菜花亭日乗

菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。
散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc

2016/12/11 第318回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その1)

2016-12-11 23:29:00 |     季節の美味しさと日本酒を


酒の中島屋さん主催の「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」は毎月開催されているが、12月の会は年を締めくくる重要な会だ。

酒の中島屋さんのサイトの案内にも書かれている。
「今年の年末は「居酒屋 オルソウ」さんで‥>
皆様待望の日曜日の昼の酒会です
とても楽しい大将が腕によりをかけたお料理と
年末限定のレアなお酒が楽しめます」

日曜日の昼の宴、レアな酒、オルソウ(御瑠草)の料理と3つが揃えば、行かなければ。問題は席が15名強しかないことだ。
そこで、5月とは違って今回は早目に申込んだので、席がうまく取れ良かった。


宴が終わってみると、思った通り、内容は充実、宴の場にいる満足感に充たされた。特に、終幕に近い「年末限定のレアなお酒」は圧巻の内容だった。


岐阜駅に着けば、先ずは信長公参拝だ。

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今日は、天気も良い。

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晴れの日は勿論のこと、雨の日も北風の日も雪の日も、信長公は、常に光に満ち、輝いている。

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晴れた日の輝きは、格別だ。

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勇気、構想、実行力...信長公は男の魅力に満ちている。

参拝を済ませ、元気を頂いて会場へ向かう。

御瑠草は、JR岐阜駅から歩いてすぐの距離だ。
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いつもは、三千盛の化粧樽が暖簾の下に見えるのだが、今日はダンボールが置かれている。ダンボールの中は、恐らく今日の出品酒だろう。

開始時間の13時にはまだ時間があり、参加者一番乗りは常連のS氏だった。

御瑠草は、オープンキッチンに長いカウンターの奥深い店。
右奥にテーブル席がある。

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席には、前菜、取り皿、お箸が用意され、宴の開幕を待つばかりだ。

会費を支払い、受付を済ませ、今日の出品酒が書かれている「利き酒メモ」を受け取る。

席は、一番奥のテーブル席が指定された。
写真を撮ったり、メモを書いたりするので、端の席の方がありがたい。

席に座り、出品酒の一覧を見る。
今日は5つのコーナーで合計18銘柄が出品される。

最初の乾杯コーナーでは、昨年同様、岐阜の林酒造(美濃天狗)の林伊兵衛蔵元が参加、乾杯酒は美濃天狗のつらら酒で始まり、5銘柄になっている。

最後のコーナーの熟成酒を見ると、1993年と書かれている。
とんでもない熟成酒が出品されている。
どんな出会いになるか期待が膨らむ。

定刻の13時になり、昼の宴が始まる。
今日は、sake nagoyaでも同じデーブルでお世話になっているAご夫妻と同じテーブルになった。
同好の士とともに始まる宴は兎に角楽しい。

この会は、出品酒はリストの順番に登場し、並行して料理も提供される。
酒を利きながら、料理をいただきながら、語り合いながら進むので、忙しい。

酒と料理は並行して順次出されるが、整理の都合上酒と料理に分けて以下の記事を書くことにする。

出品酒は、酒の中島屋店主のプロデュース・シナリオに沿って、5つのコーナーにわけられている。
1.<乾杯>
2.<新酒しぼりたて生のお酒>
3.<純米・個性を楽しみます>
4.<ちょっと贅沢・純米吟醸・大吟醸>
5.<熟・醇・を飲む>

料理は、今回はお品書きが用意されているので、ありがたい。


【今日の出品酒】

(以下、利いた印象を記載するが個人的な嗜好によるもので客観性はない。関心を持たれた場合は、実際に利いて確かめていただきたい。
なお、今回は楽しすぎて酔っぱらってしまった、最後に酒の写真を撮ることを忘れて帰ってしまった。こんなことが起きるものだ。
添付してある写真は当日のものではないことをおことわりする。



1.<乾杯>

(1)
美濃天狗 美濃のつらら酒 純米うすにごり H28BY 林酒造 (岐阜)
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この写真は当日のもの。

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おりがらみの発泡酒。
立ち香甘いが中に酸味を感じさせるものがある。白濁している、発泡している。舌触りはスッキリしている。甘い入り口、酸味が速く背景に辛味があり、切れを感じる。発泡感がスッキリとした味わいを持たせる。中盤は辛味が中心で、後半にかけ切れる。


(2)
美濃天狗 本醸造 林酒造 (岐阜)
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甘い入り口、トロリとした舌触り。酸の膨らみは大きくない。含み香に仄かな熟香を感じる。中盤以降の味は辛味系。

熱燗:立香はエチル系の香りが立つ。甘い入り口。酸の膨らみが大きくなる。膨らみが味わいのバランスを保つ。冷やより燗にして飲みたい酒だ。

これは平成27BYのもので、28BYの新種は年末の美濃天狗の蔵開きには間に合うそうだ。


(3)
一滴水 吟醸 林酒造 (岐阜)
( 「一滴水 吟醸」の写真は見つけられなかった。)


 
甘い立香。甘い入り口。トロリとした舌触り。甘さの後、軽い熟味を感じる。中盤に苦味を感じる。


(4)
一滴水 吟醸 生 林酒造 (岐阜)
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立香に仄かな乾いた香りを感じる。甘い入り口。酸の膨らみがある。中盤は苦・渋系。後半は辛味系に変わる。味の変化推移がある。
燗酒:立香は個性的で何か焼き芋を想像させる。甘い入り口。酸はスピード感があり、辛味が来て、切れ味が良い。


(5)
美濃天狗 かくれ里 大吟醸 雫酒 林酒造 (岐阜)
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立香は甘い吟醸香が程良く快い。トロリとした舌触り。甘みの後、酸の膨らみ。含み香も吟醸香が仄かにある。中盤苦味が締める。後半はスッキリと切れる。残香に吟醸香の余韻。


かくれ里は価格はリーズナブルだが、味わいは吟醸酒らしいもので切れが良く、お気に入り、お薦めの酒だ。


2.<新酒しぼりたて生のお酒>

 (6)
梵 しぼりたて初雪 純米大吟醸 山田錦 加藤吉兵商店 (福井)
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立香は、新酒らしいフレッシュさを感じさせるもの。甘い入り口、含み香。酸の膨らみの後苦味がある、ここまで味の展開が速い。中盤以降はスッキリと切れる。後味に嫌味がなく、切れ味の良い後口が快い。


梵の商品のコンセプトは、適度な熟成による丸味・滑らかさ・膨らみだと思うが、しぼりたて初雪は、フレッシュな梵を味わうことができる。


(7)
七本鎗 純米 玉栄 しぼりたて 冨田商店 (滋賀)
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甘い入り口。酸の膨らみ。麹の含み香がフレッシュさを感じさせる。立香に鼻をくすぐるものがありクシャミが出た。含み香も同じ。中盤、辛味と苦味、軽い渋味。後半は、辛味系。残香も麹香。


活気のある新酒らしい世界で、パンチがある。肉料理や名古屋めしなどボデーのある料理に合いそうだ。


(8)
白岳仙 純米吟醸 五百万石 あらばしり 安本酒造 (福井)
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立香は仄かな吟香が快い。甘い入り口。シュワッとした発泡感。含み香も同じ吟香。酸は膨らみがあるが、切れの良いもの。中盤以降、苦味があるが、その後は切れる。


白岳仙らしい綺麗で上品で切れの良い吟醸酒。
程の良さがあり単独でも食中酒でも行けそうだ。


3.<純米・個性を楽しみます>

 (9)
明鏡止水 純米吟醸 雄町 大澤酒造 (長野)
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甘い立ち香。甘い入り口。酸は膨らまず、含み香は麹のようなもの。中盤、辛味・苦味・渋味の芯があり、ボデーを感じさせる。後半は辛味系。

ぬる燗:甘い入り口、含み香ある。後半、辛味と渋味が浮く。

雄町らしい酒と言えるかもしれない。味の真ん中に渋味・苦味の芯があり、骨のある世界だ。苦みばしった渋い男にお似合いの酒のように思える。


(10)
百歳 山廃純米吟醸 吉久保酒造 (茨城)
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立香はあまり感じない。甘い入り口。酸の膨らみ。含み香あるが、個性的な香り、何の香りか想像できない。全体として、山廃としてはスッキリとした味わいだ。

燗酒:入り口甘く、酸が膨らむ。後半切れが良い。燗酒の方が膨らみと味のバランスの印象が良い。

個性的な香りがするが、香りの分別ができない筆者には表現ができない。ムッとする山廃酒の香りとも違う。寧ろ、山廃にしては、味の厚みよりスッキリとした切れ味を感じさせる。
個人的には山廃で吟醸酒を造るコンセプトを理解できていないが、これは一つの回答かもしれない。




4.<ちょっと贅沢・純米吟醸・大吟醸>

 
(11)
正雪 純米吟醸 山田錦 神沢川酒造場 (静岡)
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甘い入り口。酸の膨らみ。含み香は麹香風のものが鼻に抜ける。香りが長く続く。中盤から後半にかけ切れ良い。

吟醸酒らしい香りと味わいの世界だ。


(12)
白岳仙 特仙 純米大吟醸 安本酒造 (福井)
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立香は、適度な吟醸香。甘い入り口。酸は透明なもの。ゆったりとした膨らみが大きさを感じさせる。含み香も適度な吟醸香。中盤からは切れが良い。透明感のある大きな世界を感じさせる良い酒だ。

膨らみが在って切れも感じさせるのは、難しいがこの酒は成功している。


(13)
梵 槽場旬搾り 純米大吟醸 加藤吉兵商店 (福井)
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甘い立香。甘い入り口。トロリとした舌触りと滑らかさが良い。含み香がかなり立ち続く。中盤は辛味、吟醸香が続く。後半の切れ良い。残香も吟醸香で、やや気になる続き方だ。


槽場旬搾りの名前のようにピチピチの新酒を飲むのが、この酒のコンセプトなのだが、梵らしい世界のイメージが邪魔をするのか、香りが立ちすぎてあざとさを感じてしまう。
ブラインド評価なら、気にならないかもしれないが。


(14)
黒龍 八十八号 大吟醸 黒龍酒造 (福井)
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立香は軽い吟醸香で程良い。甘い入り口。スピード速い。酸は膨らまない。辛味が背景にありすっきり感を感じさせる。中盤軽い渋みもある。後半の切れ良い。


味のバランスが良く、シャープで切れがよい。文句のない酒だが、個人の嗜好からするともう少し膨らみが欲しい、切れ味だけでなくゆとり・余裕を感じさせるものが欲しい印象だ。


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2016/12/11  第318回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その2)

2016-12-11 23:18:00 |     季節の美味しさと日本酒を



5.<熟・醇・を飲む>

今日の熟成酒コーナーは、圧巻の内容だった。
この会のこのコーナーは、宴の真骨頂で、他の宴では真似のできない舞台だ。
この会場に来て、自分の目で見なければ見たことにならない世界だ。

登場したのは、あらばしり2酒と前世紀のレアもの2酒。

あらばしりの2酒:
松の司は22BY、白岳仙は23BY6年と5年の熟成純米吟醸酒。

あらばしりは、フレッシュなところを飲むものが通念だ。
蔵元の造りのコンセプトもそうだろう。
それを、どうして5年以上も熟成させて飲む必要があるのか。

はっきり言えば、無いだろう。
松の司も白岳仙も人気酒、売れ残りである筈はない。

前世紀のレアもの2酒:
もう一つの舞台は、日本最古の酒蔵と言われる須藤本家(茨城)の知る人ぞ知る貴重酒「花薫光」の2酒。
山渡は1999年、花薫光大吟醸に至っては1993年、いずれも世紀の違う酒だ。

