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命のこと、自然のこと、地球のこと、共生について。。。

武田薬品 竣工式と見学会と

2011-03-03 03:57:04 | 武田薬品新研究所
2月19日(土)

武田薬品湘南研究所では、竣工式が行われました。
神奈川松沢県知事、藤沢海老根市長、鎌倉松尾市長を初め、関係者などが参列した竣工式。
その週の月曜日2月14日(月)には、「環境保全協定」が、藤沢市と武田薬品、鎌倉市と武田薬品とでそれぞれ調印されました。
「環境保全協定」の内容は以下のURLで見ることができます。

藤沢市
http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/khozen/page_t100166.shtml

鎌倉市
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kan-hozen/takeda-teiketsu.html

私たち市民は、この協定に、「近隣の一部の住民だけが参加するのでなく、広く選ばれた市民や第三者が参加する安全協議会の設置」を強く求めてきました。調印された協定は、近隣の一部自治体または町内会が意見交流などを行う連絡会(議)が1年に1回以上開かれるとだけ、書かれています。

なんども過去の記事に書いてきましたが、この研究所は、大量の動物実験を用いて新薬を開発する施設です。当然危険な微生物や化学化合物も使われます。武田薬品は当然のことながら安全設備は万全であることを主張されますが、住宅街に建てられたこの巨大実験施設がいかに安全であったとしても、やはり市民の目、市民の監視は必要であると考えます。
排気についてはヘパフィルターを通して0.03%、ウィルスが外に排出されると武田自身も言っていますし、排水は固液分離され、危険な化学物質も含んだ液体が希釈され、一般下水道に排出されます。(この下水センタは、大清水浄化センターです。この浄化センタは一般家庭からの排水を処理するためのものであり、工場や研究所からの排水を処理する浄化センタではありません。)そしてこの浄化センタを通った排水は、江ノ島の海、相模湾へと流されて行きます。
このような研究所外に排出される汚染物質を私たち市民は見逃していてよいのか、実に恐ろしい話です。

しかし、協定は調印され、4月からの準備稼働を経て、10月に本格稼働へ進んでいきます。


武田薬品湘南研究所 竣工式




2月20日(日)

湘南研究所の見学会の日です。
武田薬品のHPでは、実験室も見られるということでしたので、動物実験室も当然見ることができるのかと思い、ドキドキしながら行きました。

しかし、一番驚いたのは、見学する人の人数です。武田薬品の発表によると、関係者も含めて5000人だったそうです。5000人!
私は、午前中の比較的早い時間に行ったのですが、日曜日の朝10時すぎ、しかもあれほど寒い日に、よくこんなに人が集まるものだと驚きました。こんなにたくさんの人が湘南研究所に興味を持っていたなんて!!
というわけではないことは分かりますが、この異様な人数の多さは、武田の研究所の異様な大きさと同じくらい、私の背筋を凍らせました。そんなつもりではないという方には申し訳ないのですが、「プロパガンダ」という言葉が脳裏から離れませんでした。武田薬品、恐れ入ったというような。。
5000人の中にこの不気味さを感じた人がどれだけいたか。。

施設の中は撮影禁止だったので、写真はないのですが、正面入り口には黄色い大きなモニュメント(羅針盤だそうです)がありました。また、少し行くと、アーティストの日比野克彦さん作の折り鶴のアート作品がありました。
広々として、全体的に白く、まさかその奥でこれから大量の実験動物が泣き叫ぶんだ、、、とは思えないほどのきれいな空間でした。
80名ほど収容できる武田薬品社員の子供たちのための保育所も完備、食堂も昼食、夕食、テイクアウトもできるサービスがあるそうです。当日は見学者にお茶が振る舞われていました。

実際の実験室ですが、公開されたのは、「合成実験室」「生化学実験室」「動物実験室」と3つあるうち、初めの2つだけでした。残念ながら動物実験室は見学させてもらえませんでした。おそらく多くの問題意識のある人が、ここを見たかったのではないでしょうか。。
そういう意味では、稼働前に多くの人々に、清潔な「動物実験室」を見せれるチャンスを武田薬品は自ら放棄してしまい、むしろ、見せなかったことで反感を買ってしまったことは、失敗だったのではないかなと思います。

