作者の中嶋秀子氏について調べてみた。

『中嶋秀子 (なかじま ひでこ)

昭和11年(1936) 東京都生れ。 「響」主宰・「寒雷」

夫は俳人の故・川崎三郎。能村登四郎、加藤楸邨に師事。「寒雷」,「沖」同人。昭和61年「響」創刊。第43回現代俳句協会賞受賞。

句集:『陶の耳飾』『命かぎり』『待春』『アネモネ』『天仙果』『花響』『岸辺』『玉響』手毬花』ほか
』(俳句舎俳人名鑑)

現代の俳人だが、ベテランだ。
昭和11年生まれの79歳。
多感な10代を戦後の混乱期に過ごした女性の詩人、俳人はよく見える眼を持っている。
中島氏もその中の一人のようだ。

ネット上で見みることが出来る俳句を集めてみた。


・かたつむり黙って墓を守りをり
・こんにやくの四角三角初しぐれ
・さはさはと夏来るらし雨も又
・しだれ櫻観音堂を入れて咲く
・すぐ曇る姿見磨く敗戰日
・もろもろのしがらみ付けて太る牡蛎
・サルビヤの純粋迷ひごころ消ゆ
・プールサイドの鋭利な彼へ近づき行く
・三日月に添ふ春星の一しずく
・世は不況わたしは不興秋扇
・亀鳴くやうかうかと過ぐ五十代
・仏飯におほひかぶさる夏鴉
・何も無き冬空が生む鳥あまた
・冬紅葉はさみて句帳まだ白し
・初氷日はこはごはと空わたる
・呱々の声泰山木も一花挙ぐ
・塚ひとつ包むがごとくつつじ燃ゆ
・夜の秋鯉の動きのしきりなり
・夫の墓ほたるの墓となりて燃ゆ
・実ハマナス不法投棄の地に結ぶ
・寒紅を濃く引くおのが愚の始め
・引くといふ大事を胸に鶴ねむる
・抱きしめる仔猫芯までやはらかし
・春の宵銀座は奥のふかきとこ
・暑といふ字崩れて秋の蝶となる
・月へ行くバスが一台花野発
・木枯しの落ちゆく先に夫の墓
・桔梗にあいまいな色なかりけり
・梅雨の月皓々と雲寄せつけず
・母を追ふ父の流燈波くらふ
・水底を見て来し鳰の眞顔かな
・河骨の鈴をふるはす星揃ふ
・流燈となりても母の躓けり
・浮寝鳥流されさうで流されず
・煩悩か叡知か胡桃皺ふかむ
・男なら踏めとばかりに落椿
・町ねむり星と交信花八ツ手
・秋の風鈴聴きつつ自然死を願ふ
・秋彼岸過ぎていよいよ独りなり
・秋草に捨てられて鳴るオルゴール
・竹の秋ひと日師恩につつまれて
・箱庭の添景となる寺に住む
・約束の橋のたもとに苧殻焚く
・綿虫はほとけの匂ひ好きな虫
・葉のかげに杏ひとつぶ黄熟す
・虹からの郵便濡れて縁側に
・虹消えて石の仏の大き耳
・見えぬ枝夜空に張って花火消ゆ
・走馬燈まはればあの世めく一間
・金木犀これよりの日々矢の如し
・鉦叩ひかへめにして正確に
・雪催街青むまで鴉鳴く
・雲に身を食はるる月の美しき
・霊棚をたたみし跡にこぼれ米
・霜柱一本づつにこころざし
・青田行く新幹線は銀の針
・黒揚羽亡き人の魂のせて来よ
・乳房みな涙のかたち葛の花
・アネモネや来世も空は濃むらさき
・どつぷりとつかりてこその炬燵かな
・初写真山河翼を広ぐごと
・千草枯る音にも傾く能舞台
・湖岸打つ波音その夜炉を開く
・煖房の寺出て町へ菓子買ひに
・この村の深息に似て蕎麦の花
・長十郎この重たさが友の情
・祝宴のまづほろにがき菊膾
・水盤の水に泳がす金魚草
・デイゴ咲き口中赤き魔除獅子
・タオルの紺泳ぎし体固く閉づ
・口中に紫蘇の実一つ夜の厨
・花たばこやさしき空の見えはじむ
・川開き音だけ聞いて寺守る
・昨日今日浅間は見えず芹の花
・風の金雀枝あやふし吾子の歩み初め
・豆の花終始伏目の空があり
・洗はれてガラスのごとき三葉芹
・裏白の渇きに触れし夜の指
・唐辛子溂としていびつなり
・ふれあひて水引草も世も淡し
・爪をきる茗荷の花のしづけさに
・草の市ちちははの為夫の為
・えぞにうの花錆はじむ阿寒湖畔
・花韮のはかなきまでに白き日々
・ひと息ひと息彼岸桜の開きゆく
・まぼろしの夫の背めがけ雪礫
・初旅やまだ着こなせぬ母の衣
・龍跳ねて金粉散らす賀状かな
・母と我の座がかはりをり初明り
・編み残す去年の毛糸のけぶりをり
・身籠りて冬木ことごとく眩し
・冬薔薇はじめの一ひらほぐれ難し
・スケーターワルツ氷上の傷すぐ潤ふ
・焚火跡役解かれたる釘のこる
・セーターの黒い弾力親不孝
・竹はねて一瞬金の雪舞へり
・寒風に顔ちぢまりて吾子戻る
・豆腐同型もつとも寒き日と思ふ
・除夜の厨常の日のごと束子置く
・失ひし画鋲どこかで越年す
・秋草を活けて若さのきはに立つ
・幸せも木の実も一つづつゆずる
・蜩の訴へてきし声もやむ
・マヌカンとすでに相思の燕去る
・火の色に恥甦る霧の中
・やはらかく心耕せいわし雲
・メロンから拡がる夜の白い漁網
・膝の上京菓子となる若楓
・誰もが箸使ひはじめて葭雀
・籐椅子に海荒るる日の衿きよし
・母と子の胸をへだててかき氷
・誰か射つ予感に白いハンカチたまる
・未婚なり掌をついて濁す泉の底
・かわききる海苔に残れる空の傷
・雨二日杉菜に厚みくははりぬ
・桃の花咲き満ちて木は香も立てず
・人の死に人が集まる夜の辛夷
・花の夜鍋を落しておどろきぬ
・ひと息ひと息彼岸桜の開きゆく
・木の桶がからつと乾き蜂通る