あらばしりにしても花薫光にしても、この歳月を囲っておく合理的理由は思いつかない。

泡盛の世界では、合理的な理由がある。女の子が生まれた時、泡盛の原酒を甕に入れ、座敷の床下の土に埋めて囲う、長い歳月が原酒を古酒にする。
20年の歳月を経て、泡盛は匂い立つ美酒に変わり、女の子は花盛りの娘になる。
その美酒は、嫁入り道具として娘にもたせてやる、そんな風習が琉球には在ったそうだ、今でもあるかもしれない。

世の中の物事は、合理的理由が見つからない事象はいくらでもある。
一つ挙げれば恋だ。恋に合理的な理由を見つけるのは難しい。恋に落ちると言う表現がある通り、恋は落とし穴と一緒、落ちようと思って合理的に落ちるものではない。突然、不意に落ちるものなのだ。

合理的理由の詮索は兎も角、世にも稀な熟成酒が4酒、目の前にあり、利くことができる。これ程の参加冥利はない。
店主の好奇心もしくは実験精神に感謝して、利かせていただこう。


15)
松の司 純米吟醸 あらばしり H22BY 松瀬酒造 (滋賀)
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立香は僅かに干し物の香り。甘い入り口。酸の膨らみは大きくなく辛味系。中盤、軽い渋みを感じる。生酒の6年熟成酒だが、枯れとかヘタレとかを感じさせない活性を感じる。


まだ、活性を保っており飲み応えのある酒だ。立香が個性的だが、気になるものではない。


(16)
白岳仙 純吟 山田錦 あらばしり H23BY 安本酒造 (福井)
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立香はあまり感じない。にごり酒。シュワッとした辛味、5年熟成酒だが発泡感を感じる。酸は軽目だが同時に大きく広がる。中盤は、辛味系で、後半スッキリ切れる。

これは、固有の世界を持っていて美しい酒だ。5年の時が、老の方向ではなく、雑味の除去の方向に向かわせている。
生酒のあらばしりで本来はピチピチのフレッシュ感を楽しむ酒だが、ピチピチの代わりに透明な広がりと切れの良さを作り出している。

昔、個人的な好奇心から缶に入った「新米新酒ふなぐち菊水一番しぼり」を9年熟成させたことがある。
その話は、以下の記事に書いた。
2013/11/23 新米新酒ふなぐち菊水一番しぼり 9年熟成酒」
http://blog.goo.ne.jp/nabanatei/e/9c987243a2fdc5606975a27a0ee6b1eb

この缶酒もコンセプトはふなぐちのしぼりたてのピチピチを楽しむものだ。
だが、9年の熟成の結果は、想像以上に良いものだった。

記事を書いていて、もっと驚いたのは、蔵元の菊水酒造が知らない間に、缶入りの「熟成ふなぐち菊水一番しぼり」を既に商品化していたことだ。
良いものは商品化されるのだ。

「白岳仙 純吟 山田錦 あらばしり」の5年熟成は、独自の美しい世界を持っている。
香りもよく、スッキリと切れのある透明な世界だが、広がりとふくよかさも感じさせる。
これが常に再現できるのなら、良い商品になる筈だ。



(17)
郷乃譽 花薫光 山渡 純米大吟醸 1999年 須藤本家 (茨城)
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立香は個性的なもので表現が難しい、埃臭いような・干し椎茸のような・エチルのような複合の香りだろうか。

甘い入り口。酸の膨らみ大きい。含み香の中には仄かな老香も感じる。甘味の後、辛味と軽い苦味。後口はピリ辛系。
この酒は1999年製造の17年の大古酒だが、驚いたことに、全くヘタレていない、それどころか生き生きしている。
発売当時12万円の高級酒で尚且つ17年の熟成酒、黙ってラベルを見つめる他はない。


(18)
郷乃譽 花薫光 大吟醸 1993年 須藤本家 (茨城)
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立香は軽い熟成香。甘い入り口。トロリとした舌触りで、その後、絹のような滑らかさを感じさせる。甘味の後は、ピリとした辛味、続いて酸の膨らみを感じさせる。後半はスッキリとして雑味無く、後口は良く切れる。

この酒の最大の特徴は、舌触りだ。言い古された表現だが、絹のような滑らかさ、その舌触りが口の中で快感を生む。
この酒は、1993年製造の22年熟成酒だが、衰えは全く無い。言われなければわからないだろう。22年といえば当時生まれた娘は成人し、花の季節を迎えている年頃だ。日本酒の世界の奥深さを感じさせる逸品、日本酒のレジェンドと言っても良い。
この酒を利けただけでも、今日参加した意味は大きい。


この酒には、菊水と同じような後日談がある。
後日、記事を書くために調べてわかったことだが、蔵元がヴィンテージの花薫光を発売していた。
2004年もの・1997年もの・1993年ものが販売されたことがあるようだが、現在は2004年が楽天の須藤本家のサイトで販売されている(厳密には、されていた。)。

【蔵元直送】純米大吟醸酒 花薫光 ヴィンテージ
http://item.rakuten.co.jp/sudohonke/10000384/

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『【花薫光ヴィンテージ特集】「生々」のまま熟成を重ねた常識破りのヴィンテージです。「時の流れ」のみが醸せる奥深い味わい。
【ヴィンテージ限定品】【蔵元直送】純米大吟醸酒 花薫光(かくんこう)2004 生々
720ml
豪華桐箱入り
価格 105,000 (税込 113,400 ) 送料別


内容量

720ml

アルコール度数

16%~17%未満

保存方法

要冷蔵

原材料

国産米・米麹(国産米)
精米歩合27

商品説明

2004年のヴィンテージ。しっかりした深みと品格ある華やかな香りが特徴です。蔵の奥で静かに時を待ち生々のまま熟成させた常識破りの傑作です。 奥深い繊細な味わいとフレッシュな洋梨や青リンゴ・ピンクペッパーを思わせる香りは熟成酒のイメージを覆す逸品。きめ細やかなシルクを幾層にも重ねたようななめらかさをご堪能下さい。(画像の年号は異なります)※当蔵のヴィンテージは特別な管理のもと生々の状態で熟成をさせております。最上の熟成状態でお届け致しておりますので冷蔵の上できるだけお早めにお飲み下さい。お手元での熟成はおやめ下さいますようお願い致します。
「お酒は20歳から。未成年者への酒類の販売は固くお断りしています。」



4
合瓶で10万円を超える高価なお酒だが、201612月現在売り切れになっている。
世の中にはお金の価値観が違う人が存在するので、高価であろうと希少なものであれば売れるのだ。

1993
年ものが、いつ頃いくらで売られていたのか情報がないが、
2010617日に書かれた「私的品評」の記事に面白いことが書かれている。
http://blogs.yahoo.co.jp/aoitsuki001/61524082.html

「深い味わいと香りはロバート・パーカーも絶賛するところで、従前、彼はパーカーポイントで91ポイント付けています。ロマネ・コンティを産するDRC社 長オーベルド・ビレーヌ氏大絶賛の純米大吟醸。彼曰く、ワンボトル700,000円かと言わしめたほど。海外でも完全に品薄状態。インポートされた時点で、各店への割り当ては720mlボトルで12本という超レア商品です。食前・食後だけでなく、食中酒としても和洋中を問わず、素晴らしい資質を持つ。 花薫光を食中でベストマッチングさせた時の妙は、楽しい味の世界をより一層広げます。ヨーロッパ・アメリカ・香港等でも高い評価を頂いています。海外のソムリエ達はこのボトルを離しませんでした。因みに、花薫光【1993年】の720ml1本の販売価格は、アメリカでUS$13,000. 1,560,000円)です。」

ビンテージワインに精通した人が70万と評価したとか、アメリカでは13,000ドルの値をつけたとか書かれている。

日本酒4合瓶が、156万とは、日本酒の価格としては途方もないが、ヴィンテージの世界ではありうることで、日本酒の熟成の世界の地平は開けていることを示している。



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2016/12/11 第318回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その3)

2016-12-11 23:03:00 |     季節の美味しさと日本酒を


【御瑠草の今日の料理】

<お品書き>
1.前菜三点盛
 
あん肝おろしポン酢、鶏レバー煮物、赤てん
2.おしのぎ
 
巻寿司、 いなり寿司:
3.お刺身
鮪、白身(鯛)、勘八
4.焼魚
 
鰆の味醂粕漬け
5.煮物
 
筑前煮。
6.味噌おでん
 
こんにゃく串おでん。
7.蕎麦
〆は蕎麦。


1.前菜三点盛
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左から あん肝おろしポン酢、鶏レバー煮物、赤てん

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あん肝おろしポン酢
あん肝はホクホクとした食感。おろしポン酢はサッパリとした味。噛んでいるとあん肝の旨味が広がってくる。最初のサッパリ感から後半のあん肝の旨味の展開は、おろしポン酢との取り合わせが生きている。

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レバー煮物:
鶏レバーを醤油と砂糖等の甘味料で煮てある。口に入れると、食感に驚いた。トロリとして滑らか、舌に纏わりつく滑らかさ。見たところ味が濃そうに見えるが、軽い甘み。甘いが煮詰められた甘さではなく軽い甘さだ。内部までしっかり味はついている。レバーの臭みは感じない、生姜の軽い味わいと上に振り掛けられているのは胡麻のようだ。
これは美味しかった。鶏のレバー煮は自分でも作ることがあるが、全く違うものだ。自分の場合は、しっかり加熱するのでバサバサとした食感になり、煮詰めてしまうので佃煮になってしまう。
このネットリとした滑らかさと仲間での味付を両立させるには、工夫が必要だ。想像だが、火を入れた後、一晩汁の中で含ませ、翌日中身を取り出し、知るだけ煮詰めて、あとで合わせるのだろう。

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赤てん:
前回5月の会の時に、沖縄のポークかと思ったが、今回は判った。広島の赤てんで、練り製品だ。
Wikiの説明は『赤てん(あかてん、赤天とも表記)とは、島根県の主に浜田市で製造・販売される魚肉練り製品である。揚げかまぼこに分類される。

概要
魚肉のすり身に赤唐辛子を練り合わせ、パン粉を表面にまぶして揚げる。そのため製品名のとおり赤い色を帯びており、辛味が利いている。
製造業者は浜田市に数社と、松江市(旧・東出雲町)にもある。島根県下のスーパーマーケットでは大概販売されている。』

モチモチとした食感で、最初は甘さが来て、噛んでいると次第に旨味が広がる、赤色は赤唐辛子だそうだが唐辛子のピリリとした辛味は表にはでてこない。


2.おしのぎ
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巻寿司:
玉子、干瓢、穴子、胡瓜が巻いてある。玉子は甘く、穴子は、甘味の味に旨味、干瓢は普通の干瓢、胡瓜はシャキシャキの食感。
いなり寿司:
油揚げは甘く柔らかく煮てある。シャリはサッパリとした酢飯。


3.お刺身
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これは二人分が盛られている。
大葉の下に白い春雨のようなものが見える。
食べるとコリコリとした食感で、味はなく、サッパリとしている。コリコリとした食感を楽しむもののようだ。
大葉で巻いて醤油をつけて食べると、大葉の爽やかな香りと醤油の旨味とこのコリコリの食感が良く合った。

海藻のように見えるが、白く透明なので昆布や和布のような緑色をしていない。

調べてみると、海藻から抽出したアルギン酸を成形して麺状にした人工食品だった。
メーカーは日本業務食品株式会社。
http://www.n-kaiso.jp/productdescription-kaisosaladmen.html
「サラダちゃん」、「海藻サラダ麺」の商品名で売られている。


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上:勘八
サクサク・トロリの食感。口の中に脂の旨味が広がり、美味しい。