たまたま私の近くにいた見学者の方が、武田のスタッフの方に「どうして動物実験室は見せてもらえないのですか?」と質問していたのですが、答えはこうでした。
「すでに無菌状態にあり、見学者を入れるとまた殺菌しないといけないから」
「また、中には乱暴な方がいて、実験室の機具を壊される恐れがあるから」
「さらに、建物のどこに動物実験室があるか外部に漏らすことはできないから」

うーん。。。
この質問をした人に乗っかって突っ込んでみようかと思ったのですが、きっとこのスタッフの方は、上から何か質問されたらそう答えなさいと言われているようだったので、私はそれ以上は聞きませんでしたが、、、、

ということは、「もしかしたらすでに動物が入っているのかもしれない」とか、実際に建設会社関係者が湘南研究所から最終的に立ち退いたのは、2月第1周目あたりという情報もあり、「そんな短時間で、研究所の半分近くもある動物実験関係室を無菌状態にできるのかな」とか「実験室の機器を壊される恐れがあるのは、合成実験室とか生化学実験室も同じだと思う」と素直に思ってみたり、「どこに動物実験室があるかは、武田から配布された資料に明確に載ってますけど。。??」とかと思って見たり。。。

見せたくないんでしょうね。やっぱり動物実験場は。それだけ彼らにとってもイヤな場所(見られたくないという意味で)なのでしょうね。私だって動物がここで苦しむんだ。。。なんてことを思いながら、見たくはないですけれども、でもやはり、動物実験をメインにした研究所ですから、見せるべきだったと思います。

もう一つ思ったのは、各場所に、専門家がいて、見学者が通るたびに「ここはこういう実験をするところで、このような仕組みになっていて、、、」という説明をしてくれるのかと思ったら、スタッフはいらっしゃるのですが、こちらから質問をしないとまったく何も発しない方たちばかりで。。。「順路」通りに進むための誘導員として立っていたのかもしれません。
これも近くの見学者が質問していたのですが、「ヘパフィルターはどこにどう付いているのですか?」と聞いたら、「ボクはわからない。メーカーに聞かないと」と素直に答えているスタッフの方もいらっしゃいました。
不安です。。。本当に不安です。
まさかこの方は研究の一部を担う方ではないと思うのですが、まさか研究者なり、助手なり、湘南研究所に勤務される人の中に、専門がどうであれ、研究室、研究所全体の仕組みがどうなっているのか分からない人なんて、いらっしゃいませんよね??

話は変わりますが、原子力発電所も、実際に中で働く人に、発電所の構造自体の仕組みを知らない人が多くいるということはよく聞く話です。発電の仕組みは分かっていても、どこにどんなものが設置されていて、それがどんな役目をしているのか、それを外すとどこに影響が出るのかとか、、
そういうことを分からずに、自分の目の前の仕事だけをこなす人が多くいるという話です。すくなくとも、発電所自体の構造を知らないと、何か起きたときにどう対処すればいいのか、わからないですよね。

湘南研究所の見学会に立っていたスタッフの方を見ると、その原発の話が頭をよぎり、非常に不安になりました。ヘパフィルターがどこに取り付けられているかを知らないということは、それを間違って外してしまう可能性もあります。それを外したら、(一応警報機は鳴りますが、鳴ったが最後です。。)汚染物質は排気とともに大量に外に流れるのです。
やはり、「市民参加の安全協議会の設置」は必須だと心から思ってしまいました。
普通、研究所などを見学すると、「ああ、これなら安心だ」って思うはずなんですけどねぇ。。。そこは原子力発電所とは違うところですね。。。^^;


さて、最後に、竣工式での武田薬品長谷川社長、神奈川松沢県知事の発言。

毎日jpより
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20110220ddlk14020136000c.html

長谷川閑史(やすちか)社長が(中略)「(輸送手段の)東海道線村岡新駅ができれば」と述べ、松沢成文知事が「新駅は近く期成同盟をつくり真剣に取り組みたい」と応えた。


すっかり頓挫したのかと思ったら、まだ新駅の話があったんですね。。
JR藤沢駅とJR大船駅との間にある湘南研究所。たしかに湘南研究所は藤沢駅と大船駅のほぼ真ん中にあって、行くにはバスを使う必要があります。