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2016/05/31  俳人 中嶋秀子 (その2)

2016-05-31 23:50:00 | (5)俳句


 

・若き日は手紙もいのち桜貝
・母枯れゆく跳べるかたちに足袋ぬいで
・にちりんに牡丹摘む音ひびきけり
・昼寝子に風のかたみの貝一ひら
・遺されし母子みづいろ盆灯籠
・冬牡丹命終の水吐きにけり
・手に落葉この世のものでなきかろさ
・枯山に一夜ねむりて血を濃くす
・乳房わたすも命渡さず鵙高音
・臥して謝すことことごとく露となる
・海市消え買物籠の中に貝
・真白な皿に一本唐辛子
・箱眼鏡在るはずもなき夫さがす
・プールサイドの鋭利な彼へ近づき行く
・世をみつむものの一つに龍の玉
・為すことを為して悔あり十二月
・つかはざる扇の中の月日かな
・どんぐりの落ちかねてゐる水の照り
・葛飾の夕日が好きで残る鴨
・バレンタインデー髪白くなるそれも良し
・雲急ぎみな沖を指す爽やかに
・来世また君に逢はむと踊り抜く
・吾亦紅花を秘すこと五十年
・秋の蝶風といふ字を散りばめて
・足裏に秋の白さを集め臥す
・五月尽旅はせずとも髪汚る
・施餓鬼棚たたまれし跡かるく掃く
・月仰ぐいま青春の二人子と
・花八ッ手生涯母は紅ささず
・野遊びのつづきの二人松に入る
・六地蔵ひとり戻らぬ花おぼろ
・坐してすぐ燈籠の灯に染まりけり
・髪洗ふ生地にしかと足着けて
・昼顔のゆるりとからむ箒の柄
・本当の越のいろ出す坐禅草
・耐へぬきし女明るし雪椿
・八海山指を濡らして土筆摘む
・風花や夫の棺の出でし門
・冴返り冴返りつつ逝く昭和
・誰もとらぬ一句そこより柚子匂ふ
・雪割草佐渡がもつとも純なとき
・一生の今といふ刻初明り
・八ッ手咲きこの世ひととき華やぐか
・冬波の引き忘れたる毬ひとつ
・風つよしそれより強し秋桜
・鳥雲に入りて小さき寺残る
・てのひらにひとひらの貝初ひかり
・梅漬けて気をとり直すことも又
・月の出を待つ白鳥の羽づくろひ
・一人来て一人去る島石蕗明り
・白鳥来佐渡の山脈聳ちて
・花八ッ手星またたけば少し散り
・いちじくの大き落葉が墓を打つ
・また道に迷ふ夢見て夜の長し
・十月は鵙も俳句も響きけり
・選びし径ひとすぢの径草紅葉
・焼海胆の刺ぱらぱらと白き皿
・島に古る足踏みミシン緑差す
・水晶の念珠ふれたる昼寝覚め
・夫の死で止る思ひ出走馬燈
・落葉降るさなか天麩羅匂ひけり
・てのひらに風あるごとし雛あられ
・鵙日和恥ぢつつ一誌師に捧ぐ
・桐咲いて匂袋の古りにけり
・蔓のびる村の昼寝のふかさだけ
・十薬の白さ肌には宥さぬ白
・球根を植う生涯の悔も植う
・筆の先双つにわれて秋初
・藤房のゆれて硝子の音立てぬ
・鴎外の文体で立つ冬木かな
・待春か耐寒か石しづかにて
・シャボン玉幸福といふ薄造り
・竹伐つて一燈涼を呼ぶごとし
・耳掻の綿毛の恍と年を越す
・秋風や亡き人に問ふことばかり
・血の凍る思ひいくたび走馬燈
・忌明け後のひとりに余る髪洗ふ
・病み克ちし身に殷々と除夜の鐘
・蝶も哭け石塔も哭け棺着く
・看とるとは見守ることか花すみれ
・一句一恨とはわがすさび更衣
・一句一恨百苦同根春の巌
・小鳥来るほとけの数に足らざるも
・猫と語る楸邨の声梅雨ふかし
・白玉を掬ひて翳もすくひけり
・鳥雲に入りて急がず一人の歩
・延命を願はぬ日あり落葉焚く
・水鳥の世へ水鳥のすつと入る
・青涼の風のかたちの見舞籠
・ブランコを漕ぎてこの世を逃れ得ず
・ははきぎも草の真をつらぬけり
・手術日を告げ涼風と医師去りぬ
・癌を病み父母なきを謝す秋の暮
・蝉しぐれ遺書は枕の下にあり
・六角堂の一柱に倚る夏帽子
・水引草すつと引きたる母の糸
・白地着てあたりにふやす草の丈
・わが胸に来しつばくろは癌の使者
・梅日和母生き過ぎて忘られて
・ゆたんぽのぬくもり残し母逝けり
・遠い木は母来給ふ木花こぶし
・母と子の胸をへだてて花氷
・一本の茶杓が緊める冬景色
・鶏頭に手を入れて知る血の重さ
・夕冷えの終の光の絮も消ゆ
・コスモスも切符の色も淡き旅
・秋草を握りて土にかへる壷
・水中の豆腐にひびく花曇り
・雪の午後保母の匂ひの吾子戻る
・身辺に必死の蟻のふえてをり
・泣くまじとゆがみしままの柚子のかほ
・美しき虚のもりあがりかき氷
・日は雲の中にてすすみ罌粟散れり
・一月の雲と語れる古箒
・野分の夜産湯の中にガーゼ流れ
・食器冷え眩暈のごとく鴎ふゆ
・茶筅の先雪降る音を感じて止む
・吾子の前風が忘れし青林檎
・敏き子と夫待ち夕靄に包まれゆく
・夜は孔雀拡がるごとし足袋はくとき
・プールサイドの鋭利な彼へ近づき行く
・麦刈つて燈台の根を地に残す
・虹立つと呼ぶ七人の子供欲し
・月光に髪結ひ上げて翡翆欲し
・我に残る若さ焼ソバ汗して喰ふ
・闇にただよふ菊の香三十路近づきくる
・黄落をあび黒猫もまた去れり