左:鯛
シコッとした食感ではなく、サクサクとした食感の後トロリとした舌触りになる。旨味があり、生臭さがない。熟成の旨味だろう。

右:鮪
トロリ・ネットリとした食感。噛むと鮪の旨味。熟した鮪の旨味。

日本酒もワインも薩摩芋も熟成の旨味は、新しいものとは違った世界である。
御瑠草の刺身は、熟成志向のようだ。


4.焼魚
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二人前が盛られている。
味醂の照りが表面に光る。口に入れるとシコシコとした食感の後味醂の味と香り。鰆は旨味の強い魚だ、味醂の甘さを追いかけるように旨味が広がってくる。


5.煮物
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筑前煮。

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蒟蒻 コリコリとした食感。
牛蒡 コリコリ・サクサク、甘い味。後口に、牛蒡の香りが快い。
人参 ホロホロ・ホクホク、甘い。
椎茸 甘い、シコシコの食感、椎茸の旨味が長く続く。
蓮根 ホクホクの食感。
鶉の卵 卵白はホロホロ、黄身はトロリとした食感。
ほうれん草 軽い甘み。


6.味噌おでん
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こんにゃく串おでん。
一人二本。
蒟蒻の食感が面白い、ムチムチではなくサクサクとした食感、味噌も甘みがあり軽い感じの味噌おでん。


7.蕎麦
〆は蕎麦。

蕎麦は手打ちなので、客ごとに順次出てくる。

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蕎麦が出てくるまでのつなぎに蕎麦のカリントウが出てきた。

これが美味しかった。
カリッと揚げられた蕎麦に、塩が降ってあるだけだが、シンプルの中に手練がある。
丸味と甘みのある塩がふんわりと大きく蕎麦を包み込む。ゆったりとした世界だ。カリッとした食感の後、塩の膨らみ、その後は雑味がなくサッパリと切れる。カリントウと言っても菓子とは別世界だ。

帰る時に作り方を訊いてみた。
油から上げたばかりの熱々の時に、まんべんなく塩を振る。そうすることによって味の広がりと膨らみが出る。
塩は、能登半島の揚浜式製塩のものを使うそうだ。
5
月の時は金沢の豆腐の味噌漬けが登場したが、御瑠草の大将は、全国の旨いものを料理に使うことが得意のようだ。
地のものを使う考え方もあるが、経験したことのない味に出会うことも楽しい。




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薬味は葱と山葵。

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蕎麦は細麺だが、コシがある。
この蕎麦は、作り置きができない、細いから茹でたてを食べなければ伸びてしまう。蕎麦好きにはたまらない。
蕎麦つゆは、甘さは抑えてあり、醤油味が中心だが、丸みがありまろやかで、旨味が強い。

御瑠草の料理は、丁寧に作られている。
大将は見たところ明るく豪快な人柄だが、その料理は手間を惜しまず、繊細な感覚で作られていて、その落差が面白い。


定刻の16時を過ぎ、年末を飾る最後の「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」は、宴の終わりの時を迎えた。
また、来年のお楽しみだ。

今日は、昼間の宴でゆっくり落ち着いて宴を楽しむことができた。
損得抜きで内容充実のレアものの出品酒を用意していただいだ酒の中島屋店主、休日の日曜日にこの会のために店を開いていただいた御瑠草の大将に感謝する他はない。

酒と料理の一期一会の宴。
参加することができて幸せだった。


【データ】

<酒の中島屋>
岐阜県岐阜市吉野町1-1
TEL
058-262-2515
FAX
058-262-2892
E
メール nakashim@jeans.ocn.ne.jp
定休日 毎日曜日

営業時間 午前9時から午後8時まで


<御瑠草 (おるそう)>
岐阜県岐阜市玉宮町2-15
058-263-6003
営業時間 18:00
24:00
定休日 日曜日




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2016/09/18 第315回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い at MINOてつめい (その1)

2016-09-18 23:20:00 |     季節の美味しさと日本酒を


岐阜駅に着いたら、信長公に拝謁せねばならぬ。
改札を出て、回廊に出ると、いつもと様子が違っている。

いつもは駅前の噴水広場は子供が遊んでいるか、暇な人がベンチに座って時間をやり過ごしている。
今日はテントと屋台が並び大勢の人が集まっている。

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イベントに雨は最大の敵だが、今日はなんとか持ちこたえている。

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人が集い賑わう様子を見て、楽市楽座を良しとした信長公はご満悦だろう。

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信長公は、雨であれ風であれ雪であれ、常に昂然と光り輝いておられる。
その意気を感じとらせていただかなければならぬ。

拝謁を済ませ、今日の会場の「MINOてつめい」に向かう。

会場につくと、開始30分前なので来場者はまだ常連さんお一人だ。

受付を済ませ、指定された場所に着席。
受け取った「利き酒メモ」を開いて、今日の出品酒を見る。
どんな酒が登場するか心ときめく瞬間だ。

今日は、愛知の神の井酒造の蔵元さんが参加されるので、神の井の銘柄が柱になっている。
全部で18銘柄がリストアップ。

店の右側のカウンターには、今日の宴用に和らぎ水、グラス、片口、御銚子が用意されている。

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マイ猪口を持ってこない人のために、お猪口も用意されている。
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お好みでお燗もできるように、用意は周到だ。



【今日の出品酒】
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つのコーナーに分けて18銘柄が用意されている。
加えて、蔵元さんが持参された神の井特別純米を含め19銘柄になった。

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宴か終わり、カウンターの上に勢揃いした銘酒たち。

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以下利いた印象を記載するが、個人的な嗜好により感じたことを書いているので、客観性はない。
関心のある方は、自ら飲んで自分の嗜好により確認いただきたい。

銘柄ごとの個別写真は、会場で撮れなかったので、一部のものを除きネット上のものを転載させていただいている。


最初のコーナーは、
<乾杯・『神の井』のお酒を楽しみます>

1 神の井 純米 美山錦 神の井酒造 (愛知)
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立香は、甘い香り、吟醸酒並みに立つ。甘い入り口、スピードのある切れの良い酸。後半辛味あり。後口の切れ良い。

立香も良く、味に癖がないので、単独でも食中酒でもいける、オールラウンダー的な酒の印象。

スペックを確認すると、長野産美山錦の45%精米だ。
ラベルが純米となっているので間違えたが、スペック的には純米大吟醸だ。スペックを見ると納得のできる品位がある。


2 神の井 大高 純米吟醸 神の井酒造 (愛知)
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立香は仄かな吟香。甘い入り口、舌触り滑らか。酸は丸みを感じる。秋刀魚によく合った。



3 神の井 純米 201512月製造 神の井酒造 (愛知)
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立香は甘く上品な印象。トロリとした入り口。大きく膨らむ大きな世界。甘い入り口、酸の膨らみあり、味のバランスが良い。含み香甘い。後半辛味がピリリと締める。


スペックを見ると普通の純米酒だが、口に入れてみるとなかなかのものだった。
膨らみが大きく、おおらかな大きな世界が快い。味のバランスが良く、含み香にも癖がない。
丁度今が味の乗りが旬かもしれない。


4 神の井 寒九の酒 純米大吟醸 雫取り 神の井酒造 (愛知)
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立香は爽やかな大吟醸の香り。甘い入り口、トロリとして膨らみあり、切れが良く、上品な世界。後半苦味あり。

後半、やや苦味が浮くが、純米大吟醸らしい味わい。
神の井の吟醸酒を代表する銘柄だ。


5 神の井 大吟醸 全国鑑評会出品酒 神の井酒造 (愛知)
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立香は軽めの甘い吟醸香。甘い入り口、酸の後辛味を中心に五味の味濃い。後半、辛味と苦味の後やや味が長い。後口は辛味系。


最高のスペックの大吟醸。
嗜好の問題が表に出てくる大吟醸だ。
個人的な嗜好では、大吟醸はやや細身で、スッキリと切れる大吟醸が好きだ。
この酒は度数が高いからか、味が濃く、味の持続が長い、個人的には、もう少し早く切れて欲しい。


(番外)神の井 ナゴヤクラウド 特別純米

蔵元さんが持参されたお酒。利き酒リストには載っていない。
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帰ってみると、どういうわけか、利き酒のメモが残っていない。
何かに気を取られて、飲んでいないのかもしれないし、飲んだけれど酔っ払っていて書き忘れたのかもしれない。



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2016/09/18 第315回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い at MINOてつめい (その2)

2016-09-18 23:15:00 |     季節の美味しさと日本酒を


<新規取扱酒・新発売酒 を楽しみます>

6 三千盛 (不明)  三千盛 (岐阜)
(写真なし)

立香はあまり感じない。甘い入り口。芯のある厚みのある味が続く。パンチのある世界。燗をつけると広がりが出た。冷でも燗でも違った味わいを楽しめる。



7 獺祭 等外30 旭酒造 (山口)
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立香は甘い香り。甘い入り口。酸は膨らみがあり、切れ良い。含み香は程良い吟香。辛味・苦味あるが浮かず、味を締めている。後口は辛味系。味の設計が上手く行われている印象。



等外という名称の由来は、等級外の山田錦ということだそうだ。
栽培した酒米山田錦の生産量の5~10%程度は等級の規格から外れる物ができるが、従来はくず米として処分していた。
この等級外米を使って、酒を造ったのが獺祭等外だそうだ。

等外米を使用すると、「大吟醸」や「純米酒」などの表示を使えなくなるため、新しいブランドとして「獺祭等外」を立ち上げた。
ただ、等外米で造った酒は、3カ月程度経つと味が落ちてしまうことから、消費が早い飲食店(和民など)のチャネルに販売をしている。



<秋の酒・今年のひやおろし>

8 玉川 山廃本醸造 ひやおろし 木下酒造 (京都)
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立香は、甘さ+α。甘い入り口、すぐ辛味と渋みを中心として五味の濃い味。

パンチの有る味わい。
名古屋めしには合いそうだ。


9 鯨波 純米吟醸 ひやおろし 恵那醸造 (岐阜)
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甘い入り口。甘みの後、酸は膨らみは大きくは無く、スッキリとしている。
中盤以降甘味・渋みを感じる。吟醸酒らしい味わいだ。



10 庭の鶯 特別純米 ひやおろし 山口酒造場 (福岡)
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立香は甘さとお菓子のような香りの混合物。甘さの後酸の膨らみ、乳酸の含み香。


11 梵 純米吟醸 ひやおろし 加藤吉平商店 (福井)
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立香は甘さに加えて、仄かな熟香のようなものを感じる。甘い入り口の後、酸はあまり膨らまず、やや芯のある味わいで、硬さを感じる。梵に対して持っているイメージとは違うが、これも梵。

調べてみると、山田錦・五百万石を使用し、「吟撰」クラスの磨き5割(50%)の純米大吟醸酒と「ときしらず」クラスの磨き5割5分(55%)の純米吟醸酒をブレンドして作られている。
ブレンド酒は、香りと味の繋がりが難しい。立香も甘い香りと塾っぽい香りがするのはブレンドによるものかもしれない。


12 白岳仙 純米 ひやおろし 安本酒造 (福井)
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立香はあまり感じない。なめらかな舌触り。中盤、辛味と苦みが締める。味の厚みがある。白岳仙のスッキリとしたイメージとは違う濃さを感じる、これも白岳仙。

福井の銘酒梵と白岳仙のひやおろしの飲み比べ、ひやおろしだから味が乗って当然で、前の梵とこの白岳仙は、既成のイメージを広げる意味では共通している。


13 百歳 純米 ひやおろし 生詰熟成原酒 吉久保酒造 (茨城)
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甘い入り口含み香を感じる。甘さの後、酸はあまり膨らまず、中盤以降苦味・渋味が浮き気味。パンチを感じるがやや硬い印象。後で、燗をつけようと思ったが、忘れてしまった。





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2016/09/18 第315回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い at MINOてつめい (その3)

