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2017年39冊目『デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論』

2017-01-14 22:06:01 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

元ゴールドマン・サックスの金融調査室長で、現在は国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社社長の著者が、平均年収2倍、GDP1.5倍の日本復活への秘策を提言します。

本書の内容を要約すると、これまで日本が成長してきたのは人口の増加によるところが大きく、そのため人口減少に入った現在においては生産性を向上しないと日本の今後の発展はない。潜在能力が高いにもかかわらず、それが十分活かされていない現状を認識し、海外の実例も参考にやるべきことをやろうというもの。

皆さんが学校でこんなに熱心に勉強して、塾にも通って、就職してからも毎日長い時間を会社で過ごし、有給休暇もほとんど消化せず、一生懸命働いているのに、「生産性は世界第27位」と言われて、悔しくないですか。先進国最下位の生産性と言われて、悔しくないですか。(P.63)

「昭和の常識」(日本の生産性はそれなりに高いという幻想)から早く卒業し、生産性の向上に1日でも早く真剣に取り組まないといけないのです。

【my pick-up】

◎「失われた20年」は十分予想できた

GDPは「人口×生産性」ですので、人口が増えず、生産性も改善されなければ当然、GDPは伸びません。人口が増えている国や、生産性が上がっている国と比較すれば、相対的に悪化していきます。つまり、「失われた20年」は、実ははじめから予想できたことなのです。私から言わせれば、この「失われた20年」は経済成長を失っていたのではありません。「国を挙げて生産性改善へと踏み切るのだという気概」を失っていたのです。きちんと分析すれば成長しない理由は明らかになったはずなのに、「日本人は自信を失った」「官僚の縦割り行政が悪い」「日本型資本主義はすばらしい」などと、論点のずれた議論が繰り返されてしまいました。「失われた20年」とは、日本が客観的に自らの成長を振り返ってこなかった20年とも言えるのです。

◎政策目標は「上場企業の時価総額」

政府は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のファンドマネジャーに対して、運用利回りを上げるようなプレッシャーを徹底的にかけていくべきです。そうすると、そのファンドマネジャーは年金を投資している各企業に対して、もっと時価総額を増やすようにプレッシャーをかけます。コスト削減や配当の引き上げだけでは株価は継続的には上がりませんので、拡大型経営戦略の下で積極的な投資を行うことによって株価を上げる努力を強制するのです。

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