中嶋秀子氏の眼に見えているもの。
心に映っているもの。
それぞれが明瞭に見え、感じられ、聞こえてくる。
親しく近づきたい俳人だが、少し怖そうでもある。



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2016/05/31  日記  五月尽

2016-05-31 20:33:23 | (2)日記

2016/05/31(火)旧暦: 425日 祝日・節気: 日出:426分 日没:1850分 月出:057分 月没:1309分 月齢:24.31 干支:癸丑 六曜:仏滅 九星:八白土星

今日の季語: 五月尽

clip_image002
(京都・光明寺
そうだった、京都に行こう(京都写真集)
http://ameblo.jp/musickyoto-soul/entry-10922648839.html
より転載)



『五月尽
読み方:ゴガツジン(gogatsujin)

五月が終ること

季節

分類 時候』
(季語・季題辞典)


五月尽の俳句:



・五月尽旅はせずとも髪汚る 中嶋秀子




ぐずついた天気が続いた。
月末最後の日になり、太陽が顔を出した。

花が終わった後、五月は新緑と風の季節。
高原は言うに及ばず、観光地でも新緑は美しい。
手入れが行われている京都の紅葉の名所は楓の新緑も美しい。

五月は、自然に促されて旅する季節でもある。
ゴールデンウイークには、熊本の被災地を気にしながら、海外旅行、国内旅行に出た人も多かった。

そんな五月を詠む句は明るい色調を帯びるはずだ。
読んでいると、ちょっと色調の異なる句があった。
中嶋は旅のなかった五月尽に髪の汚れを意識した。

なぜ旅に出られなかったのかは判らない。
旅に行きたかったことは確かだ。
日本では、髪は女の命と言われてきた。
旅にも出られなかった五月が終わる時、髪だけは汚れていいる。

この嘆きは深く、悲しい。




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2016/05/30  殺人熊と言う存在

2016-05-30 23:35:00 | (16)時事・世相


人が熊に襲われて殺されるということは記憶に無い。
北海道でヒグマが村を襲い全滅した事件は語り継がれる歴史になっていた。

ところが、つい最近秋田県で男性3人が死亡、女性一人が襲われたが息子が熊と戦い追い返したため助かった。
これは、ヒグマではなく月の輪熊だから助かったので、ヒグマなら殺されていただろう。

熊が人里に降りてくる理由は、どんぐりなどの食料の不作が原因であると数年前には言われた。
今年は理由が変わっている。昨年はどんぐりが大豊作で、栄養十分な雌熊が沢山の子熊を出産したからだと言われている。

原因はともかく、人を怖がらず人里に降りてくる熊を、新世代熊というそうだ。
母熊から人間は熊を襲わないから安全だと教わって育てられた熊が新世代熊だ。

熊が人を襲い殺すようになった原因は、人間の側にある。
人間は安全だから怖くないからだ。
鈴の音や爆竹では駄目で、銃で本当に殺されそうになる経験を熊に合わせることが必要だ。

動物愛護は、家庭用のペットに対しては当然のことだが、殺人熊という存在に対しては、人間の命を守るためにはあらゆる手段を取ることについての、人間側の同意が必要になる。

県民が3人も殺されている状況を目の辺りにして、行政はどう考えているのだろう。


『また殺人熊が出没か? 78歳女性けが 秋田・鹿角市 現場付近で2人死亡、1人行方不明の異常事態
05
29 16:54産経新聞

29日午前8時50分ごろ、秋田県鹿角市十和田大湯田代平の山中にいた男性から「熊が出たという叫び声を聞いた」と110番通報があった。

鹿角署によると、息子とタケノコ採りをしていた青森県新郷村戸来上栃棚前、無職、村井ツマさん(78)が熊に尻をかまれて軽傷を負った。村井さんはかまれた後、熊の頭を蹴って逃げたという。

現場付近では21日から22日にかけてタケノコ採りの79歳と78歳の男性が熊に襲われて死亡したほか、25日には65歳の男性が行方不明になっており、同署が注意を呼び掛けていた。

また、秋田県五城目町内川浅見内小川口の田んぼでも29日午後2時20分ごろ、田植えをしていた近くに住む無職、畑沢弘子さん(78)が熊に襲われ、頭や手にけがをした。




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2016/05/30  日記  走り梅雨

2016-05-30 21:06:22 | (2)日記

2016/05/30(月)旧暦: 424日 祝日・節気: 日出:427分 日没:1850分 月出:019分 月没:1204分 月齢:23.31 干支:壬子 六曜:先負 九星:七赤金星

今日の季語: 走り梅雨

「雨のさつき2016.5.29」

https://youtu.be/Bqh3I5wGca4



『走り梅雨とは?
5月中旬から下旬にかけて、まるで梅雨を思わせるような、ぐずついた天気となる時がありますが、これを走り梅雨と言います。
通常はその後しばらく晴天が続いたあと、本格的な梅雨に入りますが、年によっては走り梅雨が長引いて、そのまま梅雨入りすることもあります。』
(お天気.com



走り梅雨の俳句:



・火の山の雲隠れして走り梅雨  木原紀幸



・雨垂れの不協和音や走り梅雨  笹井康夫



・江戸の粋残る坂の名走り梅雨  門伝史会




お天気が、はっきりしない。
お日様が出ない。
NHK
の天気予報が当たらない。

被災地の九州も雨が続いている。
木原の句はいつの年か分からないが、今年の阿蘇も雲隠れしているばかりだろう。

今年は夏が早いという、そして猛暑だともいう。
手順を踏まないまま勝手に進んでいるようだ。

世の中も、消費税の延期、公私混同の都知事や、参議院選や同日選挙が渾然となって、不協和音を発散している。
走り梅雨は、気が晴れない、滅入りがちな季節だ。



・置き去りの子供は何処に走り梅雨




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2016/05/29 日記  アカシア、ニセアカシア

2016-05-29 21:40:16 | (2)日記

2016/05/29(日)旧暦: 423日 祝日・節気:下弦 日出:427分 日没:1849分 月出:---- 月没:1101分 月齢:22.31 干支:辛亥 六曜:友引 九星:六白金星