2016-09-18 23:10:00 |     季節の美味しさと日本酒を


<本日の贅沢・大吟醸を楽しみます>

14 明鏡止水 純米大吟醸 ひやおろし 大澤酒造 (長野)
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山田錦50%精米。

立香は甘い香り、中に熟した香りも含まれる。甘い入り口。酸の広がりは普通。中盤以降、甘・苦・渋の味わい、典型的な吟醸酒の味の展開。



15 清泉 純米吟醸 越淡麗 久須美酒造 (新潟)
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立香は仄かに甘い。甘い入り口、味の主張が穏やかで、良く言えばと柔らかく上品な世界。パンチが好きな人は物足りないかもしれない。味のバランスは良く、偏らない、食中酒としての幅は広そうだ。
燗にしたいと思ったが、実行できなかった。


16 〆張鶴 純米吟醸 越淡麗 宮尾酒造 (新居)
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立香は仄か。甘い入り口。酸は膨らみゆったりと広がるが、クリヤーな印象ではなく、緩みのある感じがする。後半にかけての切れがもう一つの印象。単独で飲むより食中酒としての適性がありそうだ。


新潟の銘酒清泉と〆張鶴の新潟の酒米越淡麗を使って造った酒の利き比べ。
原料米の越淡麗(こしたんれい)は、新潟県で16年かけて研究・開発された、山田錦に対抗する吟醸酒仕込み用の新しい新潟県産米。
山田錦を母に、父方には新潟県を代表する酒造好適米五百万石を交配したものだそうだ。


<熟・醇・を飲む>

17 松の司 山廃純米 松瀬酒造 (滋賀)
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 2010
6月詰 山田錦65%山廃純米酒。
前杜氏瀬戸清三郎氏の造り。

立香は仄かにするがよく解らない、嫌な香りではない。甘い入り口。酸は意外に膨らまず、辛味が来て切れの良い味わい。中盤以降も辛味が続く。後口もピリ辛系。

詰め後6年を経過しているが、老てはいない。
まだ味わいが鮮である。6年の歳月は切れの良さに在る。


18 東一 大吟醸 雫取り<20123詰> 五町田酒造 (佐賀)
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立香は甘い吟香。甘い入り口。酸はあまり膨らまず、切れ良い。東一らしい発泡感の名残を感じるのは幻影だろうか。中盤、含み香甘い、甘・苦の後よく切れる、吟醸酒らしい世界。後口の切れも良い。


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年間の熟成が切れの良さを創っている。高価な酒を熟成させる、贅沢な遊びに結果が伴っており、口にすれば幸せな気分になることができる。




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2016/09/18 第315回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い at MINOてつめい (その4 )

2016-09-18 23:05:00 |     季節の美味しさと日本酒を


【今日の料理】

今日はカウンターの上にお品書きが用意されており、名前を考えなくてもよいのでありがたい。

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この記事では、出品酒と料理を別々に書いているが、実際はお酒も料理も同時並行で出てくるので、忙しい。

・シロカワカジキの手ごね寿司
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蓋付きのお椀で登場した。
蓋物は蓋を開ける楽しみがある。

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シロカワカジキの刺身、刻み大葉、カイワレ、ご飯、わさび。

シロカワカジキの刺身は、味がついている。軽く漬けてあるのだろうか、一仕事するのは江戸前だが。
刺身に大葉の香りが乗り、爽やかな刺身になる、刺身の食感の後から味が追う。
ご飯は甘みのある酢飯。わさびの薬味もあり、色々風味を変えられる。


・からがき胡麻酢かけ
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からがき、胡麻の酢

果物のようには見えたが、品書きには「からがき」と書かれており、何かわからなかった。

口に入れると、トロリとした甘さで、無花果だった。
トロリとした食感に胡麻の酢がサッパリ感を与え、種のパリパリとした食感の後、胡麻の香ばしい香りが追いかけてくる。

帰って調べてみると、地域によっては、無花果をを別称で「唐柿(とうがき)」と呼ぶらしい。これから転じて、「唐」の字を「から」と読み、「からかき」とも言う様になったそうだ。


・飛騨ジャンボなめこみぞれ和え
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グラスに下から階層になっているので、全体が見渡せないが、最上部にはいくらが乗っている。

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主役は真ん中にある、飛騨ジャンボなめこ。
食べてしまって写真は撮れなかったが、通常のなめことは大きさが全く違う、マッシュルームくらいの大きさがある。

サッパリとしたおろしといくらの味わいのバランスの後、なめこのトロリとシコシコの食感がある。


・万願寺ししとうとちりめんじゃこ炊き合わせ
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万願寺ししとう、ちりめんじゃこ、おろし、干し湯葉

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これは熱々の料理なので、順番を入れ替え先に食べた。
万願寺ししとうは素揚げしてあり、甘い。湯葉の軽い食感と風味、ちりめんじゃこは固いままで、噛んでいると旨味が広がる。

参加者が異口同音に出汁が美味しいと行っていた。
甘さの内に旨味が確りと含まれている。
いつものことだが、出し汁は肴だ。
神の井 大高 純米吟醸に合わせると、酒と出汁が響き合って、win-winの関係になる。


・みょうが郡上みそ和え
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みょうがのシャキシャキの食感、噛む内にみょうがの香りが口の中に広がる。その後、郡上みそと何かの旨味が混じり合った旨味が残る。


・塩ゆで落花生
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落花生を殻ごと塩茹でにしてある。
割って中の豆を口に入れると、カリカリとシャキシャキの中間の微妙な食感。薄い塩味でサッパリとしている。後口に豆の香りが残る。



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2016/09/18 第315回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い at MINOてつめい (その5 )

2016-09-18 23:00:00 |     季節の美味しさと日本酒を


・あじめどじょう南蛮酢
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泥鰌、パプリカ、玉葱、人参、刻み葱、白胡麻。
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小振りな泥鰌がカリッと揚げられ、甘酢に漬け込んである。
玉葱、人参、パプリカなど野菜はシャキシャキとした食感、泥鰌はシコシコとした食感で、歯ごたえが気持ち良い、噛んでいると旨味が出てくる。


・サンマ友肝焼き
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秋刀魚、刻み葱、付け合せは茗荷だったか、記録していない。
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秋刀魚を口に近づけると香ばしい香りが立っている。口に入れると、甘さを感じた後、トロリとした食感。秋刀魚の旨味を感じるが加えて少し癖のある旨味が加わって後を引く。スモークされたような旨味だ。これは、酒の肴に合う。

宴が終わった後、板前さんにお聞きすると、スモークはしていない、焼いているだけとのこと。
友肝焼きというと、タレに魚の内臓を混ぜて焼く料理法なので、烏賊のゴロ焼きのように複雑な旨味が加えられる。スモークの旨味と勘違いしたのは、友肝のタレの旨味かもしれない。


・銀杏の醤油ステーキ
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(たくさんあったが、写真を撮るのが遅れ、慌てて撮った。その為量も少なく、ピンぼけだ。)

お品書きには書かれていない一品が出てきた。
「銀杏の醤油ステーキ」は、筆者が勝手に付けた名前だが、銀杏を醤油ベースのタレで香ばしく焼き上げてある。
口に入れると皮の外側の醤油のタレが香ばしい、皮を取り除いて中の実を食べると癖のある銀杏の旨味を二度味わうことができる。


・甘鯛うろこ揚げ
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甘鯛、栗、ニンニク、白髪葱。

甘鯛の唐揚げはカリッとした食感、肉の旨味、甘酢の味が爽やかさを出している。
骨せんべいは、パリパリの食感、すべて食べられる、噛んでいると骨が次第次第に細かくなるに連れ旨味が口に広がる。身も美味しいが骨せんべいの方がもっと美味しいといえる程だ。

栗は、カリカリの食感、仄かに甘く固い、次第に栗の香りがしてくる。
ニンニクは殆ど生の感じ、カリカリとした食感の後、ピリピリの辛味、ニンニクの香りとパワーが詰まっている感じだ。


・鹿肉とニラの炒め物
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鹿肉、エリンギ、ニラ。
鹿肉はホロホロとした食感で柔らかい。癖は全く感じない。残香に甘い香りが残る、蜂蜜だろうか。


・すだちうどん
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すだちのスライス、白胡麻、うどん。

薄味の出汁、すだちの酸味と香りと胡麻の香りが口の中をサッパリとさせる。
うどんは適度なコシと滑らかさでサッパリとした出汁に乗って、スルスル食べられる。



【感想】
(1)
毎回思うことだが、この会は内容が濃い。
お酒の本数も多く、種類も様々な酒が登場する。
料理は、会場が変わるので、その会場の料理になり、毎月出ても同じ料理になることはない。

お酒も料理も同時並行的に登場するので、確り味わい心に留めようとすると、大変忙しい。
嬉しい悲鳴をあげそうになる忙しさだ。

2)お酒のテーマは一つではなく、複数テーマがある。
主催者の中島屋店主西川氏が、各コーナーを作り、そこに明示的若しくは暗黙のテーマが設定されている。
コーナーは各回ごとに設定されるので、当日、利き酒メモを開くまでわからない。

(3)
今日の出品酒で面白かったことをいくつか。
・神の井は愛知県の吟醸酒の騎手だが、今日は純米酒が、美味しかった。
お酒はスペック、値段も重要だが、範囲を飛び越えて、自分にピッタリ来る酒もある。そんな酒に出会えるのは嬉しい。

・ひやおろしでは、福井の梵と白岳仙の飲み比べ
両銘柄ともクリヤーな切れの良いイメージを持つ銘柄だが、ひやおろしなので味が乗り、従来のイメージから離れた味の厚み・濃さを表に出している印象がしたのは共通していた。

・もう一つは、越淡麗の水平飲み比べ。
新潟の銘酒清泉と〆張鶴の水平比較。
越淡麗は、味のバランスが良く、癖がなく、上品な味わいで、名前の通り越後の淡麗な酒質の酒を造るにはぴったりな酒米であることは共通していた。
今日の比較では、清泉のほうが酸の切れが良くきりりとしていたので好みだった。

・熟成酒のコーナーでは、歳月は切れを生み出すことが実感できた。
特に東一は大吟醸の熟成酒の気持ちよさが現れていた。

(4)
今日の料理も趣向に富んでいて、面白かった。
振り返って写真とメモを見ると、どの料理も面白く美味しかった。
サンマの友肝焼きは、初めて食べたが、スモークのようなちょっと癖を感じさせるものが、スタイルとしての友肝であったのには料理の奥深さが理解できた。

(5)
日曜日の昼3時間の宴は、充実していたこともあり、あっという間に終わってしまった。
帰り、金神社、柳ヶ瀬あたりはイベントで人が大勢出ていた。
そう、週末はイベントに参加しなくては。
次はいつになるか、楽しみだ。




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2016/05/22  第311回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その1)

2016-05-22 23:58:00 |     季節の美味しさと日本酒を


久し振りの岐阜酒の中島屋さんの「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」に参加した。
3月までは時間の自由がなく、特に土・日は殆ど自由がなかった。従って、お酒のイベントにも出られなかった。

今回は、日曜日の昼からの宴会で欠かすことが出来ない企画だ。
しかし、気づくのが遅くなり、申し込んだ時は満席になっていた。残念だが已むを得ない。キャンセル待ちでお願いしたが、人気の酒の会、常連が参加しており、会場も18名程度なので参加は諦めていた。

ところが、20日の朝電話があり、キャンセルが出たとのことで、急遽参加できることになった。
(後で、お聞きすると、sake nagoyaでお世話になっているA ご夫妻の奥様が都合が悪くなり欠席されることになった席が小生に回ってきたとのこと、これもお酒のご縁というもの、感謝の他はない。)

