評価 (3点/5点満点)
自分の軸を持つにはどうすればいいのでしょうか?それには本当の「知」を鍛えるしかありません。読書はそんな力を、この上なくもたらしてくれるはずです。
私にとって読書をすることと仕事をすることは、分けて考えられるものではありません。本を読んで学んだこと、目を開かされたことは、何らかの形で仕事に生かされることがあるし、仕事で体験したことが読書を通して「あれは自分にとってこういう意味を持つものだったのか」と整理されることもあります。互いがいい形でフィードバックし合うのです。(P.128)
体験だけで生きてきた人の、人を見る目が5のレベルにあるとします。ところが、その人が体験だけでなく、読書も重ねていくなら、そのレベルは倍近くになる。そのくらい、読書は人を見る目を養ってくれると思います。その人が本をふだんから読んでいるかどうかも、すぐわかります。読書家の人は論理的な思考ができて、話す言葉が整理されている。この人は読書をしていないなという人と比べると、コミュニケーションに信頼感があります。ふとした振る舞いに人間的な幅や余裕が感じられる。(P.167~168)
伊藤忠商事前会長、元中国大使で、ビジネス界きっての読書家である丹羽宇一郎さんが、本の選び方、読み方、活かし方、楽しみ方を縦横無尽に語り尽くします。