今日の季語: アカシア、ニセアカシア


clip_image002
アカシアの花(Wikipedia

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(ニセアカシア

季節の木
http://www.plant.kjmt.jp/tree/kigi/nise.htm
より転載)



『アカシアの花: 針槐、ニセアカシア
初夏
一般にアカシアの花といわれているのは、ニセアカシア、和名針槐のこと。マメ科の落葉高木で、初夏、蝶形の白い花を房状につける。枝から垂れ下がった房状の花は、芳香を放つ。』
(季語と歳時記)



アカシアの俳句:



・花アカシア降る道庁の赤煉瓦 柚口



・アカシアの花こぼれつつ雨となる  増田久子



・アカシアの花に雨降る港町  川島澄子




ややこしい話だが、アカシアとして句に詠まれているのは、ニセアカシアで、アカシアはミモザと呼ばれることが多いようだ。

『ニセアカシアとアカシア
明治期に日本に輸入された当初は、このニセアカシアをアカシアと呼んでいた。後に本来のアカシア(ネムノキ亜科アカシア属)の仲間が日本に輸入されるようになり、区別するためにニセアカシアと呼ぶようになった。しかし、今でも混同されることが多い。本来のアカシアの花は放射相称の形状で黄色く、ニセアカシアの白い蝶形花とは全く異なる。

下記はすべてニセアカシアとされる。

   
札幌のアカシア並木
   
札幌松坂屋開店時のキャッチコピー「アカシアの花白くいま開く松坂屋」
   
アカシア蜂蜜として売られているもの
   
西田佐知子のヒット曲「アカシアの雨がやむとき」に歌われる「アカシア」
   
石原裕次郎のヒット曲「赤いハンカチ」に歌われる「アカシアの花」
   
北原白秋の「この道」に歌われる「あかしやの花」
   
清岡卓行の小説「アカシヤの大連」[11]で知られる中国の大連市を代表する樹木
   
松任谷由実の「acacia[アカシア]」(2000年代)
   
レミオロメンの「アカシア」
』(Wikipedia


句に詠む以上は、ニセアカシアでは情緒が出ない。

はやり、アカシアで詠みたい。



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2016/05/28  日記  卯の花

2016-05-28 21:58:52 | (2)日記

2016/05/28(土)旧暦: 422日 祝日・節気: 日出:428分 日没:1848分 月出:2340分 月没:959分 月齢:21.31 干支:庚戌 六曜:先勝 九星:五黄土星

今日の季語:卯の花

 
(先代の独り言
http://blog.livedoor.jp/sendai94/archives/50969028.html
より転載)



『卯の花(うのはな) 初夏
子季語: 空木の花、花卯木、初卯の花、卯の花月夜、卯の花垣
関連季語: 箱根空木の花、卯の花腐し
解説: 空木の花のこと。開花は五月中旬~六月頃。白く清々しい花を咲かせる。古歌には月光のようとも雪のようとも詠われる。旧暦四月(卯月)ころ咲くことからこの名がある。茎が空洞なので空木(うつぎ)ともいう。「夏は来ぬ」の唱歌にも歌われているように、夏の訪れを感じさせる花である。
来歴:             『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
文学での言及: 卯の花の過ぎば惜しみか霍公鳥雨間も置かずこゆ鳴きわたる 大伴家持『万葉集』
ほととぎす我とはなしに卯の花のうき世の中になきわたるらむ 凡河内躬恒『続古今集』
夕月夜ほのめく影も卯の花のさけるわたりはさやけかりけり 藤原実房『千載集』
実証的見解: ウツギはユキノシタ科ウツギ属の落葉低木。本州、四国、九州などの山地に自生し、生垣などにも利用される。よく枝分かれし、高さは二メートルくらいになる。卵形の葉は対生
し、縁に鋸歯をもつ。五月から六月にかけて、円錐花序を多くのばし白い小花を多数つける。』
(季語と歳時記)



卯の花の俳句:


・卯の花の雨に煙りし奥秩父  上石哲男


・卯の花と見定め得たり引返す  隅田恵子


・くらがりに水飲む卯の花月夜かな  武井美代子




卯の花は白く、数多くの花が咲き乱れる。
闇の中でも白い卯の花は目に留まる。
おやと気がつく出会いが卯の花にはある。

人工的な光に満ち溢れた現代は、卯の花の白さに対する感受性が鈍い。暗ければ照明で照らせば良いのだから。
古の日本人は、暗さの中で卯の花の白を見た。
暗さの中にあってこそ卯の花は白い。

闇のある世界で月の光に照らされた卯の花は白い。

そんな夜を卯の花月夜と名づけて愛した。




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2016/05/27  日記  玉葱

2016-05-27 20:39:52 | (2)日記

2016/05/27(金)旧暦: 421日 祝日・節気: 日出:428分 日没:1848分 月出:2259分 月没:859分 月齢:20.31 干支:己酉 六曜:赤口 九星:四緑木星

今日の季語: 玉葱

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(びお
http://www.bionet.jp/2015/03/tamanegi/
より転載)



『玉葱: 葱頭
三夏
中央アジア原産。春蒔、秋蒔した苗を畑に植えて夏に収穫することが多い。明治初年に渡来し、西洋料理、肉料理の普及により、一般の家庭に大いに利用されている。』
(季語と歳時記)



玉葱の俳句:



・新玉葱ふり分けにして軒に吊る  笠嶋陽子



・新玉葱肌白じろと売られをり  木村迪子



・さくさくと新玉葱の朝餉かな  須賀敏子




新玉葱が店頭に多く並べられている。
一個売だったものが袋詰で売られている。

新玉葱は甘くて美味しい。
煮たり炒めたりも美味しいのだが、新玉葱はスライスして生を食べるのが季節感があって良い。

醤油に鰹節、胡麻ドレッシング、ツナ・マヨネーズどんなものと和えても玉葱のフレッシュな甘さを楽しむことが出来る。

血液サラサラになれそうだし、伸び盛りの生命を頂いて元気になれそうだし、新玉葱を生でいただこう。




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2016/05/26  日記  白鷺

2016-05-26 20:45:28 | (2)日記

2016/05/26(木)旧暦: 420日 祝日・節気: 日出:428分 日没:1847分 月出:2216分 月没:802分 月齢:19.31 干支:戊申 六曜:大安 九星:三碧木星

今日の季語: 白鷺

「田植えと白鷺(1)」

https://youtu.be/OlbZQMkBhbM



『白鷺
三夏
              .
サギ科シラサギ属の総称。大鷺、中鷺、小鷺がいて、大鷺と中鷺は秋に南方へ去る渡り鳥である。小鷺は留鳥として冬も残る。浅瀬に入って立つ姿が印象的だが、飛ぶ姿も優雅である。』
(季語と歳時記)



白鷺の俳句:



・白鷺のはるかな白に居りにけり 不破



・見てゐたる田の白鷺の二羽となる 深谷雄大



・白鷺がとび立つ水を窪ませて 紀代




郊外を走ると、風景が変わった。
耕された田に水が、次々と張られ、代田に変わっていた。

代田に眼をやっていると、白いものが目に入った。
白鷺だった。
目立つ白は、身を守るには適当ではないように思えるが、危険より美しさの方が白鷺は、大事なのだろう。

この辺りにはまだ白鷺がやって来る。
こちらが気づかない内に、白鷺はちゃんと水が張られたことを知っていて、予定通りやってくる。

代田の中を歩いているのだが、もう水の中にはあわてんぼうの獲物がいるのだろうか?




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2016/05/25  日記  代田

2016-05-25 21:12:35 | (2)日記

2016/05/25(水)旧暦: 419日 祝日・節気: 日出:429分 日没:1846分 月出:2130分 月没:708分 月齢:18.31 干支:丁未 六曜:仏滅 九星:二黒土星

今日の季語: 代田

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(老いも若きも楽しく暮らせるコミュニティへ・・・日野市三井台南窓会(老人クラブ)のブログ
http://blog.canpan.info/nsk/
より転載)



『代田(しろた)
水を張って田植えの準備のととのった田。田植え前の田。 [季] 夏。』
(三省堂大辞林)



代田の俳句:



・近江いま代田の水に浮びけり  市村健夫



・遠つ嶺の映りて澄める代田かな  大橋伊佐子



・堰いくつ越えきて今日の代田水  茂木なつ



・橋一つ越えれば代田ばかりなる  中野匡子



・月うつる本番を待つ代田かな  霜嵜恵美子




郊外を走ると、景色が変わっていた。
水田に水が引かれ、代田ばかりた。

つい先ごろ耕運機が土を耕していた記憶だが、時は速い。
沖縄はもう梅雨入りだというし、九州南部も来週には梅雨入りとの予報も出ている。

水が張られた代田は、水以外は何もない。
準備された水面には、これから始まる夏の狂宴の緊張感が漂っている。

これから田植えが行われ、蝦蟇が鳴き、稲が空を目指し伸び上がる。狂おしい夏の暑さの中、猛烈に稔を目指して駆け抜ける。
日々刻々と演じられる劇は、古くて新しい1回限りの劇だ。

霜嵜言うように、代田は本番の幕開きを告げている。




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2016/05/24  日記  あいの風

2016-05-24 21:52:06 | (2)日記

2016/05/24(火)旧暦: 418日 祝日・節気: 日出:430分 日没:1846分 月出:2041分 月没:618分 月齢:17.31 干支:丙午 六曜:先負 九星:一白水星

今日の季語: あいの風

「北前船、悠々と展帆航行」

https://youtu.be/BCZzxWsPwkU



『あいの風: あえの風、あい
三夏
四月から八月ごろ、日本海沿岸に吹く北または東からの風のこと。
大伴家持の歌に、東風(あゆのかぜ)として詠われている。』
(季語と歳時記)



あえの風の俳句:



・箱詰にされし烏賊鳴くあいの風  水原春郎



・口中に砂のざらつくあいの風  内山芳子



・一斉に帆をくる男あいの風  石塚ユリ





あいの風という季語は知らなかった。
日本海側で使われる言葉だそうだが、新潟に住んだことがあるが聞いたことがない。海の関係者でなければ使わないのだろうか。

あいの風は、藍の風と書いたりすればロマンチックになるが、漢字では東風と書くそうだ。
東風(こち)は春に吹く風だが、東風(あいのかぜ)は初夏から夏に吹く風だ。


例句でも、あいの風はロマンチックなものではなく、悲鳴だったり、違和感だったり、立ち向かうべきものであったりしている。
決して、優しく癒やしてくれる風ではなく、現実の厳しさと立ち向かうべき雄々しさを奮い立たせる風のようだ。

ニュースでは、NASAが今年は今までにない暑い夏になると予想していると報道している。

辛い自然現象は、地震だけで十分なのだから、灼熱地獄は来ないで欲しい。



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2016/05/23  日記  夏の月

2016-05-23 20:11:22 | (2)日記

2016/05/23(月)旧暦: 417日 祝日・節気: 日出:430分 日没:1845分 月出:1950分 月没:532分 月齢:16.31 干支:乙巳 六曜:友引 九星:九紫火星

今日の季語: 夏の月

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(鞍馬寺 五月満月祭
日本のパワースポット
http://power-spots.jp/Wesak/
より転載)


『夏の月 : 月涼し
三夏
夏の夜といっても暑苦さに変りはないが、古来より暑い昼が去って、夏の夜空に煌々と輝く月に涼しさを感じるというのが本意である。』
(季語と歳時記)



夏の月の俳句:



・更くる夜を雲遊ばせて夏の月   青木陽子



・いつまでも楽しき思ひ夏の月  水田清子



・夏の月あびて近くのポストまで  橋場千舟



・夏の月さよなら勝ちよタイガース  西村咲子



・夏の月シャネルの枕匂ひけり  岸田爾子




昨日は、5月の満月だった。
宗教的には、エネルギーに満ちた月だそうだ。

京都の鞍馬寺では、五月満月祭(ウエサク祭)が21日(土)に開催された。

「五月満月祭 5月の満月の夜>
新緑の五月の満月の夜は、全てのものの目覚めのために天界から強いエネルギーが降り注ぐと言われ、満月に清水を供える五月満月の秘儀が鞍馬山で執り行われていました。遥かヒマラヤでもこの夜に釈尊の徳を讃えてウエサクの祭りが敬虔に営まれている事がわかり、戦後、五月満月の秘儀を「ウエサクさい」  とよんで広く公開し、全ての目覚めと平安を祈ります。」

(鞍馬寺)

夏の夜の月は、春や秋の月とは違う。
寝るには惜しい月。
まだ何か残されている月だ。

俳人たちも、それぞれ弾けた夜を月の光に導かれながら過ごしている。




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2016/05/22  第311回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その1)

2016-05-22 23:58:00 |     季節の美味しさと日本酒を


久し振りの岐阜酒の中島屋さんの「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」に参加した。
3月までは時間の自由がなく、特に土・日は殆ど自由がなかった。従って、お酒のイベントにも出られなかった。

今回は、日曜日の昼からの宴会で欠かすことが出来ない企画だ。
しかし、気づくのが遅くなり、申し込んだ時は満席になっていた。残念だが已むを得ない。キャンセル待ちでお願いしたが、人気の酒の会、常連が参加しており、会場も18名程度なので参加は諦めていた。

ところが、20日の朝電話があり、キャンセルが出たとのことで、急遽参加できることになった。
(後で、お聞きすると、sake nagoyaでお世話になっているA ご夫妻の奥様が都合が悪くなり欠席されることになった席が小生に回ってきたとのこと、これもお酒のご縁というもの、感謝の他はない。)

欣喜雀躍、勇躍、岐阜駅に到着、信長公に拝謁を終えれば、只管会場へ歩くばかりだ。


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御瑠草は、初めての店だ。
オルソウとは、イタリア語で熊だそうだ。

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なんでも、店の大将が熊のような風貌で豪快な人で、そのような店名にしたとのこと。

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ところが、料理はイタメシではなく、和風の居酒屋の粧いだ。
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三千盛の菰樽が店頭にあり、良い雰囲気だ。


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店内に入り受付を済ませれば、後は開始を待つばかり。
店は左がカウンター席、奥がテーブル席になっている。
手前のテーブル席に座る事になった。



この会は、中島屋店主のシナリオにそって、各コーナーが設けられ、コーナーごとにテーマの酒が登場することになっている。
受付時に渡される「利き酒メモ」にコーナーと出品酒一覧を見る時、どのような趣向なのか心が弾む。

今日は、瑞浪の蔵元ご夫妻が参加されており、乾杯酒から若葉の銘酒にスポットが当てられている。

定刻の1時になり、中島屋店主の挨拶の後、乾杯して宴が始まった。


【今日の出品酒】
以下、利き酒の印象を記載するが、個人の嗜好によるもので元より客観性はない事を申し上げておきたい。

<乾杯酒>
1) 若葉 夏の純米 生原酒 27BY 若葉(株) (岐阜)
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酒米は、朝日の夢と飛騨誉、60%精米。
爽やかな甘い香り。甘い入り口。トロリとした舌触り、滑らかでスピード感のある広がりの中にハードな感じもある。中の方に辛味が詰まっている。後半渋味の押しがある。中盤の膨らみと滑らかさに特徴がある。夏の酒だが軽い酒ではない、味の厚みもあり。度数も1718度なので飲み応えもある。


<『若葉』の逸品>
2) 若葉 おおいばり 特別純米 生原酒 27BY 若葉(株) (岐阜)
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酒米は五百万石、60%精米。
立香はあまり感じない。甘いトロリとした入り口。滑らかな舌触り、透明な膨らみが長く続く。後半渋味の押しがある。(1)に似ている世界だが、(1)の方がフレッシュさと香りがあり生らしさが強い。


3) 若葉 特別純米 若葉(株) (岐阜)
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酒米は五百万石、60%精米。
仄かな甘い香り。トロリとした舌触り。滑らかさを感じる。(1),(2)に比べ軽い舌触り。酸の膨らみは早く終る、早く終る分だけ相対的に淋しさがある。この差は度数が1516度と1度低いので相対的な関係と言える。


4) 若葉 純米吟醸 若葉(株) (岐阜)
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酒米は雄町、50%精米。銘柄名は純米吟醸となっているがスペック的には純米大吟醸である。
立香は仄かに甘く、穏やかなもの。甘い入り口トロリとした舌触り。透明な膨らみがゆったり感を感じさせる。広範囲掛けてトロリ、滑らかさが続く。後口は苦味系だが浮かず締めている。吟醸酒らしい味の展開で快い。


5) 若葉 大吟醸 三年蔵囲い 秘蔵酒 若葉(株) (岐阜)
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酒米は山田錦、45%精米。
立香はあまり感じないが、仄かに甘い。甘い入り口、酸は滑らか、だが膨らみは大きくなく小さめ。中の方に渋味を感じる。3年熟成だが、まだ固い感じ、この酒のベストチューニングはもう少し先のように感じられる。5年位囲っても確りとした味わいを考えれば大丈夫だろう。


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2016/05/22  第311回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その2)

2016-05-22 23:50:00 |     季節の美味しさと日本酒を



<純米酒 飲み比べ>
6) 千代菊 純米吟醸 無濾過原酒 う 千代菊(株) (岐阜)
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酒米は夢山水、55%精米。度数16度。
立香は甘い吟香。甘い入り口。酸の膨らみは大きくなく透明感を感じさせるもの。辛味が早く来る。含み香が少しシャビつく感じがある。後口の切れはもうひとつ。