欣喜雀躍、勇躍、岐阜駅に到着、信長公に拝謁を終えれば、只管会場へ歩くばかりだ。


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御瑠草は、初めての店だ。
オルソウとは、イタリア語で熊だそうだ。

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なんでも、店の大将が熊のような風貌で豪快な人で、そのような店名にしたとのこと。

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ところが、料理はイタメシではなく、和風の居酒屋の粧いだ。
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三千盛の菰樽が店頭にあり、良い雰囲気だ。


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店内に入り受付を済ませれば、後は開始を待つばかり。
店は左がカウンター席、奥がテーブル席になっている。
手前のテーブル席に座る事になった。



この会は、中島屋店主のシナリオにそって、各コーナーが設けられ、コーナーごとにテーマの酒が登場することになっている。
受付時に渡される「利き酒メモ」にコーナーと出品酒一覧を見る時、どのような趣向なのか心が弾む。

今日は、瑞浪の蔵元ご夫妻が参加されており、乾杯酒から若葉の銘酒にスポットが当てられている。

定刻の1時になり、中島屋店主の挨拶の後、乾杯して宴が始まった。


【今日の出品酒】
以下、利き酒の印象を記載するが、個人の嗜好によるもので元より客観性はない事を申し上げておきたい。

<乾杯酒>
1) 若葉 夏の純米 生原酒 27BY 若葉(株) (岐阜)
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酒米は、朝日の夢と飛騨誉、60%精米。
爽やかな甘い香り。甘い入り口。トロリとした舌触り、滑らかでスピード感のある広がりの中にハードな感じもある。中の方に辛味が詰まっている。後半渋味の押しがある。中盤の膨らみと滑らかさに特徴がある。夏の酒だが軽い酒ではない、味の厚みもあり。度数も1718度なので飲み応えもある。


<『若葉』の逸品>
2) 若葉 おおいばり 特別純米 生原酒 27BY 若葉(株) (岐阜)
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酒米は五百万石、60%精米。
立香はあまり感じない。甘いトロリとした入り口。滑らかな舌触り、透明な膨らみが長く続く。後半渋味の押しがある。(1)に似ている世界だが、(1)の方がフレッシュさと香りがあり生らしさが強い。


3) 若葉 特別純米 若葉(株) (岐阜)
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酒米は五百万石、60%精米。
仄かな甘い香り。トロリとした舌触り。滑らかさを感じる。(1),(2)に比べ軽い舌触り。酸の膨らみは早く終る、早く終る分だけ相対的に淋しさがある。この差は度数が1516度と1度低いので相対的な関係と言える。


4) 若葉 純米吟醸 若葉(株) (岐阜)
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酒米は雄町、50%精米。銘柄名は純米吟醸となっているがスペック的には純米大吟醸である。
立香は仄かに甘く、穏やかなもの。甘い入り口トロリとした舌触り。透明な膨らみがゆったり感を感じさせる。広範囲掛けてトロリ、滑らかさが続く。後口は苦味系だが浮かず締めている。吟醸酒らしい味の展開で快い。


5) 若葉 大吟醸 三年蔵囲い 秘蔵酒 若葉(株) (岐阜)
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酒米は山田錦、45%精米。
立香はあまり感じないが、仄かに甘い。甘い入り口、酸は滑らか、だが膨らみは大きくなく小さめ。中の方に渋味を感じる。3年熟成だが、まだ固い感じ、この酒のベストチューニングはもう少し先のように感じられる。5年位囲っても確りとした味わいを考えれば大丈夫だろう。


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2016/05/22  第311回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その2)

2016-05-22 23:50:00 |     季節の美味しさと日本酒を



<純米酒 飲み比べ>
6) 千代菊 純米吟醸 無濾過原酒 う 千代菊(株) (岐阜)
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酒米は夢山水、55%精米。度数16度。
立香は甘い吟香。甘い入り口。酸の膨らみは大きくなく透明感を感じさせるもの。辛味が早く来る。含み香が少しシャビつく感じがある。後口の切れはもうひとつ。


7) 鯨波 純米吟醸 袋吊り 生 恵那醸造 (岐阜)
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酒米は飛騨誉、50%精米。スペック的には純米大吟醸。
立香は明確な吟醸香。甘い入り口、トロリとしている。膨らみを感じる。酸の広がりはあるが長くは続かない。後半苦味・渋味を感じるが気になる程ではなく、吟醸酒の味の展開に収まっている。若葉の純米吟醸と同じような印象で比較の対象になる。


8) 墨廼江 純米吟醸 雄町 墨廼江酒造 (宮城)
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酒米は雄町、55%精米。
立香は仄かな吟香。辛味のある入口。酸は膨らまず、中に集まる印象。辛味が中心にある味わい。後半広がらない。全体として固さを感じる味わい、雄町らしいといえばいえる。ステーキとかどて煮とかこってりとしたものに合うかもしれない。


9) ゆきの美人 純米吟醸 山田錦 秋田醸造 (秋田)
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山田錦、50%精米、スペックは純米大吟醸。
立香は仄かな吟香。シュワシュワの発泡感を感じさせる味わいがあり、酸の膨らみがあるが、発泡感の爽やかさが切れの良さを演出する。後口も良い。


10) 東一 純米吟醸 山田錦 五町田酒造 (佐賀)
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山田錦、49%。純米大吟醸のスペックだが、これも純米吟醸の表示。
甘い立ち香。甘い入り口。酸は膨らみがありフルーティーなもの。微かな発泡感の名残のようなものを感じる。辛味の後、苦味・渋味と展開するが浮くものではなく気にならない。


11) 奥能登の白菊 純米 熟成酒 白藤酒造店 (石川)
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石川門と五百万石、60%精米。5年熟成酒。H284月詰。
立香は老香。甘い入り口。酸は膨らむ、甘さもある。含み香にも老香が続く。後半、渋味も浮く。後口、残香にも老香を感じる。豚肉と新じゃがの煮物の濃い目のタレに合わせてみたが老香は消せなかった。燗をつけるしかなさそうだ。



<大吟醸の逸品>
12) 初緑 大吟醸 斗瓶囲い 高木酒造 (岐阜)
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山田錦、35%精米、大吟醸斗瓶囲い。
立ち香穏やかな吟醸香。入り口は透明で酸の膨らみ大きく味のバランス良い。大きな世界である。苦味は浮かず底で締めている。含み香がタブつかないのが純米大吟醸より好ましい。


13) 初緑 純米大吟醸 斗瓶囲い 高木酒造 (岐阜)
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山田錦、35%精米、大吟醸斗瓶囲い。
立香は仄かな吟醸香。トロリとした舌触り、酸の膨らみあり、透明感もある。含み香も吟醸香、かなり持続し主張する、苦味は浮かず底で締めている。


14) 白岳仙 特仙 純米大吟醸 安本酒造 (福井)
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酒米は吟の里、40%精米の純米大吟醸。
立香は、吟醸香が立つ。甘い入り口。酸の膨らみはあり、含み香は続く。ただし、中盤過ぎて苦・渋が浮く。後口も切れが今ひとつ。



<熟成酒も楽しみます>
15) 白岳仙 純米吟醸 あらばしり 平成23年詰 安本酒造 (福井)
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山田錦、55%精米。純米大吟醸の5年熟成酒。
立香は、軽い干し物の香り。5年の熟成酒だが発泡感を感じる、シュワっとした酸の切れが快い。、後口の切れも良い。今まで経験したことがない一つの世界がある、新酒のようでありながら熟成酒のように後口の切れが良い個性的な世界。


16) 芳水 特別仕込み大吟醸 平成4年詰 芳水酒造 (徳島)
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山田錦、35%精米の大吟醸。中島屋の低温保管庫で24年熟成された熟成酒の極み。
冷や: 口元に近づけると、不思議な事に老香の香りが全く無い。だが無臭ではなく、24年間閉じ込められた香りがある、ある人は埃臭いと表現し、ある人はビンテージワインの香りと言い、ある女性は檜の香と表現した。口に含むと、酸の膨らみは感じない、甘さの後辛味を感じる、含み香も立ち香の香りが続く、中盤渋味と辛味が続く。長期熟成酒は味がこなれて枯れた味わいになるものがあるが、この酒は違う、ヘタレは無くまだ生きている。24年の果てに日本酒の地平線が開ける想いを起こさせる。
燗: 燗も頂いた。冷やより立香が高くなる。膨らみも増し辛味を感じなくなる。燗も良い。



出品酒全体の利き酒の感想は、(その3)に記載する。




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2016/05/22  第311回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その3)

2016-05-22 23:45:00 |     季節の美味しさと日本酒を


【今日の料理】
今日の会場の御瑠草さんは、「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」では、お馴染みの店のようだが、筆者は初めてなのでどんな肴が出るのか楽しみである。

オルソウ(orso)はイタリア語だそうだが、料理はイタリアンではないのも面白い。まだ、判断ができないが、和食をベースにした創作料理のようだ。

席に着席すると5人掛けテーブルに、御つまみの三点盛りは各人ごといなり寿司と海苔巻きはお盆で五人前が用意されている。

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料理の品書きはないので、以下出された順に適当な名前で書いてみる。

<御つまみ三点盛り>
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見たところは何かわからないが、食べてみると、そうか! だった。

・豆腐の味噌漬と胡瓜
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胡瓜が下にあるので、上に乗っているのは味噌と思ったら、違っていた。
とろり、ねっとりとした舌触りで味噌にしては滑らかな舌触りと思ったら、旨味が口中に広がる、味わいはチーズだ。日本酒の肴にピッタリで旨い。説明では、豆腐の味噌漬けとのこと。
この舌触りとチーズのような旨味は、すぐに沖縄の豆腐ようを連想させる。
お腹にたまる料理は酒の邪魔と考えるような呑助には、必須の肴といえる。

取り皿にこれは保存し、チビチビと色々な酒にあわせてみた。
豆腐ようは、ベースは泡盛と紅麹だがこれは味噌と麹のようだ。
その分日本酒との合性は良い。

宴が終わり、帰る時に大將に自家製かどうか訊ねてみた。
答えは、石川県から取り寄せているが、常にあるものではないとのこと。
(帰宅後調べてみた。
金沢市の「うめさのおみそ」と言う店が販売している「とうふの味噌漬」がこれに該当しそうだ。
同店の説明には、『古来、中国や沖縄より伝承される「とうふの発酵食品」を参考に当社は秘蔵の味噌に白山麓の堅豆腐(国産大豆使用)を半年以上漬込み自然で風味豊かな珍味「とうふのみそ漬」に仕上げました。
柔らかさの中にコクがあり、とろんと口中に広がっていく味わい深い逸品です。』と書かれている。
矢張りルーツのひとつに豆腐ようがあるようだ。


・卯の花の煮物
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これも見たところよく判らなかったが、口に入れて、卯の花と判った。
卯の花は、料理が難しい。パサパサした食感になり、味がまとまらないことが多い。
だがこれは、全くパサパサが無くしっとりとした食感で柔らかい。出汁がかなり濃く取られており愛想がない卯の花に旨味をたっぷり含ませている。日本酒の肴にチューニングがされている。

最初の2点で、この店が気に入ってしまった。

・ぜんまいの花鰹醤油和え
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伝統的な日本の食べ物。サッパリ感が身上。
醤油の柔らかさが感じられる。


<メヒカリと練り物の唐揚げ>
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赤いものは、見たところ沖縄でポークと玉子でよく登場するポークランチョンミートの揚げ物のように見えた。
食べてみると違っていて、水産加工品の練り物、甘いはんぺんだった。

メヒカリの唐揚げは、カリカリとした食感の後塩味。噛んでいると次第にメヒカリの旨味が広がる。残香に乾物風の香りが感じられる。
このメヒカリは生ではなく、一夜干しのものを揚げてあるのだろうか、後で聞いてみようと思ったが、酔ってしまって訊くのを忘れた。