しかし、この両駅間は距離で5km、電車で走るとラッシュ時は5分です。この短い区間にもう一つ駅を作るのでしょうか。。。
ここを走る東海道線は10両~15両です。ラッシュ時は15両です。

時刻表を見るとこんな感じです。コチラ

特に7~8時台の朝のラッシュアワーをご覧ください。
こんなに間隔が短いのに、これ以上停車駅を作って、停車させたり発車させたりしたら、どうなるか。。。危険だと思います。
回避策は、電車の本数を減らす。。。そうなると、藤沢、大船の利用者だけでなく、東海道線利用者全員に大きな影響が出ます。ね。
JR東日本がまさかこれを受けるとは思えないのですが、、、、今度JRに問い合わせてみようと思います。


ちなみに地図はコチラ


こういう考えはいかがでしょうか。。

2011-02-09 19:26:04 | 武田薬品新研究所
こういう考え方はいかがでしょうか?

この問題を、靖国をめぐる英霊の問題、あるいはハンセン病患者に対する断種問題、または脳死と臓器移植の問題などと同じように考えるには、色々な意味で非難を浴びそうな気もするのですが、武田薬品湘南研究所建設・稼働の問題は、前述した問題に構造的に非常に良く似ていると思います。
本当はこういうことを書くのは、実は怖いのですが、今武田問題と対峙している市民や、また色々な理由から諦めてしまった市民、諦めざるを得なかった市民は、靖国における、英霊として祀られている人々やその家族と同じ(似ている)なのではないかと思います。

武田薬品湘南研究所は、藤沢市・鎌倉市の”住宅街”に、(病院も幼稚園も団地もマンションも一軒家もあるごく普通の住宅街)に、創薬研究のための巨大施設(国会議事堂2つ分)を建設し、春から稼働する予定です。
稼働が始まると、研究所の屋上などに設置されている排気口から、0.03%の割合で、実験などで使用された微生物が空気とともに排出されます。
武田薬品は危険な実験ではないから大丈夫だと言っているのですが、想像してみてどうでしょうか?
今までと同じ生活をしながら、得体の知れない微生物が含まれる空気を吸わなければならない、このような環境で暮らさなければならないことを、人々は強いられています。
換言すれば、これは強制、強要であり、犠牲であると言えるのではないでしょうか。

戦争での悲惨な死、非業の死をとげた人々も、同じく、強制、強要によって死ななければならなかった状況にあったと考えると、こういう状況は、湘南研究所の問題と非常に良く似た構造なのではないかと考えられます。

また、当然のことながら、このような住宅街に研究所を建設・稼働させなければ、周囲の住民は、0.03%の微生物を含む空気を吸わずに一生を過ごすことができたことは言うまでもありませんし、湘南研究所稼働に心を悩まされたり、精神的負担を強いられずに生活することができました。
同じように、戦争さえなければ、戦争による非業の死をとげず、生き続けることができたことは言うまでもありません。

そして、戦争で戦い死んでいった人々を、「お国のための尊い犠牲として」という名目でその犠牲が美化されてしまっている。そう思うことを強いられている。それが靖国の大きな問題の一つだと思っています。

武田薬品が昨年末に行った環境保全協定の住民説明会の中で、大川取締役は、こう述べていました。
「通常時、パンデミックなどを引き起こすような危険な病原体を扱う研究はしません。ただし、
 国からの要請などがあった場合は、国の指示などに従って(研究・実験することを)考えなければ
 ならない。それは、企業としての社会的責任でもあり、また、(国民の)みなさんの健康を
 守るために我々がしなければいけないことなのだ」と。

「みなさんの健康を守るため」に、住宅街で危険度の高い研究を行うのだ。と。
住宅街で危険度の高い研究を行うことは、みなさんの健康のため(の犠牲)なのであると。
住宅街で危険度の高い研究を行うことは、武田薬品という企業の社会的責任のため(の犠牲)なのであると。