7) 鯨波 純米吟醸 袋吊り 生 恵那醸造 (岐阜)
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酒米は飛騨誉、50%精米。スペック的には純米大吟醸。
立香は明確な吟醸香。甘い入り口、トロリとしている。膨らみを感じる。酸の広がりはあるが長くは続かない。後半苦味・渋味を感じるが気になる程ではなく、吟醸酒の味の展開に収まっている。若葉の純米吟醸と同じような印象で比較の対象になる。


8) 墨廼江 純米吟醸 雄町 墨廼江酒造 (宮城)
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酒米は雄町、55%精米。
立香は仄かな吟香。辛味のある入口。酸は膨らまず、中に集まる印象。辛味が中心にある味わい。後半広がらない。全体として固さを感じる味わい、雄町らしいといえばいえる。ステーキとかどて煮とかこってりとしたものに合うかもしれない。


9) ゆきの美人 純米吟醸 山田錦 秋田醸造 (秋田)
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山田錦、50%精米、スペックは純米大吟醸。
立香は仄かな吟香。シュワシュワの発泡感を感じさせる味わいがあり、酸の膨らみがあるが、発泡感の爽やかさが切れの良さを演出する。後口も良い。


10) 東一 純米吟醸 山田錦 五町田酒造 (佐賀)
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山田錦、49%。純米大吟醸のスペックだが、これも純米吟醸の表示。
甘い立ち香。甘い入り口。酸は膨らみがありフルーティーなもの。微かな発泡感の名残のようなものを感じる。辛味の後、苦味・渋味と展開するが浮くものではなく気にならない。


11) 奥能登の白菊 純米 熟成酒 白藤酒造店 (石川)
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石川門と五百万石、60%精米。5年熟成酒。H284月詰。
立香は老香。甘い入り口。酸は膨らむ、甘さもある。含み香にも老香が続く。後半、渋味も浮く。後口、残香にも老香を感じる。豚肉と新じゃがの煮物の濃い目のタレに合わせてみたが老香は消せなかった。燗をつけるしかなさそうだ。



<大吟醸の逸品>
12) 初緑 大吟醸 斗瓶囲い 高木酒造 (岐阜)
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山田錦、35%精米、大吟醸斗瓶囲い。
立ち香穏やかな吟醸香。入り口は透明で酸の膨らみ大きく味のバランス良い。大きな世界である。苦味は浮かず底で締めている。含み香がタブつかないのが純米大吟醸より好ましい。


13) 初緑 純米大吟醸 斗瓶囲い 高木酒造 (岐阜)
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山田錦、35%精米、大吟醸斗瓶囲い。
立香は仄かな吟醸香。トロリとした舌触り、酸の膨らみあり、透明感もある。含み香も吟醸香、かなり持続し主張する、苦味は浮かず底で締めている。


14) 白岳仙 特仙 純米大吟醸 安本酒造 (福井)
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酒米は吟の里、40%精米の純米大吟醸。
立香は、吟醸香が立つ。甘い入り口。酸の膨らみはあり、含み香は続く。ただし、中盤過ぎて苦・渋が浮く。後口も切れが今ひとつ。



<熟成酒も楽しみます>
15) 白岳仙 純米吟醸 あらばしり 平成23年詰 安本酒造 (福井)
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山田錦、55%精米。純米大吟醸の5年熟成酒。
立香は、軽い干し物の香り。5年の熟成酒だが発泡感を感じる、シュワっとした酸の切れが快い。、後口の切れも良い。今まで経験したことがない一つの世界がある、新酒のようでありながら熟成酒のように後口の切れが良い個性的な世界。


16) 芳水 特別仕込み大吟醸 平成4年詰 芳水酒造 (徳島)
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山田錦、35%精米の大吟醸。中島屋の低温保管庫で24年熟成された熟成酒の極み。
冷や: 口元に近づけると、不思議な事に老香の香りが全く無い。だが無臭ではなく、24年間閉じ込められた香りがある、ある人は埃臭いと表現し、ある人はビンテージワインの香りと言い、ある女性は檜の香と表現した。口に含むと、酸の膨らみは感じない、甘さの後辛味を感じる、含み香も立ち香の香りが続く、中盤渋味と辛味が続く。長期熟成酒は味がこなれて枯れた味わいになるものがあるが、この酒は違う、ヘタレは無くまだ生きている。24年の果てに日本酒の地平線が開ける想いを起こさせる。
燗: 燗も頂いた。冷やより立香が高くなる。膨らみも増し辛味を感じなくなる。燗も良い。



出品酒全体の利き酒の感想は、(その3)に記載する。




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2016/05/22  第311回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その3)

2016-05-22 23:45:00 |     季節の美味しさと日本酒を


【今日の料理】
今日の会場の御瑠草さんは、「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」では、お馴染みの店のようだが、筆者は初めてなのでどんな肴が出るのか楽しみである。

オルソウ(orso)はイタリア語だそうだが、料理はイタリアンではないのも面白い。まだ、判断ができないが、和食をベースにした創作料理のようだ。

席に着席すると5人掛けテーブルに、御つまみの三点盛りは各人ごといなり寿司と海苔巻きはお盆で五人前が用意されている。

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料理の品書きはないので、以下出された順に適当な名前で書いてみる。

<御つまみ三点盛り>
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見たところは何かわからないが、食べてみると、そうか! だった。

・豆腐の味噌漬と胡瓜
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胡瓜が下にあるので、上に乗っているのは味噌と思ったら、違っていた。
とろり、ねっとりとした舌触りで味噌にしては滑らかな舌触りと思ったら、旨味が口中に広がる、味わいはチーズだ。日本酒の肴にピッタリで旨い。説明では、豆腐の味噌漬けとのこと。
この舌触りとチーズのような旨味は、すぐに沖縄の豆腐ようを連想させる。
お腹にたまる料理は酒の邪魔と考えるような呑助には、必須の肴といえる。