<味醂干しの焼き魚>
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味醂干しだがあまり甘味が先行するのではなく、旨味を感じさせる入り口、魚はシコシコとした食感、癖、臭みのない味わいで上品。
後の説明では、魚は三重のハタだそうだ。


<皮付き豚肉と新じゃがとスナップエンドウの煮物>
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見たところ醤油味が濃そうに見えるが、そうでもなく醤油は柔らかく丸みがあり、塩の尖った味ではない。

豚肉は皮付きを使っており、皮の表面のモチモチ感とその下の脂肪のトロリ感を楽しむ事ができる。沖縄のラフテーを想い起こさせる食感と味だ。

ジャガイモは見かけほど煮こまれてはおらず、新じゃがのあっさりとした食感がある。

スナップエンドウは後で合わせただけで、本来の野菜の甘さとシャキシャキの食感。

段階を追って手間がかけられている事がわかる料理だ。


<いなり寿司と海苔巻き>
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いなり寿司は、柔らかい味で油抜きがしっかりされており、ふんわりとした味わい。何か香りが残るが、何の香りだろう。

海苔巻きは、中身が具沢山。
人参、高野豆腐、かんぴょう、穴子、玉子、青菜(ほうれん草?)。
中身の食感と旨味のコラボレーションと展開が面白い。


<烏賊、胡瓜の酢の物>
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烏賊は醤油味の旨味、噛んでいると茗荷の香りがする。
花鰹がかかり、胡麻の味もする。


<手打ちそば>
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この店は、手打ちそばが有名だそうだ。
出された時は、シコシコの蕎麦のコシがあり、蕎麦のタレは丸みのある醤油で枯らしてあり切れが良い。甘さは抑えて旨味を感じさせるタレ。
麺が細いので、飲んだりメモを書いている内に、見る間に柔らかくなった。この店では、出されたらすぐ食べる事が肝要だ。



【全体の感想】
1)久し振りに参加した日曜日の「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」は、中身が濃くこの会ならではの内容で満足した。

2)お酒
・今回の華は、「芳水 特別仕込み大吟醸 平成4年詰 芳水酒造 (徳島) 」。
平成4年製造の大吟醸が酒の中島屋で23年間低温庫で囲われていたもの。
<熟成酒も楽しみます>のコーナーでの店主の説明は、長時間熟成させたリスクのあるものとの説明があった。
飲んでみると20年超の時間は感じられなかった。言われなければ、冷やおろしぐらいの感じを受ける程生きている酒だった。
今回の出品酒では最も高価で18400円の最高クラスの大吟醸。
それを23年間寝かすというのは何だろう。
民事法定金利5%で23年間の利息を計算すると、間違いがなければ、3.0715倍になる→8400円?3.071525800円となる。
熟成酒の場合、結果は蓋を開けてみなければわからない。25800円のコストが無駄になることも十分起こりうる。
この好奇心というか実験精神の所産であるこの酒を口にすることが出来るだけでも有り難い。
今日の結果を見ると、造りが良く、管理が良ければ日本酒の20年ものビンテージの世界は存在する事がわかる。商売として成り立つかどうかは別にして。

・印象に残った酒
若葉では夏の純米が、薄い夏酒ではなくパンチのある夏酒で良かった。値段も2500円とリーズナブル。純米吟醸のバランスも良かった。
純米酒飲み比べでは、鯨波袋吊り、ゆきの美人が良かった。
大吟醸の逸品では、初緑の2銘柄、先日下呂の帰りに高木酒造に寄り利いた奥飛騨の大吟醸も良かったが今日の初緑も良かった。
岐阜の酒蔵の出品酒のレベルが高かったのは良いことだ。
白岳仙の5年熟成酒も面白い世界を持った酒だった。

(3)
御瑠草の料理
大將は豪快な印象の人で、大声高笑いの濃い人なのだが、料理は尖らず柔らかいものだった。
この大將と料理の関係が面白さと魅力を感じさせるものかもしれない。



午後4時をまわり、宴は終わったが。
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次会はまだ続く。

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後から御瑠草の大將ご夫妻も参加して、飲み直し。
漸く日が暮れ始める頃、中締め。
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外に出ると、夜の街はまだまだこれからだ...


今日も、良い一日だった。




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2015/12/13  第306回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その1)

2015-12-13 23:10:00 |     季節の美味しさと日本酒を


今日は、久しぶりに岐阜の酒の中島屋さん主催の「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」に参加。

2015年の最後を飾るこの宴は、林酒造(岐阜県可児市)の銘酒美濃天狗を皮切りに、しぼりたてから熟成酒まで山廃純米から大吟醸までの多彩な顔ぶれを楽しみ、年の瀬の忘年会を兼ねて福引大会も行われる盛りだくさんの会だ。

会場は、楮の3号店であるMINOてつめい。
 
岐阜駅から歩いて15分ほどの便利な位置にある。

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昼の12:00開始までには20分もあるがもう多くの参加者が着席している。

定刻には参加者全員が揃い、酒の中島屋店主西川さんから開会宣言があり、本日参加の林酒造林伊兵衛蔵元の音頭で、「美濃天狗 美濃のつらら酒 純米うすにごり」を乾杯酒として宴が開始された。

この会は、一つのテーマに絞るのではなく、西川店主が設定したコーナー毎に縦横無尽に酒を利く趣向になっている。
今回のコーナーは、6つのコーナーに分かれている。
<乾杯>
<参加蔵美濃天狗を楽しむ>
<新酒しぼりたて生のお酒>
<純米・個性を楽しみます>
<ちょっと贅沢・純米吟醸・大吟醸>
<熟・醇・を飲む>

登場したお酒は、18種類、定員20名では飲みきれない内容になっている。

以下、利いた印象を記載するが、個人的嗜好によるもので客観性はない。関心を持たれる場合はご自身で確認をお願いする。


<乾杯>

(1) 美濃天狗 美濃のつらら酒 純米うすにごり 林酒造 (岐阜)

 

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テーブルごとに置かれた片口に入れた乾杯酒を盃に入れ、乾杯。
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うすにごりだが、見たところは濃い目のうすにごりだ。

立香は甘酸っぱい香り。甘い入り口、丸い舌触り、スッキリとした酸で辛味が続き、ややシャープな印象を与える濁り酒。中盤は辛口のスッキリとした切れがある。後半適度な渋みがあり締める。後口も良い。



<参加蔵美濃天狗を楽しむ>


(2) 美濃天狗 本醸造 しぼりたて 林酒造 (岐阜)

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立香は軽い爽やかな香りを感じる。甘い入り口、酸は膨らまずスッキリとした味わいに移る速さがある。含み香に麹香を感じる。中盤辛味が続く。後口も切れが良い。全体としてハードな印象、度数も19度と濃い。


(3) 美濃天狗 本醸造 林酒造 (岐阜)
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しぼりたてと同じ造りだが印象はかなり異なる。入り口が甘いところは同じだが酸が膨らみゆったりとした穏やかさがある。含み香には軽い麹の香を感じる。味わいのバランスが良く食中酒に適性がある。加水され15度に度数調整されているのが印象の変わる主因かもしれない。


(4) 美濃天狗 一滴水 吟醸 生 林酒造 (岐阜)
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立香は吟醸香。甘い入り口。トロリとした舌触り、酸味と辛味が詰まっている感じ、この酒も度数が18~19度の濃度がある。中盤以降の切れが良い。含み香は仄かな吟醸香。この酒は単独でも食中酒でもいけそうだ。


(5) 美濃天狗 かくれ里 大吟醸 林酒造 (岐阜)
 

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立香は吟醸香。甘い入り口。ふわりと膨らむ感じ、トロリとした舌触りを感じる。吟醸酒らしい世界。後半の切れが良い。後口は辛味系。林酒造の吟醸酒は、更に上級のいひょうゑ、大棟梁もあるが、価格と中味のバランスが最も取れているのはかくれ里と思う。



<新酒しぼりたて生のお酒>


(6) 清泉 純米吟醸 しぼりたて 久須美酒造 (新潟)

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立香はほのかな吟香。スッキリとした入り口。酸の膨らみは大きくなく、展開が早くスピード感がある。中盤辛味を感じる。含み香に麹香を感じる。しぼりたてらしさがある。

このしぼりたての酒は、最後のコーナーに登場する9年熟成酒との垂直利き比べを行う趣向になっている。


(7) 梵 しぼりたて 初雪 純米大吟醸 山田錦 加藤吉平商店 (福井)
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澱の入ったうすにごり。立香は甘い香り。甘い入り口の後スッキリとした展開、含み香の吟醸香が立つ。中盤辛味のスピード感がある。後半にかけての切れが良い。後口は辛味系。梵の大吟醸の中では、シャープなスピード感のある切れを感じさせる。


(8) 七本鎗 純米 玉栄 しぼりたて 冨田酒造 (滋賀)
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立香は麹香。甘い入り口。トロリとしている。酸は大きくは膨らまず適度の膨らみ。味のバランス良い。新酒らしい世界でお正月の酒に合いそうだ。



9) 松の司 楽 純米吟醸 しぼりたて 松瀬酒造 (滋賀)
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甘い入り口。トロリとした舌触り。含み香は麹香。甘さの後辛味が展開する。後半の切れが良い。



(10) 松の司 純米吟醸 あらばしり <27BY> 松瀬酒造 (滋賀)
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立香は感じない。甘い入り口。含み香は麹香。酸は適度な膨らみ。味のバランスの良い酒。

この酒<27BY>は、最後のコーナーに登場する<26BY>との1年度違いの垂直比較を行う趣向になっている。



<純米・個性を楽しみます>


(11) 正雪 純米 辛口 神沢川酒造場 (静岡)

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甘い入り口、トロリとした舌触り。酸の膨らみがある。バランス良い。後半やや苦味が浮く。辛口系の切れではない。



(12) 瀧自慢 純米吟醸 備前雄町 瀧自慢酒造 (三重)
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立ち香は甘い香り。甘い入り口。含み香はほのかな吟香。味のバランス良い。吟醸酒らしい世界で癖がないので安心できる。かくれ里とともにお薦めの吟醸酒。


(13) 芳水 山廃仕込純米 芳水酒造 (徳島)
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立香は感じない。含むと山廃らしいムッとした含み香を感じる。甘い入り口。舌触り丸い。中盤から後半の味のバランスが良い。
山廃らしいさの癖が前菜の銀杏の醤油だれ炒めに良く合った。



<ちょっと贅沢・純米吟醸・大吟醸>


(14) 正雪 無量寿 大吟醸 神沢川酒造場 (静岡)
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立香はあまり感じない。甘い入り口。含み香は静岡の酒にしてはエチル香は感じないので飲み易い。だが固有の香りがある。甘い膨らみのある世界。味わいに癖はなくバランスは良い後半辛味系のスッキリとした切れがある。残香に甘い香りを感じる。含み香に好みが分かれるところがあるかもしれない。


(15) 満寿泉 特撰 大吟醸 桝田酒造店 (富山)
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立香は甘いほのかな香り。甘い入り口。酸は膨らまず、ややしょびつく感じだが舌触りは滑か。中盤以降辛味が浮くが後半の切れは良い。



(16) 梵 団 純米大吟醸 二割磨き 加藤吉平商店 (福井)

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(酒のみやごう
http://www.ly385.com/shohin.html
この酒は写真を撮る時、見つけられずに写真を撮ることが出来なかった。酒のみやごうさんのHPより転載させていただいた


立香は甘くフルーティーな香り。口に含むと甘い膨らみが口に広がる。味の偏りが無くバランスが良い。丸みを感じる。含み香に穏やかな吟香を感じる。痩せていなくて豊かなゆったりとした大きな世界。獺祭の磨き二割三分は上品だが痩せ過ぎの印象を感じたが、梵にはそれが無く、豊かである。

