菜花亭日乗

菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。
散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc

2017/10/03  日記  待宵

2017-10-03 20:08:25 | (2)日記

2017/10/3 (火) 旧暦: 814 祝日・節気:  日出 537 日没: 1722 月出: 1606 月没: 234 月齢: 12.9 干支: 癸亥 六曜: 先負 九星: 七赤金星

今日のあれこれ: 待宵

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bluestyle.com
http://bluestyle.livedoor.biz/archives/51676763.html
より転載




『待宵(まつよい、まつよひ) 仲秋
子季語: 小望月、待宵の月、十四夜月
関連季語: 名月、月、待宵、十六夜、立待月、居待月、臥待月、更待月、良夜
解説:               旧暦八月十四日の夜、またはその夜の月をいう。十五夜が主ならば、その前夜の趣もまた格別のものがある。望月に満たないので小望月ともいう。
来歴: 『山の井』(正保5年、1648年)に所出。』
(季語と歳時記)



待宵の俳句:



・待宵に都心のビルも輝けり  稲畑廣太郎



・待宵の闇に活きたる五重塔  山崎靖子



・待宵の駅に我待つ夫の影  堀田清江



・待宵のすこし汚れて猫戻る  浅田光代



・待宵のひかりの中に壺を置く 古賀まり子




今日は、待宵。
明日の十五夜、中秋の名月を待つ夜だ。

名月は、明日に任せるとして、待宵の句は月以外のものを詠んでいる句を選んでみた。

蝋燭や灯火では闇は明るくは照らされなかった。
夜に輝くものは月だけの時代では、主役は月だった。
電灯が発明され以降、夜は明るく照らされるようになった。
人工衛星から見ると地球の夜は暗いが、日本列島は明るく輝いているそうだ。

現代人にとって、稲畑の詠むように、愛でるものは都心の輝く灯りなのかもしれない。


待宵の夜は明るいはずなのだが、読んでいて気になる2句があった。
堀田の句、駅まで迎えに来てくれた夫の影と解するのか自分が迎えに来た夫の影が見えたのか判然としないが、いずれにしても折角の待宵を二人で歩く喜びが感じられない。月だから影はわかるのだが、影という言葉の暗さがそう感じさせるのだろうか。

浅田の句、夜遊びの猫が戻った、少し汚れて。

遊び呆けてきたのか、待宵の夜を。帰ってきたのなら、しょうがない家に入れてやろうか。
何か本当は夫かもしれない、口吻がある。


古賀の句。
待宵らしくて、いい感じ。
月明かりにお気に入りの壺を置いてみる。
待宵を壺と一緒に楽しむ積もりだ。

読んでいて、高杉晋作の歌を思い出した。

「面白きこともなき世に面白く
すみなすものは心なりけり」

日本人の四季の移ろいについての繊細な詩情は、1000年にわたり連綿と引き継がれてきている。

名月を楽しむことから始まって、その前の夜も、その後の夜も月も夜も愛でる。
これは世界を面白くする方法を体系化した工夫と言える。

即物的な月は目に映るだけのもの。
それを美しくするのは心。
方法を得た日本人の心は、月も夜も世界のすべてを美しく、面白くできる。

それが日本人の生き方と思い浮かべた。



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