戦争によって非業の死をとげたのは、お国のための尊い犠牲のためだったのだ。と。

このような名目、美名を掲げ、
「だから仕方ない、ご理解ください、そういう状況下では、パンデミックを引き起こす可能性のある
 危険な病原菌を住宅街で研究、実験することも致し方ないのです。国を、国民全体を守るための、
 また企業の社会的責任をとるための尊い犠牲なのだ」と。
私はどうしてもそう言っているようにしか聞こえません。


少し飛躍しすぎかなとも思うのですが、構造的には非常によく似ていると思います。そしてそれは武田だけでなく、原発問題も非常によく似ていますし、諫早湾の干潟の問題にもよく似ていると思います。他にもたくさんあるのではないでしょうか。

この、武田薬品湘南研究所が抱える問題(※)は、排気だけでなく、排水、実験動物の死骸の搬出、振動、騒音などのほか、大量の実験動物に対する数や種類、3Rを遵守するのかといった実験動物に関する問題など、多岐に渡ります。
また稼働開始にともない、研究所には約1200名の研究員とその家族が近隣に越してくることになります(当然全員ではないと思いますが。。)
そうしたときに研究者やその家族と、地域住民との共生の問題などにも目を向ける必要があると考えます。

一大企業の建設、稼働によって、環境的にも精神的にもそこに強要、強制が発生し、人々が被る犠牲を、「国民の健康を守るため、企業の社会的責任を果たすため」と称して、危険な実験をすることを正当化する武田薬品の発言・行為をこのまま見過ごすことは、あるいはその地域だけの問題して見ることは、今後もどこかで起こる可能性のある、「小さな靖国問題」を見過ごすことと同じなのではないでしょうか。


近隣に生活するある人が言っていました。

「今ボクは、女房と二人で暮らしているけど、どっちかが死んだら、もうこの家から
 出ることにするんだ。
 本当は将来、息子たち家族と一緒にここで暮らそうと思っていた。
 だけど、もうそんな気はすっかり失せてしまった。
 孫たちには、じいちゃんのところには来るな、あぶないからね と言っているんだ。。」

「国民の健康を守るため、企業の社会的責任のため」という美しい言葉の下で正当化し伝えられ、一人の人間が描いていた夢は、こうして犠牲を強いられることになります。



・排水:
 固液分離をして、液体部を希釈して一般下水に流します。
 当然液体部には排気同様、実験などに使われた病原菌などが含まれており、その汚水は一般家庭用
 下水と同様の処理をされ、河川を通り、江ノ島の海に放出されます。
・実験動物の死骸の搬出:
 施設内で焼却せず、外部委託にて焼却することが昨年末に明らかになりましたが、どこで燃やすのか、
 どの道順で外部委託先に搬出されるのか、委託先の環境はどのようになっているのかなどは不明です
・実験動物に関する問題:
 動物実験に関わる棟は、研究所全15棟のうちの7棟であり、いわば研究施設の半分近くを占めて
 います。この研究所は、動物実験施設と言っても過言ではありません。
 そのような施設において、現在の実験動物の取り扱いの指針である3R
 (Refinement:苦痛の軽減、Replacement:代替法の利用、Reduction:動物利用数の削減)を遵守
 することは必須であると考えられます。

武田薬品湘南研究所 市民が強く望むこと

2011-01-31 01:39:26 | 武田薬品新研究所
1/30。
武田薬品湘南研究所の稼働目前に、藤沢市・鎌倉市の市民が集まり、「市民参加の安全協議会を求める」集会・パレードに参加してきました。

湘南研究所は、2月半ばに稼働を開始する予定で、それまでに、藤沢市と武田薬品、鎌倉市と武田薬品とで、「環境保全協定」が結ばれます。
しかし、この協定には、市民の発言権がほとんどと言ってよいほどありません。
今回の集会は、それを求めることがメインスローガンでした。





そもそも、なぜ市民は市民参加の安全協議会を強く望むのか。。
もう一度、考えてみました。

昨年の10月に、2市と武田が出してきた協定案は以下のとおりでした。

http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kan-hozen/documents/kyouteisho_02.pdf
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kan-hozen/documents/oboegaki_02.pdf
(これは鎌倉市のものですが、藤沢市も地名が違うだけで、他は一語一句同じでした)