取り皿にこれは保存し、チビチビと色々な酒にあわせてみた。
豆腐ようは、ベースは泡盛と紅麹だがこれは味噌と麹のようだ。
その分日本酒との合性は良い。

宴が終わり、帰る時に大將に自家製かどうか訊ねてみた。
答えは、石川県から取り寄せているが、常にあるものではないとのこと。
(帰宅後調べてみた。
金沢市の「うめさのおみそ」と言う店が販売している「とうふの味噌漬」がこれに該当しそうだ。
同店の説明には、『古来、中国や沖縄より伝承される「とうふの発酵食品」を参考に当社は秘蔵の味噌に白山麓の堅豆腐(国産大豆使用)を半年以上漬込み自然で風味豊かな珍味「とうふのみそ漬」に仕上げました。
柔らかさの中にコクがあり、とろんと口中に広がっていく味わい深い逸品です。』と書かれている。
矢張りルーツのひとつに豆腐ようがあるようだ。


・卯の花の煮物
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これも見たところよく判らなかったが、口に入れて、卯の花と判った。
卯の花は、料理が難しい。パサパサした食感になり、味がまとまらないことが多い。
だがこれは、全くパサパサが無くしっとりとした食感で柔らかい。出汁がかなり濃く取られており愛想がない卯の花に旨味をたっぷり含ませている。日本酒の肴にチューニングがされている。

最初の2点で、この店が気に入ってしまった。

・ぜんまいの花鰹醤油和え
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伝統的な日本の食べ物。サッパリ感が身上。
醤油の柔らかさが感じられる。


<メヒカリと練り物の唐揚げ>
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赤いものは、見たところ沖縄でポークと玉子でよく登場するポークランチョンミートの揚げ物のように見えた。
食べてみると違っていて、水産加工品の練り物、甘いはんぺんだった。

メヒカリの唐揚げは、カリカリとした食感の後塩味。噛んでいると次第にメヒカリの旨味が広がる。残香に乾物風の香りが感じられる。
このメヒカリは生ではなく、一夜干しのものを揚げてあるのだろうか、後で聞いてみようと思ったが、酔ってしまって訊くのを忘れた。


<味醂干しの焼き魚>
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味醂干しだがあまり甘味が先行するのではなく、旨味を感じさせる入り口、魚はシコシコとした食感、癖、臭みのない味わいで上品。
後の説明では、魚は三重のハタだそうだ。


<皮付き豚肉と新じゃがとスナップエンドウの煮物>
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見たところ醤油味が濃そうに見えるが、そうでもなく醤油は柔らかく丸みがあり、塩の尖った味ではない。

豚肉は皮付きを使っており、皮の表面のモチモチ感とその下の脂肪のトロリ感を楽しむ事ができる。沖縄のラフテーを想い起こさせる食感と味だ。

ジャガイモは見かけほど煮こまれてはおらず、新じゃがのあっさりとした食感がある。

スナップエンドウは後で合わせただけで、本来の野菜の甘さとシャキシャキの食感。

段階を追って手間がかけられている事がわかる料理だ。


<いなり寿司と海苔巻き>
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いなり寿司は、柔らかい味で油抜きがしっかりされており、ふんわりとした味わい。何か香りが残るが、何の香りだろう。

海苔巻きは、中身が具沢山。
人参、高野豆腐、かんぴょう、穴子、玉子、青菜(ほうれん草?)。
中身の食感と旨味のコラボレーションと展開が面白い。


<烏賊、胡瓜の酢の物>
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烏賊は醤油味の旨味、噛んでいると茗荷の香りがする。
花鰹がかかり、胡麻の味もする。


<手打ちそば>
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この店は、手打ちそばが有名だそうだ。
出された時は、シコシコの蕎麦のコシがあり、蕎麦のタレは丸みのある醤油で枯らしてあり切れが良い。甘さは抑えて旨味を感じさせるタレ。
麺が細いので、飲んだりメモを書いている内に、見る間に柔らかくなった。この店では、出されたらすぐ食べる事が肝要だ。



【全体の感想】
1)久し振りに参加した日曜日の「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」は、中身が濃くこの会ならではの内容で満足した。

2)お酒
・今回の華は、「芳水 特別仕込み大吟醸 平成4年詰 芳水酒造 (徳島) 」。
平成4年製造の大吟醸が酒の中島屋で23年間低温庫で囲われていたもの。
<熟成酒も楽しみます>のコーナーでの店主の説明は、長時間熟成させたリスクのあるものとの説明があった。
飲んでみると20年超の時間は感じられなかった。言われなければ、冷やおろしぐらいの感じを受ける程生きている酒だった。
今回の出品酒では最も高価で18400円の最高クラスの大吟醸。
それを23年間寝かすというのは何だろう。
民事法定金利5%で23年間の利息を計算すると、間違いがなければ、3.0715倍になる→8400円?3.071525800円となる。
熟成酒の場合、結果は蓋を開けてみなければわからない。25800円のコストが無駄になることも十分起こりうる。
この好奇心というか実験精神の所産であるこの酒を口にすることが出来るだけでも有り難い。
今日の結果を見ると、造りが良く、管理が良ければ日本酒の20年ものビンテージの世界は存在する事がわかる。商売として成り立つかどうかは別にして。

・印象に残った酒
若葉では夏の純米が、薄い夏酒ではなくパンチのある夏酒で良かった。値段も2500円とリーズナブル。純米吟醸のバランスも良かった。
純米酒飲み比べでは、鯨波袋吊り、ゆきの美人が良かった。
大吟醸の逸品では、初緑の2銘柄、先日下呂の帰りに高木酒造に寄り利いた奥飛騨の大吟醸も良かったが今日の初緑も良かった。
岐阜の酒蔵の出品酒のレベルが高かったのは良いことだ。
白岳仙の5年熟成酒も面白い世界を持った酒だった。

(3)
御瑠草の料理
大將は豪快な印象の人で、大声高笑いの濃い人なのだが、料理は尖らず柔らかいものだった。
この大將と料理の関係が面白さと魅力を感じさせるものかもしれない。



午後4時をまわり、宴は終わったが。
2
次会はまだ続く。

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後から御瑠草の大將ご夫妻も参加して、飲み直し。
漸く日が暮れ始める頃、中締め。
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外に出ると、夜の街はまだまだこれからだ...


今日も、良い一日だった。




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