温度を上げて燗酒にした印象は、穏やかな甘い香り。甘い入り口。膨らみは大きい。大きな世界だが、中盤以降味のバランスが辛味の方に寄る。中盤に辛味・苦味の山があり、味の展開がやや落ち着かない。後口は良い。
冷でも膨らみのある酒なので、温度を上げる必要は無さそうだ。

梵の超吟とこの団は、立ちすぎない吟香と膨らみのある豊かな透明感と味のバランス、後半の切れ、全体の品位が素晴らしい酒だ。



<熟・醇・を飲む>


(17) 松の司 純米吟醸 あらばしり <26BY> 松瀬酒造 (滋賀)
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立香は感じない。甘い入り口。柔らかい舌触り。味のバランス良い。含み香に何か甘さを感じる。中盤以降辛口の味わいになりスッキリと切れる。27BYとの差は意外に大きい。膨らみ・柔らかさ・切れ・品位といった面では26BYが良く、日本酒における熟成の有効性を理解できる。


(18) 清泉 純米吟醸 しぼりたて <18BY> 久須美酒造 (新潟)
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立香はやや熟した香りだが老香ではない。甘い入り口。柔らかな舌触り。中盤はこなれてスッキリしているが、旨味はある。含み香にはチーズのような香ばしい香りがあり、持続する。バランスのとれた熟成酒らしい味わいで雑味のなさがある。後半僅かな渋みを感じるが味の締めになっている。

<新酒しぼりたて生の酒>コーナーと同じ銘柄だが新酒とは別の世界を味わうことが出来る。新酒は新酒らしいフレッシュ感、熟成酒は旨味と切れ、後口の良さで、それぞれの良さがある。
日本酒の奥行きの深さを知ることができる。




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2015/12/13  第306回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その2)

2015-12-13 23:00:00 |     季節の美味しさと日本酒を


今日の料理は、会場である楮グループ第3の店MINOてつめいの料理。

お酒がコーナー毎にテーマを持って出されるのと平行して、料理は一品一品提供される。
利きながら、運ばれてくる創作料理を味わうのはかなり忙しい。定番居酒屋メニューなら印象も定番だが、MINOてつめいの酒の肴はそうは行かない。

運ばれてきた時説明はあるが、お品書きはないので名前は筆者が勝手に書いたもの。

1.前菜6点盛り
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下左: クラゲの醤油漬けと大根おろしに薬味葱
下左中: 豆腐よう風 豆腐の塩麹焼酎漬け
下右中: 大根の浅漬
下右: あん肝の蒲焼き
上左: 鯖の棒鮨
上右: 銀杏の醤油炒め

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・クラゲの醤油漬けと大根おろしに薬味葱
コリコリとした食感のクラゲは濃い目の醤油味、さっぱりとしたおろしがクラゲの味とバランスをとる。

・豆腐の豆腐よう風
沖縄の豆腐ようは、紅麹と泡盛で長期間発酵させたものだが、これは塩麹と焼酎に漬けたもののようで発酵はしていない。食感も木綿豆腐の食感がまだ感じられる。口に入れると少し強めの塩味の後豆腐の旨味が出てくる。
沖縄の豆腐ようはねっとりとしてクリーミーな舌触りとチーズのような旨味が特徴だが、そのイメージとは違いさっぱりとした食感と後味だ。

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・大根の浅漬
カリカリとした食感は生に近い。塩味の豆腐の後では甘く感じる。前菜は個性的なものが多いので、大根は下のリセットに丁度良い。

・あん肝の蒲焼き
口に入れると香ばしい醤油だれの香りと旨味、殆どうなぎの蒲焼を口に入れた時と同じ印象だ。噛み始めると、あん肝の旨味が口の中に広がってくる。蒲焼きからあん肝への道中は、初めてたどる道筋で取り合わせが面白い。

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・銀杏の醤油炒め
銀杏は殻にヒビを入れ、醤油で香ばしく炒めてある。口に入れると香ばしさ、殻を取り銀杏を食べると、銀杏の個性のある旨味が出てくる。これも表面の香ばしさからよく知っている銀杏の味への道筋が、初めてで新鮮だ。

・鯖の棒鮨
鯖の棒鮨は一般的には、鯖を酢〆めにし、酢飯で巻いたものだが、これはそうではない。いろいろな工夫がある。
鯖は軽く酢〆めにしてあるかもしれないが、殆ど生の食感で鯖の刺身を食べている感じがする、ただ表面を炙ってあるようだ。
食べていると鯖の下に敷いてある大葉のさわやかな香りが立つ。
ご飯の中に、細い黄色・赤色の花びらのようなものが入っている。後で聞くと菊の花びらだった。


2.ローストビーフと茸の炒めの取り合わせ

・ローストビーブ
牛肉は肉汁が落ちる程度に加熱してあるだけでレアな状態だが火は通っており生臭さはない。食感は固くもなく柔らかくもなくさくりとした感じで、食べていると肉の旨味が次第に出てくる。牛肉らしい乳臭さも感じる。
牛肉の旨味と食感を味わう趣向のローストビーフだ。

・茸の炒め
茸は椎茸としめじ。味は甘めで醤油は控えめ、茸の生の食感が残してある炒め方。
椎茸は肉厚でコリコリとした食感。噛んでいると生の椎茸の旨味が感じられる。
しめじも同様で軽い炙りの香りの後は、しめじの食感と旨味が感じられる。


3.天麩羅
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具材は、春菊、金時人参、白子。

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・春菊
軽くサクサクの食感の入り口の後、ふんわりと春菊の味皇が漂う。
これは本土の天麩羅だ。沖縄のフリッター風の天麩羅とは全く違う世界。素揚げではなく衣でくるんでしまうこともなく、素材の味わいを活かす天麩羅の方法だ。

・金時人参
春菊の下に隠れているが、赤い輪切りの金時人参。金時人参は長く先の尖ったスタイルの良い人参で、沖縄の島にんじんを大きく長くして赤い色にしたような形状だ。
ホンワリとした甘みとざっくりとした食感だ。

・白子
カリッとした皮の食感の後、とろりとした舌触りの白子が出てくる。揚げて加熱され水分が飛ばされている分白子の旨味が凝縮されている。これは美味い。


4.氷見の寒鰤と蕪の取り合わせ
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具材は、寒鰤と蕪、薬味(葱が中心だが他のものも入っている?)

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・寒鰤
表面が炙られているが、中身は鰤の刺身の味わい。
タレは醤油ベースだが旨味系のすっきりと切れの良い物で、刺し身の邪魔をしない。

・蕪
カリカリとした食感で、軽快な味わい、生の甘さを感じる。
薬味葱とは違って、口を洗う清涼感がある。


5.スパイシーカレー
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〆は牛肉たっぷりのスパイシーカレー。
器が近づくとスパイスの香りが立ち上がってくる。
カレーを口に入れると煮こまれた肉の食感。

写真には写っていないが、ご飯には黒いものが混じっている。後で聞くと、黒米との事だった。

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牛肉たっぷりのスパーシーカレーにバジル、リンゴチップ、守口漬が添えてある。

リンゴのチップは、薄いがしっかりとした食感で、甘く、次第にフルーティーな味が広がる。(加熱は空炙り?電子レンジ?)

カレーの漬物は、福神漬が一般だが、今日は守口漬。甘さと粕の味が一服させる。

バジルは、癖がないので彩りと口のリセット。


6.デザート
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説明は聞けなかったが、牛乳のスムージー。
まったりとした舌触りの後、すっきりとした味わい、後をミルキーな香りが追ってくる。
底に苺が隠れていた。


18種の銘酒を利き、MINOてつめいの創作料理を楽しんだ後は、忘年会のプレゼント福引大会。
陶芸家のぐい呑みなど豪華景品が用意されていた。

くじ運のない筆者にも、今日はどうしたわけか、当たった。
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景品は、夏子のグラス3点セット。
尾瀬あきら原作の漫画『夏子の酒』は、1980年台後半ヒットした。 1994年にはテレビドラマ化された日本酒をテーマにした漫画の傑作だ。
今は手に入らない、レア物のグラスだ。


<感想>
1.忙しく土日が潰されてしまう日常から、酒のイベントにも参加できていない。
この会も、間際まで見通しが立たなかったが、なんとか参加することができた。
シナリオ通りのコーナーを辿り、銘酒を利き、創作料理をいただき、同好の士と酒・肴談義に時を過ごすことは実に楽しい。お陰様でストレス発散ができた。

蔵元さんと同じテーブルになり、手酌ではなく飲むことになったので、少々酔が深くなった。何しろ18種類もあるし、気持よく飲んだこともあるからだ。

2.この会は、出てくる酒の幅が広い。新酒もあれば、熟成酒もある。食中酒もあれば高級酒もある。
それぞれの位置を確かめることができるのが良い。


3.MINOてつめいの料理
今日の料理のテーマを考えるとすれば、加熱と素材らしさだろうか。

加熱は炙りと焼きと揚げの方法。
炙りは、棒鮨、あん肝、銀杏、茸、寒鰤、リンゴチップ
焼きは、ローストビーフ
揚げは、天麩羅の春菊と白子

加熱しても素材らしさを失わない判断は、料理人の見識に依っている。


信長公に拝謁できたし、宴も楽しかったし、今日は良い一日だった。






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2015/06/17  第300回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その1)

2015-06-17 23:38:00 |     季節の美味しさと日本酒を


酒の中島屋さん主催の「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」は、今日で300回記念である。
日本酒の会の300回は金字塔といえる。
月一度としても丸25年の歳月を経過している。
当初は、月一度では無かっただろうから、実際は30年近いかもしれない。

今年に入り、世事に追われる日々が続き、この会になかなか足を運べなかったが、この300回は外せない。
その場に参加していたことは、自慢にもなる。
しかも、お店はお気に入りの楮の姉妹店であるminoてつめい。


参拝を済ませると、歩いてminoてつめいに向かう。
駅前の広い道路をゆっくり歩いて20分程度の距離だ。

金町5の交差点を左に曲がった処に店はある。
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大きな看板等はないので気づきにくい。
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店の前にたてばminoの表示があるが、個性的な書体なので知らないと通り過ぎてしまうかもしれない。

店に入ると、まだ酒の中島屋店主は来られていなかったが、minoの板長さんが迎えてくれた。
すぐ、店主が今日の出品酒をもって到着された。

minoてつめいは、入り口を入ると、右に長いカウンター、左はテーブル席になっている。
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入って直ぐ左は、小上がりになっている。
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宴の開始時刻20時が近づくに連れ、参加者が集い始めた。
最初は、初参加の元気な男性4人組、追って常連さんも到着、酒の会仲間のA氏もT氏も到着した。矢張り300回記念は外せない思いなのだ。

定刻になり、中島屋店主が開会の挨拶、300回に話が及ぶと会場の参加者から拍手が湧き起こった。出来れば、美人が花束を持って登場してくれると良いのだが、参加者はその用意はしていなかった。

今日参加の蔵元恵那醸造の長瀬蔵元杜氏の挨拶が終わると、300回目の酒宴が始まった。


この会は、中島屋店主が企画したコーナーにそって、お酒が登場する。 最初のコーナーは、乾杯になっている。
中島屋さんが特別に雫取りを依頼した鯨波の純米吟醸 袋吊りが、参加者の盃に注がれるのを待って、乾杯。

<今日の出品酒>

(以下出品された銘酒の印象を記載するが、個人的な嗜好に基づくもので、基より客観性はない。関心・疑問を持たれた場合は、直接飲んで確かめられたい。)