ざくっと読んでいただければすぐに分かると思うのですが、この協定案は、これを締結させることで、「武田薬品の巨大(国会議事堂2つ分の敷地)な創薬開発の研究所を住宅街で稼働させても、間違いなく環境を保全(保護して安全であるようにすること)させます」というような、企業・行政の責任を果たしているようには、どうしても思えません。

それは、各条に「○○に努める」とか、「自主管理マニュアルを作成し遵守する」とか、「法令に遵守し安全に取り扱う」とかとありますが、このようなことを努めたり守ったりすることは、協定以前の問題で、当たり前のことです。
とても誠意ある協定とは思えないのです。

わざわざ協定を結ぶということは、現在の法令や条例以上に厳しい基準を設置するために結ぶものではないのか?と思うのです。


この建物は、モロに住宅街に建てられています。
真横には湘南鎌倉病院という総合病院もあります。
マンションや団地も多数あり、幼稚園や小学校もある、ごくごく普通の住宅街なのです。

こういった立地条件に、創薬開発の研究所を建設すること自体、企業としていかがなものかと思います。

※創薬研究所は、薬を大量生産する工場とは全く違います。
 薬になるかもしれない可能性のものを見つけ出すために、さまざまなウィルスや病原体や化合物を
 動物に投与したり、化学反応を起こさせたりする研究所です。
 当然そこからは、危険なウィルスなどが含まれる排気や排水、そして実験で殺された動物の死骸も
 排出されます。

武田薬品は、建設前からきっと住民から反対運動が起こることを予測していたと思います。
武田薬品ともあろう大企業が、そういうことを予測しないわけはありませんから。。。


だとしたら、もう少し、市民が納得する協定案を出せないのか?
もし、武田や行政が、このような案をよしとしていたのであれば、私たち市民は、彼らと湘南研究所のこれからを疑わざるを得ないのです。
(よしとしたから、市のHPに掲載したのでしょうけれど。。。)

昨年の12/26に2市と武田で、住民説明会が開かれました。
そこで、武田薬品の大川取締役は、このように言われていました。
後半9分あたりからです。




「住民の声を聞くことで、今まで自分が当然と思うことであっても、住民にとっては心配であるということを理解した」という内容です。

また鎌倉市の環境保全課は、同じくこの説明会で「みなさんの思いは分かりました。」ということを言われています。

しかし、パレードが行われた1/30現在、残念ながら、市民が分かるような形でのアプローチは、ありません。
もし、これを読んでくださっている方が藤沢市民または鎌倉市民であれば、武田薬品や市から、このことについて、何かアプローチがあったでしょうか?


将来、この研究所が原因で、環境や人体に被害が及ぶかもしれませんし、及ばないかもしれません。
分かりません。

けれども、公害の歴史は、市民の目がどれほど大切であったかを、確実に証明しています。
私たち市民が監視できないで(発言権がなくて)、一体誰が私たち市民に変わって監視し、私たちや環境を守ってくれるのでしょうか。。。


一方、このような武田や行政に対する抗議行動は、「地域エゴ」ではないか?という声も聞こえます。
たしかに、表面だけを見れば、巨大な研究所が目の前に建てられて迷惑だ と騒いでいるだけのように見られてしまうかもしれません。
「世の中には、武田が作る薬で命を保ち、健康を維持しているたくさんの人がいるというのに。。。」と。

一理なくはないと思います。

しかしならばこそ、一緒に考えてほしいのです。
人間の命を守る社会的責任のある大製薬会社が、なぜこのような危険な研究所を住宅街に建設し、市民参加の協議会を設置しようとしない協定を締結させようとしているのか。

そして、もし今、武田薬品と行政が行うことを許してしまったら、またどこか違う土地で、同じことが起きるかもしれない。
他の製薬会社が、「湘南で前例があるから」という理由で、住宅街に創薬研究所を建ててしまうかもしれない。

