菜花亭日乗

菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。
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2010/11/29 レンズ沼(20) Cosina 20mm F3.8 MC MACRO

2010-11-29 23:13:24 | (20)カメラ・映像

20本目はCosina 20mm F3.8 MC MACROである。
20本の中で最も試写に手間を要した暴れ馬のようなレンズだった。
 ある先達は、このレンズを愛を込めて「おバカさんレンズ」と呼んでいる。


 


 
この個体は、オークションで落札したものだ。
落札した目的は、Cosinaが欲しかったわけではなく、MFの20mmが欲しかったからだ。
 LUMIX G1は焦点距離が2倍になる。通常の50mmは100mmの中望遠になってしまう。標準レンズは24mm、28mmで良いとして、広角レンズとして18~20mmが欲しかったのだ。



 
 マウントはCANON FDだが、アダプターを使えばG1で使うことが出来る。


 


【試写】
 G1に着けて試写に持ち出したのは良かったが、これが右往左往の始まりだった。


 


最初の1枚。
ぼんやりと霞がかかっているような画面。
なんだこれは?


レンズが曇っているのだろうか、フィルターが曇っているのだろうか?
 調べてみたが、埃はあるが大きな曇は目視では無さそうだ。


 
普通に写る場合もある。


 
そうかと思えば、こんな写真が取れたりする。


 
階段を登って、樹の下から撮った写真は、いい感じに撮れている。


 レンズ
本堂を背景に紅葉を撮ったが、丸で下で焚き火をしているようだ。


これは、どーもフレア(ハレーション)のようだと気がついた。
厄介なレンズだ。これだけ華々しいフレアが出ては、風景写真には使えない。
 どうやら問題レンズを、拾ってしまったようだ。


別の日、2回目の試写に連れだした。


 
木漏れ日の中の紅葉が美しく映っている。


 
これは、モヤの中。


 
モヤは晴れた。


 
傾きかけた晩秋の太陽は、最も多くの靄を出す。
そんな、写実をはなれた情景を創りだす写りだ。


 
前に歩いて、撮影位置を変え樹の枝に太陽が隠れると、そこは別天地だ。


 
まるで創作の世界。


 
写真の世界。
秋の大銀杏は美しいことが素直に理解できる絵を撮している。


 


 
太陽も明るい空もない風景は、真面目に真正面から撮している。
これなら、風景を写すことができそうだ。


2回の試写で、どうやら問題は、フレアにあると想像ができた。
フレア対策は、太陽も空も入れずに写せばよいのだが、それでは広角レンズの役目は果たせない。
 ならば、フードを着けてみよう。


残念ながら62mm径のフードは持っていない。
オークションで探し入手することにした。


 


フードが到着したので、3回目の試写に出かけた。
まずは、フレアとフードの実験だ。


 
レンズ+フィルターでの撮影。
今まで、写してきた条件だ。
しっかりとモヤの中だ。


 
フィルターを外し、レンズのみで撮影。
フィルター付きと大きな変化はない。
やはりモヤの中。


 
レンズ+フィルター+フードでの撮影。
モヤが晴れ、空も晴れて、晩秋の情景が素直に写っている。
フードの効果は、絶大だった。



フードをつけて、今度はMACRO機能を試す。


 
撮影最短距離は20cmで、充分なマクロ機能を持っており、近く寄ることができる。


順光でフードをつけたCOSINA 20mmは、見違えるような写りだ。
 花びらの質感は素晴らしい。


 
背景のボケも自然だ。


 
地面に落ちた花びらの風情もきっちりと艶めかしく撮れている。


  




どうなるか判らない暴れレンズが、模範的なマクロレンズになりきっている。この変身ぶりには驚かされる。


 


フードをつけたまま、風景・遠景を撮ってみる。


 
風に吹かれ紅葉が舞落ちている。


 
落ちかけた光は左から射している。


  


 


 
広角レンズの写りが出来ている。モヤもない。


 


色々考えさせられたレンズだ。
優等生的にいつもそつなく写るレンズは、扱いやすく頼りになるが親しみが湧く訳では必ずしも無い。
 どうなるか解らないオバカさんが、手をかけたら立ち直ってくれた方が親しみを感ずるようなものだ。


ネットでは評判が良いとは言えないこのレンズに付いて調べてみると、筆者が感じたようなことを先達も感じていることが判った。
 斜め上からの逆光には全く弱いことは、異口同音に語られていた。


このレンズはフードは必需品だ。だが、どうしたわけかコシナでは純正のフードを発売していない。
 先達たちは、NIKONの20mm用のフードを代用したり、使えそうなフードを加工してオリジナルの専用フードを創り、使いこなしておられるようだ。


問題のフレアだが、これがこのレンズの味、個性だと言える。
 ソフトな写りを作るフィルターだって売られているのだから、フレアを積極的に生かした絵作りをしておられる人もいる。


少し眠いような写りが、かりかりの硬い写りより適した撮影対象もある。それが好きな先達は、このレンズをお気に入りレンズと言っている。


発売当初の価格は、40000円だが、2000年頃迄は10000円前後で発売されていたようだ。
 1973年発売のCanon FD20mm F2.8 S.S.C. は、47200円、1979年発売のCanon New FD20mm F2.8 59000円であった時に、格安のCOSINA20mmは純正の20mmは欲しくても手が出せなかった人たちには進むべき道だったに違いない。


コシナ社は、この20mmを発売した頃は、格安レンズを供給するサードパーティーに過ぎなかった。しかし、その後1999年には、ドイツの名門「フォクトレンダー」ブランドを手に入れ、
2004年 には、カール・ツァイスと提携し、高級カメラ・交換レンズを製造販売する世界的なメーカに変貌をとげている。
 時代は変わるものである。
Cosina 20mmは、コシナ社の成長を物語る時代の証人と言える。


個人的には、フードは嵩張り邪魔になるので好きではないが、フードの重要性を再確認させてくれた役割を持つレンズとして記憶される存在になった。



【Cosina 20mm F3.8 MC MACRO】
 レンズ構成:8群9枚
 最短撮影距離:0.2m
 絞り羽根:5枚(最小絞りF22)
 フィルタ径:62mm
 大きさ・重さ:65×35.5mm・184g
 メーカー: コシナ
 発売価格: 40,000円


 発売年月はよく判らない。CANON FDが現役だったのは1970年代半ばから後半だから、このレンズは恐らく70年代後半のものだろう。
 コシナの社歴によれば、各社の一眼レフの交換レンズを出したのは1983年だそうだから、その頃かもしれない。



 

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