<乾杯>

・純米吟醸 鯨波 袋吊り生 恵那醸造 (岐阜)
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           立香は甘い吟香、フルーティーさを感じさせる。甘い入り口の後酸は爽やかな酸味で、辛味のスピード感がある中盤ピリッとした味わいに柔らかな舌触りも感じる。含み香も吟香を感じるが程のよいもの。残り香にも軽い吟香がある。メリハリの有る味わいで香りも高く、中盤の辛味がスピード感を感じさせる。度数も16度以上あり飲み応えがある。

カウンターの上には、恵那醸造さんの仕込み水が和らぎ水として用意されているのは嬉しい。
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<岐阜の夏の酒>
このコーナーは鯨波を楽しむコーナー。蔵元杜氏さんのお話を聞きながら利くことが出来るのは得難い機会だ。

・鯨波 吟醸 夏吟 恵那醸造 (岐阜)
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立香は仄か。甘い入り口、バランスのよい味。ふわりとした柔らかさを感じる。辛味は抑えられている。後半も味のバランスが良い。苦・渋も浮かない。後半の切れ良い。
純米吟醸 袋吊りの後に利いたので、相対的に穏やかさを感じたのかもしれないが、夏向きに単独で飲んでも良いし、癖がないので料理とも合わせやすい。
夏の酒としてお薦めだ。


・鯨波 純米 恵那醸造 (岐阜)
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           立香は感じない。甘い入り口。スッキリとしている。酸の膨らみはなくスピード感を感じる。中盤、軽い辛味と苦味があ。大きさを感じさせる味わいではなく、真ん中に集まる感じがある。もう少し温度を上げる、もしくは燗をつけると膨らみが出そうな気がする。


・鯨波 純米吟醸 無濾過生原酒 恵那醸造 (岐阜)
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立香は甘目の吟香。甘い入り口。酸は膨らまず辛味を伴いスピード感がある。中盤から辛味+苦味+渋味のパンチを感じさせる。含み香に吟醸香を感じる。
押しのある味わいなので、牛肉のしぐれ煮に良く合った。


・鯨波 大吟醸 山田錦 恵那醸造 (岐阜)
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立香は仄かで、立ちすぎる吟香は抑えられている。甘い入り口、バランスの良い穏やかな味わい。中盤から次第に辛味が来る。含み香は吟香が仄か。後口は辛味系。
大吟醸にしては後半の残味がやや多い感じがあり、切れの良さに繋がらない印象があるが、度数が17度~18度ある濃さがそう感じさせるのかもしれない。


<純米酒の個性・生>

・ゆきの美人 純米吟醸 スパークリング生 秋田醸造 (秋田)
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入り口は発泡の辛味、シュワっとした辛味の後、酸は軽く広がって切れる、膨らんで切れる印象。後口はスッキリとした辛味、切れを感じさせる。


・信濃鶴 純米吟醸 無濾過生原酒 長生社  (長野)
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立香は甘い吟香。スーッと鼻に抜けるスピード感のある吟香。甘い入り口。酸は程よく膨らみ、続いて辛味の押しがある。含み香にも吟醸香が立つ。後口は癖がなく良い。


・長珍 阿波山田 純米65 無濾過生原酒 長珍酒造 (愛知)
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立香はあまり感じない。甘い入り口。トロリとした舌触り、酸の膨らみがある。中盤から辛味と渋味が一体となった塊が押しを感じさせる。その後後半はピリリとした辛味がある。
パンチを感じさせる味わいで、肉やコッテリした料理に合いそうで、焼鯖に合わせた処、焼き鯖に負けず渡り合い良く合った。


<純米酒の個性・火入れ>

・四季桜 特別純米 宇都宮酒造 (栃木)
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立香は仄かだが快い香り。甘い入り口。酸味が膨らむ。中盤含み香を感じるエチル系の香り。膨らみは大きい。中盤以降次第に渋味と苦味が来て、味を締める。


・墨廼江 純米吟醸 中垂れ 墨廼江酒造 (宮城)
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立香は仄か。甘い入り口、バランスのよい味。ふわりとした柔らかさを感じる。辛味は抑えられている。後半も味のバランスが良い。苦・渋も浮かない。後半の切れ良い。
(1)の後に利いたので、相対的に穏やかさを感じたのかもしれないが、夏向きに単独でも良いし、癖がないので料理とも合わせやすい。夏の酒としてお薦めだ。入り口味濃い、甘味+辛味+酸味が詰まっている。中盤以降味が解け含み香も出る。


<今日の贅沢・吟醸酒・飲み比べ>

・明鏡止水 純米大吟醸 m14 大澤酒造 (長野)

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立香は仄かだが、洗剤のような香り。甘い入り口。含み香はエチル系。酸味の膨らみ。含み香が気になる。エチル系がついて回り、落ち着かない。


・庭の鶯 心 特別大吟醸 山口酒造場 (福岡)
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立香は仄か。甘い入り口。バランス良い。癖を感じさせない、軽い世界。含み香が立ち香より立つ。味のバランス良い。


・松の司 大吟醸 出品タンク H26BY 松瀬酒造 (滋賀)
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立香は吟醸香が高く立つ。甘い入り口。酸はスピード感があり辛味がスッキリとした印象を与える。含み香も吟香。


・松の司 大吟醸 出品タンク H23BY 松瀬酒造 (滋賀)
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立ち香穏やか。広がりが大きく透明感が増す。後口は辛い。後半から後口にかけ、やや切れが良くない。

比べると、これのほうが中盤が大きく、透明感がある。
H26はフレッシュ感があり、双方とも個性があり、飲み易い。




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2015/06/17  第300回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その2)

2015-06-17 23:35:00 |     季節の美味しさと日本酒を


<今日の料理>

お品書きは、あったかもしれないが目につかなかったので、筆者が勝手に名前を書いている。

・緑野菜の先付け
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お品書きがないので判らないが、緑の野菜(アスパラガス、オクラ?)をすりおろしたものにチーズ、出汁を加えている。
食感は、口に入れるとトロリとした食感だが最後は少しザラッとしている。塩味がベースだがミルキーな味わいに旨味が厚く膨らむ。
味わいの膨らみの後を黒胡麻の香ばしさが追いかけてくる。


・生とうもろこしのかき揚げ
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揚げ物は揚げたてが一番。取り置かずに直ぐに食べる。
口に近づけると、生のとうもろこしの甘い香りが漂う。
口に入れるとカリッとした衣の食感の後、生のとうもろこしの甘味と香りが口の中に広がる。
カリカリとした食感ととうもろこしの甘さと香りが繰り返されて、いい感じ。


・枝豆の炒めもの
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枝豆は、茹でたものを塩を振って出すのが定番だが、これは炒められている。
見たところ莢豌豆のように莢ごと食べるものかと思ったが、口に入れると固く、豆だけを食べるものだった。
炒める時に、醤油+味醂+バターのような味付けが軽くされており、莢の味付けと枝豆の豆の味わいが渾然としてところに焼いたことによる香ばしさが加わり、普通の枝豆とは違った世界になる。初めて食べた枝豆の世界だ。


・焼き鯖の棒寿司
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焼き鯖を酢飯で棒寿司に仕立てている。

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鯖の表面は加熱されているが、中は生の状態。
鯖と酢飯の間に大葉が挟んである。
軽い味わいの酢飯と鯖の旨味と香ばしさにほんのり漂う大葉の香りを楽しむことが出来る。魚の生臭さが気になる人でも美味しくいただける。
鯖が大好きな筆者にも当然のことながら美味しい。


・飛騨牛のしぐれ煮
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太目の牛蒡のスライスと昆布と飛騨牛を煮込んで、薬味ネギが添えられている。
佃煮ほど濃くはなく、煮物と佃煮の中間の濃さで、甘い醤油の味わい

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佃煮のように煮染めてはいないので、素材の味が残されている。牛蒡はサックリとした食感に牛蒡の旨味、飛騨牛は乳臭い牛肉の味と香りがある。
これは、パンチの有る鯨波の無濾過生、信濃鶴、長珍に良く合った。


・生うにと水ナスと瓜の和物
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この料理は、重層になっている。下の方には瓜と水ナスが敷かれており、写真では見えないが金山寺味噌が添えられている。瓜と水ナスは生そのものではなく、少し加熱して出汁に浸してある感じ。その上にまた瓜と水ナスが乗り、その上に生うにが乗っている。

このような料理は食べ方が難しい。
海鮮丼でも人によって食べ方が異なる、一つの器のものは混ぜて食べる人と混ぜないでそのまま食べていく人と別れる。
カレーライスですら、混ぜてから食べる人がいる。

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混ぜるか混ぜないかは好みの問題だから、混ぜない方式で、上から食べることにした。

生うには、保存料の味のしない新鮮なもので、トロリと甘い。
これはこれだけで楽しむことが出来る。
合わせるなら、夏吟か庭の鶯か松の司の23BYだ。

瓜と水ナスは生そのものでは無く、出汁に浸されている。
水ナスは生のサラダ程ではないがサクリとした食感がある。
瓜も同様だ。金山寺味噌のアクセントがあり和の和物の良さを感じる。

これを混ぜて食べたらどうなるか?
想像はつかないし、リスクは高そうだが、試してみる価値はある。案外、うにが裏方に回り、全体の旨味を演出するかもしれない。


・アスパラガスとベーコンのフライ
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長いアスパラガスをベーコンで巻き、姿揚げにしてあり、豪快だ。家庭では無理な揚げ方だ。

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焼き鯖寿司と比べると、長さ大きさが解る。
尻尾の方からかぶりつくと、衣のパリパリとした食感の後、ベーコンの燻した香りは立たず、旨味が表に出る。その後、生の食感と味わいを適度に残したアスパラガスの甘みが感じられる。アスパラガスを姿ごと楽しむ趣向に特段のソースは必要ない。


・バイ貝のうま煮
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話をして、目を離しているうちに、無くなってしまっていた。
従って、感想を書くことが出来ない。


・豆腐の味噌漬け
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最初は塩味を感じるが、次に味噌の旨味、次に豆腐の甘味と旨味を感じる。さっぱりとした味で、合う酒の幅は広そうだ。


・若鮎の煮浸し蓴菜、香草添え
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鮎を炙ってから、出汁に浸してある。

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口に入れると胡麻の香りの後、鮎の旨味が口に広がった。
鮎はまだ小振りな若鮎だが、侮る事なかれ、旨味が一杯だった。
出汁は薄塩味で蓴菜はツルリ、香草はしっかりとした食感。

この鮎は美味しい。旨味がいっぱいだ。


・香の物
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生姜と守口漬。
生姜は酢漬け。甘い酢の香り。甘く、次に酸っぱいが、軽く速い酢の味。
守口漬は、カリカリとした食感。塩味が強めで粕漬けだとすると尖った味わい。これに対抗できるのは長珍だろうか。


・なめこ蕎麦
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薄い味の冷やし蕎麦。トッピングは大きななめこに、わさびとおろしがトッピングされている。褐色のものは海藻。
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なめこはツルリと喉を通る。
海藻は何か判らなかったが、口当たりは蓴菜のようなツルツルなめらかな食感だが、噛むとコリコリとした歯応えがあり、美味しい。
飲み終わった後に、さっぱりとした冷やし蕎麦は快適で、あっという間に喉を通りすぎてしまった。


時間が22時を回っていた、帰りの時刻表を考えると、これ以上の長居は避けたほうが良い。
最後に、スイーツが出るかもしれないが、駅に向かうことにした。


300回記念の「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」に参加して、煩わしい世事から離れ、銘酒と特別な料理の世界に遊ぶことが出来た後の足取りは軽いものだった。



【データ】

minoてつめい
岐阜市徹明通3-9 パークビル1階
TEL: 058-263-7771
営業時間: 11:30~13:30
( ※夜は要予約)
定休日: 無休
http://g.lets-gifu.com/shop/index-12815.html




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