一つ一つの問題を、たくさんの市民、国民の目で解決して行こうとしなければ、いつかまた同じことが繰り返されてしまうことも私は考えています。

そういう意味でも、今回の集会・パレードのスローガン「市民参加の安全協議会を求める」は、現在進行中であり湘南で起きた武田薬品問題であるとともに、将来と、他への歯止めというところでも、非常に大きな意味のある活動だと思っています。

本当のことを言えば、創薬研究所の稼働なんて、今すぐ止めてほしいところです。
しかし、私たちは、そこを譲歩しているのです。
そのうえで、協定に「市民参加を」と唱えているのです。

今のままでは、藤沢市への税収(お金)と引き換えに、市民の健康や命が危険にさらされる可能性があるのです。

↓武田薬品HP。タケダイズムとは。。
http://www.takeda.co.jp/about-takeda/corporate-philosophy/article_61.html

武田薬品 「市民参加の安全協議会を求める1.30集会パレード」

2011-01-22 23:41:02 | 武田薬品新研究所
昨年12月5日に、実験動物焼却炉稼働反対を唱え、武田薬品湘南研究所周辺にて、市民が集会、パレードを行いました。
その後、12月26日に、藤沢市と武田薬品、鎌倉市と武田薬品が共催で、環境保全協定についての住民説明会があり、
そこで、「実験動物焼却炉の外部委託の決定」が発表されました。
(しかし、この外部委託は100%外部委託ではなく、”何かあれば”、湘南研究所で焼却炉を稼働する という曖昧なものです)

この「実験動物焼却炉の外部委託の決定」は、住民がずっと異を唱えてきたことがかなったものです。
市民の力が行政と企業を動かした証だと思っています。

しかし、残念なことに、湘南研究所の問題は、焼却炉だけではありません。

・市民が環境保全協定に参加できていない=公害が起こる条件の大きな要因です
・研究所から排出された水が、一般排水と同様に下水処理され、江ノ島の海に流される
・研究所からの排気は、危険な研究(創薬研究)に使用された空気であり、
 その空気が、近くの住宅街に滞留する可能性が多い
・実験動物焼却炉はほぼ外注されるものの、あの巨大な研究施設の中では、
 一日1トン近くの動物が実験され死んでいくという事実に何ら変わりはない。

など、あの世界一とも言われる巨大研究施設で行われる研究は、近隣だけでなく、大清水エリア(下水処理場のあるエリア)、
江ノ島海岸~相模湾、空気の滞留は研究所近隣、そして風向きや風力によっては横浜市方面へと向かいます。

さらに、実験動物の死骸の輸送の問題もあります。
輸送車の事故により、危険な実験をされた動物達の死骸が散乱したら、どうなるのでしょう。。
(もちろん、輸送前に滅菌処理をするということで武田としては安全に運べる状態にするとのことですが。。)


まだまだたくさんの問題を抱えています。

所々で、「焼却炉が外注されたから、武田問題は解決した」という声を聞くこともありますが、
問題は、焼却炉だけではないのです。
そして、決して近隣だけの問題ではないのです。

江ノ島の海が汚れる。
魚も汚染されます。
空気が汚れます。
その空気を何年も吸わなければいけない人々。
それは近隣だけでなく、ときには広域に及びます。

私は、この武田問題の構造は、原発問題の構造に非常に良く似ていると感じます。
地域の問題ではなく、多くの日本人がしっかり見つめ続けなければいけない問題だと考えています。

もし貴方が、武田薬品の薬やサプリメントで健康を保っているのであれば、なおのこと、
この問題を真剣に見て欲しい。
そう思います。


昨年12/5のパレードと武田薬品湘南研究所。


「市民参加の安全協議会を求める1.30集会パレード」

1/30 10:00~ 武田薬品湘南研究所周辺で、集会・パレードが行われます。

スローガンは、
・市民参加の安全協議会の設置
・危険なP3,P4実験をやるな
・大量実験動物の削減
・排水、排気の自家処理循環利用をせよ

今ストップさせないと、実際稼働が始まった後、あるいは協定が行政と結ばれた後では、取り返しのつかないことになります。

このブログを読んでくださる皆様、たとえ遠方であっても、応援お願いいたします。
そしてもしお近くの方であれば、足をお運びください。
実際の武田薬品を見て、そこで何が起きているか、起ころうとしているか、見ていただきたいと思います。

