菜花亭日乗

菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。
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2016/03/20  山田みづえ 句集 (その4)

2016-03-20 22:24:56 | (5)俳句

・なやらひのおろおろ鬼は家に来よ 
・母坐すたんぽぽ百を従へて 
・己が火を逃れんとして蛍飛ぶ 
・三寒の四温を濁る頭かな 
・七夕の声のぼりゆく小学校 
・雪の日は雪みそなはす寝釈迦かな 
・野鶲の水湧くごとく囀れり 
・枯芦の遠きものより夕焼す 
・鳴子引く蒼穹を引き緊めむため 
・水引草はびこり母をよろこばす 
・火の粉撒きつつ来るよ青年焼芋屋 
・冷蔵庫西瓜もつともなまぐさし 
・師の墓につきしばかりに日短か 
・日輪をむすんでひらいて春の雲 
・今年竹三日見ざればよそよそし 
・早春の見えぬもの降る雑木山 
・光りしは雁の童子か雁帰る 
・道に出て人のごとくに初鴉 
・少しづつ真面目になりて柿を食ふ 
・梅一枝青光りして寒に入る 
・よろめきてかんじきの人となりにけり 
・年惜しむ瓦噛みたる鬼瓦 
・寒牡丹翳生むことをせざりけり 
・朝曇壊れぬやうに生きる母 
・暑き日の昼寝は少し死ぬに似て 
・月の出や海堪へがたく暗くなり 
・幾つ食べれば山姥となる一位の実 
・藪雨の滅びの唄を聞きとめぬ 
・六地蔵のひそひそ話雪の風 
・母の機嫌の三寒四温おもしろき 
・雪をんな黙つてゐれば歩が揃ふ 
・降る雪に力抜きたる汀かな 
・雪吊を見てゐて背丈伸びにけり 
・暁咲きて昼は古びぬ水芭蕉 
・毛蟹啖ふ何問はれてもうはのそら 
・雪散るや木の葉小鳥を交へつつ 
・楪の何に別るる月日かな 
・山眠るまばゆき鳥を放ちては 
・春の夜の絵本につづきなかりけり 
・さまざまの人と遊びし朧かな 
・廃校の母校のさくら吹雪かな 
・冬の日やざしきぼつこがゐはせぬか 
・父の墓夕べあしたとしぐれけり 
・メーデーの行くさきざきの赤躑躅 
・たましひのあらはに踊る夜涼かな 
・空蝉を蒐めたる手や若からず 
・昼月のまぎれて高き辛夷かな 
・犬らしくせよと枯野に犬放つ 
・賑はしき匂ひの中の三の酉 
・萩刈つてやさしき棘を貰ひたり 
・空と海の色二本どり毛糸編む 
・旅終へてこころやさしき青葉かな 
・新涼の無疵の貝を拾ひけり 
・雨月かな人にやさしくすることも 
・物語のごとくにさくら落葉かな 
・暮れきたる芒の天のあたたかし 
・墓に触れ槍鶏頭に触れにけり 
・蔑めり激しからざる雷などを 
・暑き日やをどり出でたる竹煮草 
・暮れかぬる一町ほどや壬生の鉦 
・七十の母がかしづく雛かな 
・一夜経て虫吐きにけり木の実独楽 
・柩のほかは時雨くらがりして来たる 
・墓に春雪その他一切還らざる 
・師は逝けり霜の春秋五十七 
・汗もろとも本音を吐きてしまひけリ 
・手花火や母には見ゆる吾が行方 
・離れ咲きて吾を呼び止む曼珠沙華 
・諳んずる山の辺の道露けしや 
・草いきれかきわけ出でて齢殖ゆ 
・烟るごと老い給ふ母菊膾 
・たかの知れし一生丁寧にレース編む 
・山彦は男なりけり青芒 
・父の忌やハンドバッグに柚子一顆 
・やるせなければ春の帽子を買つて了ふ 
・梶の花わがいふなりに母仰ぐ 
・修二会僧の佳き顔見ゆる又も見ゆ 
・兄妹に雑木の花の降る日かな 
・ほとほとと春来る鬼か風音か 
・父に聞きたき一事ありけり宣長忌 
・阿波縮着て二夕心遊ばすも 
・金花佐久ゆめの万葉仮名涼し 
・よろこびて鬼打豆にうたれけり 
・うまうまと独り暮しや冷索麺 
・集団就職の列あたたかき雲得たり 
・友の死に堪へゆく鱧を食べにけり 
・寒の雷おのれを庇ふひしと庇ふ 
・金色に芽吹く欅を敬へり 
・膝抱きて荒野に似たる年れ 
・咳にせき赤鬼顔をしてはゐずや 
・雪雫絶えて独学孝雄の墓 
・春雪拭へば我も吾もと羅漢たち 
・四万六千日子れの日を賜らず 
・今も胸に友の原爆死汗むすぶ 
・横光忌枯原低く飛べるもの 
・たのしくなれば女も走るみそさざい 
・もう訪はぬ家ばかりなり猫じやらし 
・囀やわが小天地揺れやすし 
・良きことばかり母に告ぐるや稲妻す 
・荒鵙をよろこぶ血汐かくし得ず
 

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