宜しくお願いいたします。


/////

集会場所への行き方。


集会の場所「村岡城址公園までの行き方」

パレードの集合場所は「村岡城址公園」ですが、
最寄りのバス停は「十二天公園前」です。
公園まではここから徒歩8分ぐらいです。
JR東海道線大船駅・藤沢駅からバスが出ています。

大船駅から:
東口バスターミナル(ルミネ南口側)バス乗り場2より、
「藤沢駅行き」(四季の杜経由)〔江ノ電バス〕に乗り、「十二天公園前」下車
<!ご注意! 津村、江ノ島、四季の杜行きは十二天には行きません!>
バス時刻表
http://www.enoden.co.jp/bus/jikoku/old_timetable_pdf.php?cd=609&no=2

藤沢駅から:
藤沢北口ターミナルバス乗り場11より、
「大船駅行き」、または「四季の杜行き」〔江ノ電バス〕に乗り、「十二天公園前」
下車
バス時刻表
http://www.enoden.co.jp/bus/jikoku/old_timetable_pdf.php?cd=100&no=11


※バスは大船駅から乗車するよりも、藤沢駅から乗車したほうが、分かりやすいと思います。


企業と行政の間で。。(問題のありか)

2010-12-26 22:26:46 | 武田薬品新研究所
今日は武田薬品と藤沢市、鎌倉市とが共催で、それぞれ環境保全協定の住民説明会が開催されました。

11月に両市はそれぞれ、市民に対してこの協定案について意見公募し、それをとりまとめています。
簡単に結論をいうと、ほとんど反映されていません。
市民はほとんど介入できない協定となりそうです。(まだわかりませんが)

そのような中で、1つ近隣住民にとって朗報がありました。
動物焼却が外注されるということでした。この情報は本日、行政側も知らないうちに発表されたようです。

朗報。
朗報でしょうか。

もちろん朗報です。

説明会には、武田薬品湘南研究所の目と鼻の先に住んでいる住民も多く参加されており、焼却が外注されることを大変喜び、武田薬品へお礼を述べる方もいました。
窓を開けると武田の焼却炉が見えるところに住んでいる方々にとってこれほどの朗報はありません。
私も「よかったなぁ」と思いました。

でも、私はどうしても違和感を感じてしまいます。
その第一報を聞かされたとき、「何故?今?」という思いと「シナリオではないか?」「とりあえず(近隣住民を)黙らせるだけなのではないか?」と直感的に感じました。

もちろん朗報なのですが、私たちは、武田薬品に踊らされていないでしょうか。
この情報は、藤沢市も鎌倉市も、今日知った情報なのです。
こんな大切な情報を、説明会の当日になるまで行政にすら黙っている武田薬品。
この状況に、どうしても違和感を感じずにはいられません。

また、この地で焼却されない動物の死骸は一体どこにいくのでしょうか?
おそらくすでに委託業者の選定は終わっているのではないかと思います。
そこはきっと住宅街ではないでしょう。
でもそれでいいのでしょうか?

私は「湘南研究所で燃やしたほうが良い」と言っているのではなく、湘南研究所で燃やされないということは、間違いなく別の場所で燃やされ、滅菌処理されているとはいえ、危険な実験をされた動物の死骸がどこかで燃やされるのです。
環境汚染がされるということです。

非常に複雑です。

さらに、焼却炉の稼働に反対していた多くの住民は、これで大きな前進と思われているかもしれませんが、焼却をしないだけで、湘南研究所の中で行われるバイオ研究や動物実験は、同じなのです。

死骸を燃やされて煙が出るのもイヤですが、あの巨大な建物の中で、実験される動物たちの悲鳴や苦しみを想像することも堪え難い苦痛だと、私は感じます。


今日参加した私たちは小さな市民です。
大企業と行政の間で、笑い、泣き、悔しい思いをする小さな市民です。

ですが、彼らに振り回されることなく、問題のありかを今こそしっかり見つめ直すことが大切だと思いました。
問題は、焼却炉ではないのです。。。


住民からの質問に答える武田薬品役員たち。